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山形県の天童温泉での研究会と懇親会をミックスしたような集まりからの帰り道、黒伏高原から柴倉山へ登ってきた(厳密には頂上までの登山道がなく、中腹まで)。
福禄山、銭山、白森、黒伏 山の周回コースを歩いたとき、その1部が御所山(船形山)縦走コースに組み込まれているのを知った。周回コースの最初の分岐を逆に折れれば、縦走コースである。いつかはその縦走コースを歩きたいと思ったものだが、年々その可能性は激減している。そこで、柴倉山往復だけでも、と思い立ったのである。ただし、地図上では縦走コースは柴倉山の頂上北面の1200m付近を迂回していて、頂上を通らない。行けるところまで行って、柴倉山を歩いたことにすると決めた。
登山口から見る柴倉山(右)と越えて行く1101峰(左)。 (2012/6/3 9:07)
温泉宿の朝食を採ってからの出発で、黒伏高原スキー場の登山口駐車場には9:00くらいに着いた。
登山道は福禄山の少し手前までは黒伏山周回コースと同じである。村山野川にかかる鉄パイプ橋を渡ってすぐ、上流川で流れ込む支沢を渡って斜面に取りつく。登りはじめはしばらく急坂で、体が慣れないので、大汗と息切れで閉口する。
登りはじめの急坂。 (2012/6/3 9:18)
最初の目標は1101峰だが、急坂に四苦八苦しているせいで、偽ピークに二回ほど騙される。しかし、偽ピーク付近では視界が開け、息を整える格好の場所だが、眺望の中に越えるべき1101峰もあって気を落とすのである。
道にはマイズルソウがたくさん生えているが、花はまだだ。白い花びらがマイヅルソウの上にたくさん散っている所がある。見上げると満開を過ぎたムシカリの木である。また、盛りの過ぎたムラサキヤシオが、それでも鮮明な色を見せている。
マイズルソウの葉に散るムシカリの花びら。 (2012/6/3 10:27)
歩き始めて1時間半ほどで、1101峰を過ぎた。三角点があるだろうと、道の脇を探してみたが見つけられなかった。1101峰から見える柴倉山は、崩落の斜面や頂上直下に突き出た大岩のある荒々しい感じの山容を見せている。
1101峰付近からの柴倉山眺望。 (2012/6/3 10:51)
道は、もうひとつ小さな峰を過ぎるといったん柴倉山の前山(1209m)(山名を知らないのでここでは「前山」ということにしておく)との鞍部に下っていく。北斜面の谷筋にはたくさんの残雪、その谷上の縁にはシラネアオイの群落があって、這いつくばって花に近づき写真を撮った。
崖上のシラネアオイ。 (2012/6/3 11:06)
前山の中腹にぶつかるように進み、そこから左、北方向に道は曲がっていく。つまり、柴倉山から遠ざかるように前山の中腹を迂回しているのだ。途中、水が滴る岩盤の斜面のトラバースするところが2カ所ほどあった。一カ所は、虎ロープがあるものの肝心の場所まで届かず、たった数歩だが冷や冷やする思いをした。
道がしだいに東に曲がり、林床にはツバメオモト、ミヤマカタバミの白い花がよく見える。福禄山への分岐には11:22に着く。福禄山方向とは反対の道、初めての登山道の前山への急坂に取り付く。左斜面には頂上近くから長く続く残雪がある。
この急登は、体が慣れたせいか、何となくひと息の感じで登ることができる。所々に咲くタムシバを眺めつつ、頂上に近づくとコイワカガミの群落が花を咲かせている。頂上は、草丈の低い、高山の雰囲気のある狭い尾根になっていて、きわめて展望がよい。登山道の向こうには北斜面に残雪を見せる柴倉山が広がり、右後方には、福禄山、銭山、白森、黒伏山の周回コースの山が一望に見渡せる。左手には船形連山の眺望が広がる。じつに素晴らしい頂きを持つ山である。前山などと勝手に呼んでいるが、本当にちゃんとした名前はないのだろうか。
休息もそこそこに、柴倉山へ向かう。道は急に下るやせ尾根を辿り、左は所々で崩落がある急斜面で、気を遣っての歩きになる。柴倉山の中腹に続いた道は左に折れ、残雪の斜面をトラバースしていく。慎重に残雪上に足場を削りながら渡り、写真の柴倉山の右(東側)の中腹まで進み、南方向が見えるあたりで柴倉山はおしまいとする。
そこから引き返し、前山頂上には12:30、昼食である。ただし、今日の昼食は非常食としていつも持ち歩いているクッキー4枚、ブドウ糖キューブ2個だけである。急いで降りて、黒伏高原から帰り道の途中にある蕎麦屋さんに直行したいのである。
柴倉山中腹の縦走路から見る前山(1209峰)。 (2012/6/3 12:19)
登山口到着は、14:20、予定どおりこれから蕎麦屋さんで遅い昼食である。
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