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2023.04.26
若気の至り
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レモンとスズメ。
尋常ではいられなかった、と太宰や芥川は言えるだろうか。また見直したら違うのだろうか。二人の遺書を読んでいるのだろうか。芥川の全作品と太宰の全作品を文学部教授の公開講座で読んできた。太宰は最後の「人間失格」と数作品を残してあと1回講座が残っている。ざっと読んできただけだし、小説もそれ程、理解できているとも思ってはいないが、あんまりであり、酷過ぎるのではないだろうか。彼らは読者を救っただろうか?生きる上で何かの示唆になりえただろうか?
・彼らの時代が、特別厳しい社会であっただろうか。彼らは誰と闘ったか。読みもしないで言うことはできないし、偏頗な理解でも彼らの意図を解することはできない。そして、一つの作品で表象されるものだけでもないだろう。真意はどこにあるかを問わねばならない。たとえ切り捨てるべきがあったとしても、それが何かを知らなければ、少なくとも、私たちのルーツを消し去ることにならないか。彼らも何かを私たちに託しているものがあるに違いないからだ。
・へ2・・・人間は一面に於いて身勝手である。相手の心情を注意深く汲み取ることを為し得ているとは言えないだろう。ことに男尊女卑であった時代の男たちの芸術家たちは、極めて狭い視野でしかない。女を買いながら、恋愛を説くということさえ、平気で小説にして恥じない輩たちでもあった。軽蔑されるべきは、自らの偏見についてさえ無自覚でもあったことだろう。枯れ木に花が咲く筈はない。いまなお、「源氏物語」を日本文学の始めという、それこを纏足の世界を肯定するような教養があるのではなかろうか。
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最終更新日 2023.04.26 21:09:35
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