お嬢のこと


12年前彼女は帝王切開をして仮死で生まれました。緊急手術でした。術後の痛みも治まってきた2日後、見慣れない医師と看護婦さんが病室にやってきて重々しく私に告げました。「脳に酸素が不足した為、CTに影がみられます。障害がでるかもしれません。笑えないし歩けないかも・・もしかすれば何もないかも知れません。3歳位にならないとはっきりとした事は判りません」。・・・頭の中が真っ白でした。現実ではなくテレビの中の世界を見ているか、これはきっと夢で赤ちゃんはまだ産まれていないんじゃないかとか、とにかく夢なら早く醒めてほしかった・・それでも現実だと気づいた私は次は「妊娠中のあれが悪かったのかも知れない」とか、「あの時もっと気をつければ良かった」とかどうしてこういう事になったのかばかり考えて自分を責めました。旦那が娘を受け入れてくれるのか、そして自分が受け入れられるのか自信がなくて、どうしたらいいのか判らなくて旦那に電話をしたような気がします。仕事の帰り病院へ来てくれた旦那は冷静でした。「障害があってもなくても俺達の子でしょ。何にも変わらないよ。」泣きつづける私の手を握り締めて覚悟した顔つきでそういってくれました。(旦那が自分で言った言葉を覚えてるかは判りませんが、いいんです。私はちゃんと覚えてるから・・・)その日から小さな変化に喜んだり、不安になったりの初めての育児が始まりました。


3歳まで月に一回CT検査をしました。最終的には何事もなく発達にも問題なしとのお墨付きをいただきました。本当に長い3年間でした。でもこんな事があったから今の私達家族があるような気がします。
今では中学生・・・(*^.^*) 色々悩みはあるようですが、元気です。


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