山行・水行・書筺 (小野寺秀也)

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2012.05.31
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テーマ: 街歩き(650)
カテゴリ: 街歩き

  仙台市青葉区中央市民センター主催の「仙台タウンウォッチング はじめの一歩」という講座に申し込んでいた。この年齢になってしまうと性格がどうなるというものではないと思うものの、「人怖じ、物怖じ」で行動範囲を限定されるのはイヤだな、こういう講座の人の集まりなら大丈夫だろう、と考えたのである。私は、16歳の時から仙台に住んでいる準・仙台人で、たぶんよく見知った場所の街歩きだろうと予測はついたが、いつもは街々の故事来歴を意識して、歩くわけではない。期待できるのである。

 さいわい、抽選で定員15名のうちに入れてもらっての参加となった。講師は、三原征郎先生。1週間前の同じ時間に、伊達政宗以来の仙台の歴史などの講義の準備の後の街歩きである。

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          街歩きコース(GPSトラック。地図は「プロアトラスSV7」)。

 市民センター( A )を出てすぐ、道路向こうの満開のハマナスの観賞。最初からこれである。近所で30年以上勤務していて、昼飯時にはよく通っていたのに、この場所のハマナスを知らなかったのである。

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            街中のハマナスを観る。 (2012/5/31 10:13)

  ハマナスから南に向かい、南町通り( B )にでる。ここで、今は廃止されている市電の話がある。高校生の時、一時市電で通っていたので、これはよく覚えている。市電が廃止されたときには、娘を背負い、息子の手を引いて、飾りたてられた最後の電車を見に行った。

 そのまま、南町通りを横切り、柳町の大日如来前( C )に行く。途中、街灯に旧町名が記されいること、所々に旧町名碑があることを教えられる。仙台の旧町名はほとんど残っていないが、河原町近辺の地区には昔ながらの地名が残されていうということだ。

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                   大日如来前の旧町名石標。(2012/5/31 10:40)

 大日如来から10mほど北目町方向に入った地点( D )が、藩政時代の街道の基点だったという。今はまったく何もない。ここを基点に江戸に向かうときは、長町が最初の宿場だという。ここから歩けば1時間もかからないと思うのだが。

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             「一里杭」基点の場所で。(2012/5/31 10:48)

  大日如来から西へ,一番町からの道を左折、東北大学の北門前( E )まで。ここにはかつて芝生の前庭をもつ小さな東北大北門食堂があったはずだが、今は庭の敷居いっぱいに大きな食堂施設が建てられている。3年前まで東北大に勤めていたというのにこれも初見である。

  そこから引き返し、まっすぐ1番町に入ってすぐ、工藤時計店( F )のご主人に終戦前後の1番町の様子を聞く。このあたりと仙台駅のあいだは空襲ですっかりやられ、遮るもののないまま、汽車の音がよく聞こえたという話が印象的であった。

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             工藤時計店前で。(2012/5/31 11:21)

  続いて斜め向かいにある牛タンの「利久」( G )の店長さんに牛タン発祥の話を聞く。そこからさらに1番町を北上し、青葉通を横切る。道々、仙台商人は商売が下手で有名だったが、今は地元資本の店はほとんどない、藤崎やその向かいの大内屋が少ない例だ、などという話を聞く。

  次は、その少ない商人の店「お茶の井ヶ田」( H )である。この店は、仙台初売りで有名な店で、ローカルニュースの定番店なので仙台人はたぶん誰でも知っている。年輩者であれば、この店が初売り景品として配る茶箱を衣料ケースとして大事に使っている人も多いはずだ。そんな仙台初売りの話などを店長さんから聞き、最後に冷たいお茶をご馳走になって解散となった。

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             「お茶の井ヶ田」前で。(2012/5/31 10:47)

 こういう企画は楽しい。長いこと住んでいてよく見知っている場所だけに、ちょっとした情報が楽しめるのである。初めての街での企画なら、情報量が多すぎて私などは処理できないかもしれない。
  「人怖じ、物怖じ」も問題なかった(と思う)。

  来週も楽しみである。






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Last updated  2012.06.16 17:14:17
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