ヘイフリックの限界part2

ヘイフリックの限界part2

2017.03.31
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日本のもつ独自性、特殊性とは、それは欧米とまったく異なる文化ではなく、むしろ大きく異なる一方でほとんど広範に似通った面をもっている。十九世紀後半に日本が門戸を開いて以来、西欧人による安易な日本見聞録が出回ったことで、多くの誤解を生んだといえる。日本の社会は、明治以後組織や構造面で西欧を手本にして勧められたのであり、多くの面で似通っているはずだからだ。


 寧ろ西欧と日本の比較文明論的研究が遅れた結果、その対話の変則性が生じていた。今や多くの点でまともな研究がされているようだ。日本と西欧との比較は、近代化の成功の側面に限らない。大正期の民主化の頓挫も、1930年代の軍事政権の成立など、日本の失敗や危機も、同時代のファシズムの一変種と見られがちだ。日本研究とは評価されるようなものは多くはない。


 飽くまでも「・・・見聞録」でしかないのは、日本からみた西欧も同じだ。何故かといえば、多くは軍事、経済面の戦略が先行するからであろう。こうして学術面の著述が遅れたといえそうだ。日本の近代化が文字通り西欧のそれと同じではない。近代化の独自なパターンが何を意味するかを西欧の研究者はどこまで把握しているのだろうか。未だ綿密な研究が為されねばならないだろう。



 日本の特異性とは何か、読み説くことは至難であろう、ということだけは言える。勿論なしえないことではないだけだ。その研究は広範でなければならないだろう。





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最終更新日  2017.03.31 01:32:35
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