おさるの日記

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太陽光発電005


2004.02.13


NTTが開発した携帯型太陽電池「ポケットエナジー」


太陽電池部を取り外すと,片手で持てる大きさに

 NTTは2004年2月13日,太陽電池を利用して各種の携帯情報機器に電力を供給する電源「ポケットエナジー」を開発したと発表した(発表資料)。NTTアドバンステクノロジ(NTT-AT)が5月に発売する。
 同製品は本体部(蓄電池)と太陽電池部,各種機器のACコネクタに接続するための専用コードで構成する。太陽電池で発電した電気を本体部に蓄積し,貯まった電気を使用するときは太陽電池部を外して持ち運びしやすくしている。本体部に蓄積できる電力容量は4.8Whで,一般的な携帯電話機の2次電池2個分に相当するという。出力電圧は3.8V~8.5V,出力電力は最大10W。

 太陽電池部は,単一の大きな太陽電池セルを2枚使用している。通常,高電圧の発電をする場合は幅7mm前後のセルを直列に15枚つなげて回路を構成するが,この場合は一部でもセルに太陽光が当たらなかったり,外部からの衝撃で破損すると,回路全体が機能しなくなるという問題がある。これを防ぐために単セル方式を採用した。

 しかし単セルの場合,太陽光で発電可能な電圧は0.1~0.4V程度である。そこでNTTは,こうした低電圧の電気を5V前後まで昇圧する「極低電圧入力昇圧技術」を開発した。部分的に発電できなくなっても他の部分で発電し,本体内の蓄電池にに蓄積できるようにするため,発電した電気を収集する電極をセル全体に印刷した。

 このほか,「MPPT」(Max Power Point Tracking)と呼ぶ機能を実装した。入力光の変化に伴う電流と電圧の変動をみて,常に発電する電力が最高になるようにする機能だ。「MPPTは,家の屋根などに使用する大型の太陽電池では実用化されている技術だが,制御用チップの消費電力が大きく,小型の太陽電池では採用できなかった。同製品ではMPPTの機能を簡素化し,製品に実装した」(NTT 環境エネルギー研究所 エネルギーシステムプロジェクト主任研究員の三野正人氏)。同社によると,これらの技術改良により,同製品の発電能力は従来技術で発電した場合と比較して,光電変換効率を約1.5倍に高めたとしている。

 本体部は手のひらに乗る大きさで,外形寸法は幅98mm×奥行き61mm×高さ14mm,重さは83g。太陽電池部は「シグマリオン」のようなキーボード付属型PDAとほぼ同じ大きさだ。外形寸法は幅150mm,奥行き91mm,高さ21mm,重さは200g。なお,太陽光で発電できない状況も想定し,ACアダプタやパソコンからのUSB接続による充電機能もある。

 ノート・パソコンの電源としては使用できないが,CD/MDプレーヤ,携帯型ゲーム機,携帯情報端末(PDA),デジタル・カメラ,携帯電話などの電源として使用可能だ。例えば液晶テレビは40~120分,携帯電話は約2時間の連続通話が可能になるとしている。出力電圧は,接続した専用ACコードの種類をソフトウエアで判断し,自動的に切り替える。販売時には4種類前後の専用ACコードを付属し,標準規格のACコネクタを持つ携帯情報機器の大半へ接続可能にする予定だ。価格は2万円弱の予定。主に官公庁や企業などで,非常用の小型電源として販売することを想定している。

 同社では今後3年間で10億円の売り上げを見込む。併せて,極低電圧入力昇圧技術を同製品以外にも幅広い分野に転用する意向だ。



(金子 寛人)


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