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注目を集めるジャトロファの実



 新バイオ燃料として注目を集めるジャトロファの実、
中南米生まれの「ジャトロファ」という木が、
新参のバイオ燃料として世界から注目されている。

 聞き慣れない名だが、日本人との付き合いは案外古い。

 国内でも栽培する人が現れた。

 将来性はどうなのか。

 ジャトロファは、
東南アジアやアフリカなどに育つ高さ3メートル以上の落葉樹で、
和名はナンヨウアブラギリ。

 梅の実ほどの大きさの実を付け、
中の黒褐色の種を搾ると、3~4キロ当たり約1リットルの油が取れる。

 実に毒があり、
食用にならないため需要が増えてもトウモロコシなどのように
穀物価格の上昇につながらない。

 荒れ地や乾燥地でも育つので、森林を破壊してまで植えなくていい。

 燃料不足に苦しんだ旧日本軍も、目を付けていたらしい。

 インドネシアの英字紙「ジャカルタ・ポスト」は2年前、
バイオ燃料に関する記事で、
旧日本軍が戦車や飛行機に使おうと同国で栽培を奨励していたと紹介。

 八丈島では「零戦用に近縁のトウゴマを栽培しようとしていた」と
話すお年寄りもいる。

 国内での栽培は「冬の寒さが厳しくない所なら十分可能」と言うが、
大々的な事業展開は「人件費が高い国内では難しい」と慎重だ。

 ただ、「エネルギーの地産地消や地域活性化策として
小規模にならやっていけるのでは」とみる。

 農林水産省も「食糧生産と競合せず、
農地が活用できる」と関心を示しており、
資源の少ない日本を少しは助けてくれそうだ。


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