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今日は幕見でもいいから絶対行かなくちゃ!
と思っていたけれど、ついに今年も大くしゃみ連発!で
花粉症の強いほうの薬、処方してもらってから出発!
で、出遅れたため、いちばんに並べなかった。
前から10番くらい。
でも、昼の部の目的は
芝翫さんの加わった3番目「口上」だったので
1番目の「爪王」と
2番目の「俊寛」は観られたら嬉しいけれど、
「口上」から観るつもりだったから
想定内。
「立見になるかもしれませんよ」の言葉にも
明るくうなづけちゃう。
私が観た10日は芝翫さんが体調不良でお休みだった。
19日から復帰とのことだったので芝翫さんが見られればいい。
・・・そう思っていたら、
「爪王」だけを観て帰る方からチケットいただき、
3階の6列目のお席で「俊寛」から観られた!
前回は3階の最前列の下手、
今日は上手だったのでラッキー!
渋いお着物を着こなしていたあの方は、
もしかして観音様!!!
「花道はみられませんけれど」とおっしゃっていましたが
夜も並ぶつもりなので、座れただけでもオンの字です。
後ろの席だと波がもっと本物らしく見える。
今日は七君の千鳥の可愛らしさが印象的だった。
この前は勘三郎さんばかり観ていたから
気づなかったのかも。
船が行ってしまうと、
地面の布がスルスルはがされて一面、海。
花道の上もサッと上の布を引くと、
波模様の布が敷いてあった。
俊寛のいる岩を残して海が広がる。
オペラグラスなしで観ていると
ボロボロの着物を着た当代勘三郎さんが
先代の勘三郎さんに見えてくる。
離れてみるのも一興アリ。
去っていく船を見送る俊寛が手を伸ばし、
松の枝が折れる。
段取りなんだけど、
それを感じさせないほど
気持ちも体も迫っていた。
勘三郎さんは
枝ごと落ちてしまいそうなくらいだった。
「3人しか都へ行けないのなら、自分が島へ残るから」
恋人と離れなくてはならない千鳥が哀れ、
と俊寛自身が決めたのだけど
それでも、現実に直面すると深い孤独が押し寄せる。
髭ボーボーの流人の風貌の奥の目が赤い。
まさに俊寛を生きている勘三郎さんがそこにいた。
やっぱり「俊寛」から観られて良かった!
ありがとうございました。
そして「口上」 居並ぶ幹部俳優。
芝翫さんの姿も。
あー。よかった!
芝翫さん、
「当代の勘三郎さんと私の次女が」というところ、
「長女と結婚いたしまして」とうっかり言ってしまい、
あわてて言いなおしたところが可愛くて、
あったかい笑いが会場に広がりました。
「おじさんは、そこにいる左團次さんを怖がってまして、
久里子さんが
『パパ、かわいそうよ。ホントはいい人なのに』
と言ったのがきっかけで、
左團次さんを可愛がるようになりました」
と意外なエピソードをニザ様が披露。
前回と内容が違うから、毎日変えているのかしら?
毎日違うエピソードだったら
勘三郎さん、感激するだろうな。
23回忌追善公演に出演するという縁に連なれたことは幸せ
と玉三郎さんが言えば、
お揃いの裃の三津五郎さんが、
「私は18代目と仲がよく、
一緒に悪さをしていたので
おじさんは私のことを
『おい、悪友、おい悪友』と呼んでいました。
箱根の家に連れて行ってもらった時に
『今はいいんだよ。
年を重ねていくと
うまくいかないこともあるが、
二人はうまくやってほしい』
と言われましたと、
今日はシンミリした内容。
共演しているときも、いない時も指導してくださる先輩だったと魁春さん。
「市川左團次でございます」と
ユックリ言って笑いを取って
「先程、仁左衛門さんが
おじさんとのエピソードを話して下さいましたが、
あれが、 全て!
で ございます」
と言って、また爆笑。
「『松浦の太鼓』に、宝井其角で出していただいた時、
『いいかい、ここで大きく息を吸うんですよ』
、
と教えてくださった。
翌日の舞台で、その場面になると
『ここですよ』と
自ら!
やってみせてくださいました」
左團次さんのしゃべり方がおかしくて、また笑いの渦。
最後の舞台をご一緒したのがいちばんの思い出と梅玉さん。
「俊寛」で共演した際に、左團次さん同様、
17代目が本番中に実演見せてくれた
と梅玉さんもおっしゃってました。
ワシントン公演にも連れて行っていただいた と我當さん。
おじさまが脇役を演じると、
その役が素晴らしい役に見えた と秀太郎さん。
23回忌追善ができたこと、
親戚の一人として嬉しい。
娘役にたくさん使っていただいて、
役の心を教えていただいた
と福助さん。
おじさんが亡くなったのは桜の季節。
その時期になると思いだすと橋之助さん。
小川家を代表して、挨拶できて嬉しいと錦之助さん。
5歳だったので
記憶がほとんどないが、
口上を聞くことで、そばに感じられる。
じじんちゃま(17代目)に叱られないよう、
精進しますと七之助くん。
縁の演目が並んで幸せ。
弟と一緒に努力精進します
と勘太郎くん。
そして、
気分屋でしたが、優しい人でした。
優しかったから、
私も皆さまに良くしてもらえましたんだと思います。
ということは、
私が優しくしないと
(お辞儀をしている二人の方を顎で指して)・・が
良くしてもらえないので、
と笑いを取ったあと
歌舞伎座最後の口上がこの23回忌追善公演なので
「どうだい、やっぱり、俺は間(ま)のいい役者だろう」
と父は機嫌を良くしていると思う
と勘三郎さんがしめて
万雷の拍手の中、(マジ歌舞伎座の建物が揺れるくらい)
口上が終わりました♪
「ぢいさん ばあさん」のニザ様可愛い。
37年ぶりに会う二人が
最初はお互いに気づかず、
気づいたあと、
時間を超えてもなお、
気持ちが通い合う場面は
何度見てもいいなー。
駕籠かきの役の橋吾さん。
紺の衣装も凛々しく、
玉様のるんが駕籠から降りるとき、
履物をはかせてあげてました。
駕籠の向こう側はみえないけど、
きっと丁寧な仕事をしているはず、橋吾さん。
「ぢいさん ばあさん」が終わったら、
3階を飛び出して
夜の部、幕見の列に並ばなくちゃ!
大丈夫かな、入れるかしらん。
(2010年2月25日 歌舞伎座 千穐楽 昼の部)
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