キータンのひとりごと~昭和せつなく懐かしく

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キータン.

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2007.08.29
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電車は由布院に近づいていた。
夏晴れの上々の空模様だ。これなら雨が降らないだろう。
「ヨシッ」と、私は私に気合いをかけた。

エッ?!南由布院駅を過ぎると、突然に空が曇ってきた。
「あれ~えっ」私の気力が萎えてきた。
これはやばいではないか。盆地全体が暗くなった。

電車が由布院駅に着くと同時に、ポツリポツリと雨が降り始めた。
これはなんじゃ、これは雨ということなのか。


「雨男が来た!」
アッ、映画祭のスタッフのひとりが私を指差した。
駅前にいた旅館の関係者が私を恨めしそうに見つめた。

由布院の地域づくりは、これだから素晴らしい。
映画祭、絵前広場でやる。スクリーンを立ち上げる。
旅館から大勢の関係者が出て応援してくれる。

行政主導の地域づくりではこうはいかない。
ふむふむ、しかし、今は感心している場合ではない。
みんなの視線をどう遮るかということだ。

「みなさん、こんにちは、さすが由布院、涼しくなりましたね」
涼しくもなろうというものだ。小雨が降っている。


「今夜、上映される映画は『大魔神怒る』でしたよね」
エヘラエヘラ笑いながら、私は尋ねた。みんなは首を縦に振った。
「それならば少しは雨が降ったり風が吹いた方が迫力ありますよね」
言ってはいけないことを言ったと、私は思った。

「そういう問題ではないと思いますよ」


ここは逃げるが勝ちと、私は旅館に逃げた。
逃亡者、デビットジャンセン、うんリチャードキンブルの気持ちになった。
チェックインして露天風呂に入った。
おお、由布岳が見える。晴れてきているではないか。

これなら野外上映会は開催できそうだ。

私は再び駅前に行った。おお、スクリーンが張られていた。
「これなら上映できますよね」
私はエヘラ笑いをしながらスタッフに声をかけた。

うん、かけた瞬間、ポツリと冷たいものが頬をかすめた。

もしかしたら……雨……ああ。(つづく)

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Last updated  2007.08.30 19:59:52
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