『幻の鳥 ガーニーズ・ピッタ』

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『幻の鳥 ガーニーズ・ピッタ』

地球クラブ・編/長野亮之介・絵/小岩井彰・解説/春風社・発行/2003年5月14日初版


7月19日に朗読劇『この子たちの夏』で共演していただいた 長野亮之介さん が絵を描かれた絵本の紹介です。

長野さんは、フリーランスイラストレーターで、探検冒険家の情報交換集団「地平線会議」の同人です。

この絵本の 作者紹介 は、「ハンサムでカッコいい長野亮之介がカッコいい絵を描いた。」の言葉で始まっているんですよ。

先日は、私が勤務している図書館にもお越しいただきましたよね。

長野さんは「地球クラブ」のカオノアチュチ低地熱帯林現地調査にも参加しています。

お料理も得意で、和太鼓の演奏もされる、とっても器用な方ですよ。

解説は、長野県の元小学校教諭で、現在は長野県教育委員会文化財生涯学習課指導主事をされている小岩井彰さん。

タイ国の熱帯雨林保護、就学支援活動および長野県青木村で子どもたちのための自然体験プログラムを展開しています。

小岩井さんは1995年に「地球クラブ」(NGO)を設立しました。

「地球クラブ」は長野県青木村の小さなNGOで、メンバーは熱帯雨林や野鳥の専門家ではなく、ふるさとでの活動を大切にしながら、視野を広げ、熱帯雨林のこと、ピッタのこと、真の豊かさについて、人々の暮らしについて考えています。

熱帯雨林の破壊が連日報道されていた1992年、絶滅したと思われていた鳥、ガーニーズ・ピッタがタイで見つかり、保護活動が始まりました。

この絵本は、自然と環境について、大人と子どもがいっしょに考えるための絵本で、売り上げの一部はタイの環境教育と熱帯林保護のために使われます。

ある日少年は、今まで見たことのない鳥、ピッタに出会います。

少年とピッタ、人間と自然の共生の物語です。

長野さんの絵はダイナミックで、何とも言えない温かみを感じるんですよね。

そこには、自然や人間を愛する長野さんの深い深い思いが存在し、見ている私たちは、彼が描く世界に、グイグイと吸い込まれていきます。

タイの森の深い緑や青い青い空の色、少年や家族の表情がとても生き生きと描かれています。

表紙には、縦に3~4個の丸が描かれているのですが、一番下の丸は窓のように穴が空いていて、そこからちょうど少年が森に囲まれ、上を見上げている姿が見えます。

この丸は“地球”をあらわしているのかな?

そして、絵に添えられた言葉は、決して多くを語ってはいないけれど、すーっと胸に響いてきます。タイ語と英語も添えられています。

装丁は予算の関係もあって、パンフレットのようになっていますが、内容はとても充実しています。

残念ながら、森林破壊は益々広がっているようですね。

巻末の「ピッタの森を守れ!」という小岩井さんの解説もぜひ読んでいただき、自然について、熱帯林について、ピッタについて、真の豊かさについて、親子で考えていただくきっかけになればいいなと思います。

長野さんがイラストとコラムを書かれている「東京絵日記」のページは こちら です。

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