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建築家45年(12)

建築家45年(12)

 命を張って建築家の社会使命を果たすべき事は他にも数多くある。たまたま原発事故が最悪の状態で起きてしまったのは一つの天の啓示なのかも知れない。その事は来るべき将来の予想もつかない過酷な天災や人災に対して愚かな人間に注意を喚起しているのだろう。建築家も社会の重要な役割を担う一員である以上、心して自覚せねばならない。今回の事故で放射能汚染された地域を除染するなぞというナンセンスな事を平気で言う政府なぞ信用していたら自分までが馬鹿扱いされてしまう。東北4県だけに限っただけでも広大な地域なのに其処の全域に撒き散らされ広がった放射性物質で汚染された表土を削り取ると言う事なぞ不可能だからである。万里の長城を造った漢民族の長年の汗と努力をもってしても不可能な事だ。ロシア(旧ソ連)は除染がようやく不可能である事に気がついて止めてしまった。

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 チェルノブイリよりも広範囲に広がった福島原発による放射性物質の飛散量は膨大な量である(ヒロシマ・ナガサキの原爆の20倍以上と言われる)。已む無く自宅の周りを除染したところで除染された放射性物質は何処かへ運んで保管せねば成らず、家々の建っているエリアの数千倍・数万倍もの広さの山林に降り積もった分は手も付けられないし、其処へ雨が降れば下流の家々の建っている方へ溶けだし流れて行くのだ。水は高い処から低い処へ流れるのは小学生でも知っているのに良い歳をした大人が知らない振りをして「除染だ除染だ」と騒ぐ図は滑稽であり哀れである。無知も此処まで来れば笑うに笑えない。早く逃げ出さないと内部被曝までしてしまう。小さな子供を持つ親は子供が可愛ければ疎開すべきである。それを一時帰宅だとか除染というまやかしの言葉を疑いもせず端から信じ込もうとする。

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 東北人の無知に関西人は呆れかえっている。政治家は東京に居て、自分達は安全だと本当に信じているのだろうか。関東の人々も危ないのに何故か逃げ出さない。関東から東北の人々は東電と政府によって騙され続け、放射能被害を毎日受けながら無知なままで居る気の毒な人々である。東京に居る政治家は自分達も放射能被害を受けているのを知りながら、この程度なら自分達は成長期を過ぎた世代だから放射能で死ぬ事も無く他の病気で死ぬだろうから辛抱すれば良いと想っている。それよりも自分達が逃げだせば本当にパニックになるだろうから逃げ出せないで居るのだ。今年の3月に東京の若い主婦から「東京は大丈夫でしょうか?」とメールで訊いて来た事があった。ボクは「小さな子供さんをお持ちなら、安全とされる関西に避難すべきでしょう」と返事をしておき、更に続けて言った。

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 「大人なら今の放射線量では未だ大丈夫と言われていますが、絶対に大丈夫とは言い切れません。出来れば関西の親戚や知人が居らっしゃるなら避難した方が精神衛星的にも安心出来るでしょうネ。毎日心配しながらの生活では身体に悪いですから」と応えておいた。が、避難したかどうか気掛かりである。ボクが20年前に東京へ単身赴任していた様な状態で居たなら、きっと関西に急きょ引き揚げていただろう。ボクは昔から健康診断で受けるレントゲン写真撮影だけでも放射能が嫌でなるべく受けないで済ませて来たぐらいなのだ。そんな僅かな放射線量の数十倍、数百倍もの量を毎日全身に浴びながらの生活なぞ考えただけでもゾッとする。事故直後、東大や東工大の原子力関係の御用学者が毎日テレビに出て出鱈目な事を言って国民を騙し続けて来た事をどの様な顔をして想い出している事だろう。

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 ところで、このところ来年の年賀状での挨拶や返信が出来ない喪中にある友人・知人から来る挨拶状で、亡くなった親族の年齢が書かれているのを見て実に高齢なのに感心する。90歳代なぞザラで100歳を超えた人もいるのだ。我々の世代の両親は長生きをした人が多く、日本人の平均寿命を世界一にしたのだが、今回の福島原発事故が起きたせいで東北、関東の人々は多分長生きはしないだろうと言われている。特に子供が成長した将来、結婚して親になっても中年頃から身体に異変を生じる心配がある。原発事故の放射能に依る被曝被害の後遺症である。気の毒としか言いようが無い。直接原因者では無いにしても建築家として原発建屋の安全性を無視した事実は否定できない。それ以上に経産省の保安院や東電の関係者は悪質だ。事故が起きても自分達の責任や怠慢を未だに認めないからだ。

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 「あれは津波に依る被害であって天災だった」と言い逃れをしている。原子炉冷却装置が地震で壊された事実を否定し、想定外の事故だと言っていたのが実は想定内の事故であったのがバレてしまった。建設費の縮小の為に建屋の海側の低い位置に冷却用ポンプを設置した事が判明したからである。最早言い逃れが出来ない状況である。バックアップ・システムは安全側に設置するのが設計の常識なのに、予算の関係と称して手抜きをしてしまったのである。更には、原子炉が爆発するのを防止するベント(原子炉内の圧力を下げる処理の事)を当時の菅首相が強引に現場視察をした為に遅らせてしまい爆発に至った事も判明している。死刑にしても飽き足らない男なのに未だノウノウと国会議員を続けている。東北人はそういう事実を知っても怒りもせず、東電や御用学者の無責任をも「すっかた無かんべさ」と諦めるのだろうか。信じがたい。(つづく)

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