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宝塚歌劇と私
宝塚との出会い
☆私と宝塚歌劇との出会いは、学生時代に高校の宿直のバイトをしていたある土曜日、たまたまつけていたTVで当時放送されていた「タカラヅカ花の指定席」であります。
☆その公演は杜けあきさん主演の雪組「黄昏色のハーフムーン」でした。ほのぼのとした単純明快なラブ・ストーリー(?)で、初めて宝塚を見た私でもすんなり入り込めました。
☆でも、何が良かったのかなぁ?明確な理由ははっきりとわかりませんが、そもそもミュージカルなるものを見たのも、恥ずかしながらそのときが初めてでしたので、宝塚にというよりも、「ミュージカル」という演劇に感動したのかもしれません。音楽・美術・芝居、全てが一つになった総合芸術・・その世界に感動したのかも・・。もっとも、もともと変な日本人コンプレックスを持っていて、西洋ネタの多い宝塚の世界、メイクに素直に惹きつけられたということもあると思います。
☆その当時のトップ・スターさんは、
花組・大浦みずき、月組・剣幸、雪組・杜けあき、星組・日向薫
さんでした。ただ、ちょうど剣幸さんが退団された頃で、剣さんだけは大劇場で観ることができませんでしたが・・。
☆初観劇は、先輩からチケットをいただいて、雪組公演「花扇抄」「恋さわぎ」「スイート・タイフーン」を、2階のA席中央辺りで観ました。劇場初体験だった私にとって、舞台の華やかさは勿論のこと、音響・照明全てに圧倒され放心状態で、あっという間の3時間でした。
「スイート・タイフーン」では、今や宙組トップスターの和央ようかさんが、当時好きだった、五条まいさんとかわいらしく踊ってた場面などが妙に印象に残っています。
☆それからというもの、毎公演欠かさず大劇場に足を運び、TV放送は全てビデオに録画し、気付いた時には、毎日が宝塚どっぷりの生活になっていました。
私が下宿していたところから宝塚までは電車で10分ほどのところでしたので、それはもう狂ったように足を運ぶことになりました。
毎日が宝塚
☆宝塚を知ってからの私は、時間さえあれば大劇場に足を運んでいました。もちろん毎日観ていたわけではありませんけど、「宝塚」という街は独特の雰囲気があって、そこにいるだけで夢心地に浸れるのです。だから、天気の良い日は自転車かっ飛ばして、宝塚の“花の道”のベンチで本を読んでいました。
☆チケットがある日は、公演開始迄の時間と公演後は、宝塚ファミリーランド閉園時間まで、ずっとファミリーランドで過ごしていました。時には、当時園内にあった宝塚の創始者“小林一三”先生の生家に上がりこんで、畳の上で寝転んで読書したり、ウトウトしたり・・勿論何度も叱られましたけど(笑)。
☆当時のチケット入手法は、とにかく発売日に大劇場チケットカウンターに並び先着順で購入というものでした。数日前から並びに行き、順番に名前を記入し、数時間ごとに点呼をとって確認、そして発売日に購入という時間も体力もいるものでした。
ファンクラブの人は、仲間が代わりに返事できるから良いけど、僕のような個人には非常につらいシステムでした。でも、いつのころからか、ある近所のおばあさんと仲良くなり、代わりに返事をしておいてくださるようになりました。
その後、劇団の方で、そのチケット販売方法では不公平が生まれるということで、抽選方式に切り替えていったのですが、そのため、そのおばあさんとはもう会えなくなってしまいました。この場を借りてお礼を言っておきます。おばあさん、ありがとね!
☆そのチケット入手で印象深いのは、涼風真世トップお披露目公演「ベルサイユのばらーオスカル編ー」の時のこと。たくさんチケット取るために後輩の女の子に一緒にきてもらったのだけど、その日は大雨で、そりゃぁもう大変。後輩には申し訳なくて、一公演一緒に観劇しました。
☆毎日のように宝塚に通っているうちに、いつも大学の授業で一緒になることが多いある同級生(男)にばったり会いました。この人こそ、僕の宝塚の先生となった人です。その彼は、大学では文学部美学科で、バレエ・ダンス研究会に所属し、演劇に精通している人でした。彼は地元の人で、子供の頃から宝塚をずっと観てきていて、ファンクラブにもいくつか(こっそり掛け持ちしていた)入っていたくらいのヅカファンでもありました。
向こうも僕のことよく覚えてくれていて、話が弾み、一時代前のトップさんの公演でテレビ放送されたもののほとんどをダビングしてくれました(大地真央さんや高汐巴さん時代のもの)。おかげで、ファンになりたての時期から、数多くの作品を知ることができました。・・・その彼は、大学を中退し単身上京、今は劇団四季のアンサンブルのダンサーとして活躍しています。
みはるちゃんとの出会い
西宮のサティで買い物をしていたある日、トップ就任後間もない
森奈みはる
さんとばったり遭遇!声をかけちゃいけないと分かっていながら、声かけちゃいました(ナンパじゃないよ)。「今日はお休みですか?」「・・はい」「ヤンさんは優しいですか?」「・・はい」うぅぅ~かわいい!!めちゃめちゃかわいい!!この時、絶対宝塚で仕事してやる!と強く決意したのでした。
前述の通り大学に入って“宝塚”を知り、もともと文学・芸術系が好きだったこともあり、僕の働く場は“宝塚”以外にない!と勝手に思い込み、大学3年の頃からは、宝塚の“演出家”を目指して映画や本をむさぼるようにみる毎日を過ごしました。
そして、大学4年生の時、ちょうど宝塚が将来の演出家となる“演出助手”を募集していたので当然のように応募したのでした。
一次試験は課題の「脚本」と「作文」、二次試験は「一般教養」「作文」「面接」でした。なんと奇跡的に400名以上の応募から最終試験の合格者の8人に入ることができ、もしかして!!という気になっておりました。そして、最終面接…撃沈(笑)。合格したO君とは試験後マックでちょっとお話もしましたが、直感的に、やはり才能にあふれているなぁと感じました。彼は、いまや期待の若手演出家としてバリバリに頑張っています。
そして私は、現在まで一ファンとして宝塚をずっと応援しつづけています。時には厳しい目で、でも愛情を込めて観劇しています。頑張れ宝塚!!
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