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おはなしのトンネル
04/秋冬≪3≫
2004/秋 ・冬 絵本&おはなし覚え書き≪3≫
いろいろシリーズ
●十二支のお話いろいろ
『
十二支のおはなし
』
内田麟太郎・作/山本孝・絵 (岩崎書店)
年の暮れに、神様が自分のところに「新年のあいさつにきなさい」と言います。
「早く来たものから、順番に、その年の大将にしてあげよう」と・・・。
張り切って、動物たちは、新年のあいさつに出かけます。
干支を思い出してください。
子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥
どうして、この順番になったのか。
いぬと同じくらい身近なのに、ネコ年がないのはなぜ?
ネコは、どうしてネズミを追いかけるの?
ぜ~んぶ、この本を見ると分かっちゃいま~す。
新年の初めに読みたい絵本です。
山本孝さんの絵がすごい迫力です。
力強くて、はっきりしていて、それぞれの顔や表情がとってもユーモラス。
よみきかせに向いてるかなって思います。
『
子どもに語るモンゴルの昔話
』
蓮見治雄・訳再話/平田恵美子・再話 (こぐま社)より
「ラクダとネズミの争い」
昔、モンゴルでは、神様が十二の動物を選んでその動物の名前で年を数える事にしました。
十一の動物は簡単に決まったのですが、後一つ、最初の動物が決まりません。
ラクダとネズミが自分の名前を入れてもらおうと争います。
さて、どうやって勝負をつけたのでしょうか・・・・?
『
ね,うし,とら十二支のはなし―中国民話より
』
ドロシーバン・ウォアコム・文/エロール・ル・カイン・絵(ほるぷ出版)
この本には、「日本のこよみも、昔中国から伝わったものですから、同じです」と書かれています。
中国からモンゴルにも伝わったのかな?
このお話、十二の動物は決まっているのですが、誰が一番目になるかが決まりません。
「おいらは大きく、しかも強いですからね」と、うしが一番目を主張します。
「わたくしは、頭もよく、しかも学問もあるのですから」とねずみも一番目を主張します。
困った皇帝は、他の動物たちの意見を聞くよう命令しました。
他の動物たちは、自分が十二の中に選ばれているだけで満足しています。
みんなに、うしとねずみのどちらを一番目にしたらいいか聞いてまわりました。
結果は、五対五で同じ数。 困った・・・。
それで、こよみはみんなのものだから、町の人々に任せようと言うことになり・・・。
ねずみのかしこさで、ねずみが一番目、牛が二番目になりました。
どんな方法かは読んでみて下さい。
『
ばけねことおしょう
』
民話研究会・編/小川陽・絵 (ポプラ社)
この本の中に「十二支からおちたねこといたち」というお話があります。
十二支が全て決まった後、いたちは、
「おいらのところへはおふれがきませんでした」と神様にやり直して欲しいと頼みました。
困った神様は、1年に12日だけおまえの日を作ってやるので、それで我慢してくれということで、
月の初めの日を「(つ)いたち」というようになったんだとさ。
この本は、現在絶版のようです。
私は、図書館でリクエストして、他館より取り寄せてもらいました。
この他にも、まだまだあります。
いろんなものを読み比べるのも、お話を楽しむ1つの方法ですね
『
十二支のはじまり
』
『
十二支のはじまり(日本の民話えほん)
』
岩崎京子文・二俣英五郎画
『
十二支のかぞえうた
』
さいとう しのぶ (佼成出版社)
年末が近づいてくると、なぜだか十二支が気になります(笑)。
来年は次男が年男・・いのししですね。
1月1日1じにねずみがもちたべた。いくつたべた?
2月はうし
3月はとら・・・・と
十二支たちが順番にその月にちなんだ食べ物をたいらげていきます。
時計をさがして、食べ物を数えていろいろ話をしながら楽しめそうです。
「かごめかごめ」のメロディー♪で口ずさみながらページを進めていけますよ。
最後にメロディーの楽譜がついています。
●石のスープいろいろ
石のスープを題材にした本もいろいろ・・・。
ヨーロッパの民話にそのもとの形があって、それぞれの国で、さまざまな変化をしながら、
語り伝えられてきたそうです。
韓国やフィリピンにも似たようなはなしがあるそうで、おはなしって面白いなぁと思います。
『
オオカミと石のスープ
』
アナイス・ヴォーシュラード作・絵 (徳間書店)
ある、寒い冬の夜、年老いたオオカミが、めんどりの家を訪ねます。
「おいしい石のスープを作ってあげましょう」と・・・。
石のスープ? めんどりはオオカミを中に入れてしまいます。・
石だけで、おいしいスープが出来るの?
オオカミがめんどりの家に入ったのを見かけた、村の動物たちが、心配してめんどりの家へ
次々やってきて・・・。
オオカミの思惑とは、どんどん違う方向へ話が進んでいきます。
気の弱いオオカミの表情がなんとも言えず笑いを誘います。
色も絵もちょっとおしゃれな感じの絵本。
今の時期に、ぴったりです。
『
世界のおはなし・むかーしむかし
』
藤田浩子・フラン/ストーリテリング 近藤理恵・絵 (一声社)
いろいろなお話がいっぱい詰まっている中の1つ。
『おいしい石のスープはいかが?』
こちらは、お腹をすかせた旅人が主人公。
食べ物があるのに、恵んでくれない村人たちに
「旅の途中で覚えた石のスープの作り方を教えましょう、石さえあればいいんです」と、
一芝居打つというお話。
途中で楽しげなスープをつくる歌が何回も出てきます。
♪スープを作ろう 材料は石だけさ
でも、お腹はいっぱいで あたたまる
材料は石だけさ♪
人の気持ちって、どうとでもなちゃうんだなぁと思いますね。
『
しあわせの石のスープ
』
ジョン・J・ミュース さく・え / 三木卓・訳 (フレーベル館)
東洋思想に深い作者が舞台を中国に移しました。
三人の禅宗のお坊さんのつくる石のスープです。
『
世界のむかしばなし
』
瀬田貞二・訳/太田大八・絵 (のら書店)
この中の1つに、石ではなく「くぎのスープ」というお話があります。
お腹をすかせた旅人が、作るくぎのスープです。
内容は、石のスープと似ています。
スウェーデンの昔話で、少しづつ変化して語り継がれているのですね。
世界中に良く似たお話がたくさんあります。
人間の心奥深くには、同じような想いが流れているのでしょうか?
●鬼の本いろいろ
『
まゆとおに(こどものとも傑作集)
』
富安陽子文・降矢なな絵 (福音館書店)
まゆはやまんばの娘。
そんなこと知らない鬼は、かわいいまゆを、鍋で煮て食べようとします。
でもでも・・・まゆの方が鬼よりずっと強そうなんです。
まゆの底抜けな元気ぶりと、そのまゆを見る鬼の表情がすっごく愉快。
また、ふたりを心配そうに見つめるきつねさんも見逃せません。
でも、このきつねさんを、よみきかせで見つけるのはちょっと難しいかも。
自分で、絵をじっくり見てね。
なんか、こころが、ほっこりする絵本です。
『
鬼が出た
』
大西廣・文/梶山俊夫ほか・絵 (福音館書店)
この本は、おはなしではない。鬼についての参考書といった感じ。
昔の絵に描かれている鬼、古いお寺などで、四天王に踏みつけられているのも鬼だそうです。
(そこまで、よく見てないなぁ)
私が、おもしろいなと思ったのは、「鬼のつくり方」。
鬼は、人間の想像によってつくられたものですが、デタラメではないのだそうです。
2つの大事な点があるそうです。
1.いろいろな鳥や獣から、強くて怖そうな部分だけを
かりてきて、つなぎ合わせる。
2.手足や胴体など、全体の形は人間と同じ。
背の高さはもちろん、他の部分も大きく強そうにする。
だそうです。
日本以外にも、鬼とよくにたような怪物が世界中にいます。
鬼の世界地図なんかも載っていて、コレを全部読むと、
かなり鬼に詳しくなりそうです。
『
鬼のうで
』
赤羽末吉/偕成社
「御伽草子」や「太平記」などの古典にもある、斬り取られた腕を取り返しにくる鬼のはなし。
歌舞伎などでも演じられており、有名だそうです。
鬼と渡辺綱との戦い。
腕を斬り取られた鬼は、なんとか腕を取り返そうとやってくる。
最後は、大刀で斬られ、身体を離れた鬼めの首が、空高く舞い上がり、ゆらゆら飛んでいく・・・。
、都はまた静かになるのです。
日本的な色彩で描かれた、昔ばなしです。
『
鬼ぞろぞろ
』
舟崎克彦・文/赤羽末吉・絵(偕成社)
鬼の行列を見てしまった身分の低いさむらい。
命は助かったものの、口々につばを吐きかけられた・・。
そのつばのせいで、姿を消されてしまったさむらい。
誰も自分の姿に気づかない。
さぁ、そのさむらい、元に戻れるのかな・・・・?
『
島ひきおに
』
山下明夫・文/梶山俊夫・絵 (偕成社)
鬼はその風貌から人間に怖がられてしまうが、この島ひきおには心優しい鬼です。
一人ぼっちは寂しいと自分の島をひっぱって、人間のところへやってきます。
ただ、ただ、一緒に遊ぼうと・・・。
ところが、人間にこのおにの気持ちは分からない。
なんとしても出て行ってもらわにゃ困るとおにをだまします。
どうして分かってあげないんだろう・・・?って歯がゆい思いです。
おには、島を引っ張って海の中を歩き続けます。友達を探して、
なん日も、なん月も、なん年も歩いていく。
遠くから見るとおにの頭が、ぽつんと流れる椰子の実みたいになってしまっても・・・。
初めてこの本を読んだ時は、子どもも私もしんみりして、言葉が出てこなかった。
悲しかったのか、その後読んでとは、持ってこなかった記憶がある。
でも、私は好き。
大切な何かを語ってくれていると思うのです。
続編として『
島ひきおにとケンムン
』があります。
●名探偵シリーズいろいろ
これは児童書です。
読んでもらうのは好きだけど、自分じゃなかなか読まない息子に
「何かないかなぁ~」と先輩ママに聞いたところ
この本を紹介してくれました。
そしたら、自分で一生懸命読んでましたね。
息子が2~3年生ぐらいの時です。
『
どんなときも名探偵
』
杉山亮・作/中川大輔・絵 (偕成社)
その他にも、『もしかしたら名探偵』『かえってきた名探偵』『そんなわけで名探偵』など・・・
8冊ほどあります。
主人公のミルキー杉山さんは、さえない感じの探偵さん。
みんなの助けを借りて、いろんな事件に挑戦します。
読んでいると、ミルキーさんと一緒になって、謎解きがしたくなるよ。
文字も大きく読みやすい。
絵も、読みものにしては、たくさんあります。
この文字や絵の中に、なぞを解くヒントが隠されています。
子どもたちって、こーゆーの、好きですよね。
1冊の本に、3つの事件が・・・。
犯人は誰か・・・・?
答えが知りたい。
でも、答えを見ないで、自分でなぞが解きたい。
そんな、葛藤をしながら読んでました。
最初は読んであげたんだけど、後は自分で何回も読んでましたね。
どれも、ゆっくり読んで20分~30分ぐらいで読めるんじゃないかな。
残りの7冊は、全部図書館で借りて制覇しました。
この本は、息子たちには、"当たり"でしたね。
小学校低学年ぐらいから、楽しめると思います。
全部読むと、「読んだぞ~」って気分も、じゅうぶん味わえると思います。
他『
あしたからは名探偵
』『
もしかしたら名探偵
』があります。
今は、『
あめあがりの名探偵
』が加わって全9冊みたい。
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