多分それキミドリのカケラ

多分それキミドリのカケラ

北海道2004 序章





まだ免許を取る前やったか、バイトの先輩に夏の北海道をバイクで走ることがいかに楽しいかを教えてもらった。話を聞いて想像しただけでめっちゃ行きたくなった。でもそのときは俺には縁のない話やと思ってた。でも免許を取って、バイクを買って、適当に走ってはいたけど、北海道のことは頭の片隅にずっと残ってた。だんだん夏が近づいてくると、いよいよ気になりだした。

夏休みに入る前のテスト期間中、行くか行かんか頭を悩ませ続けた。未知への好奇心はかなりあったがビビりな俺は不安も同じぐらいあった。当時の自分には北海道はとてつもなく遠いところやった。いや今も結構遠いけど、気持ち的にかんなり遠かった。ええ加減悩み疲れてきて、フェリーのチケットさえ取ってしまえば後は無理やりにでも事は進むだろう、と思いチケットを取った。もし行くなら今年しかないやろし…と。一旦行くと決めてしまえば、うそのように悩みはどこかへ消え、楽しみで仕方なくなった。テストはよくなかったが…。

いざ行くと決めて、色々考えたり準備を始めた。

まず一人旅と決めていた。友人を誘おうかとも思ったけど、なんとなく一人で行ってみたかった。んで行きのチケットしか取らんかった。これは高校時代に、とある先生が言ってた「旅行は日程を決めてするもの、旅は日程を決めないで気ままにするもの」て奴がずっと心に残ってたから。俺は「旅」がしてみたかった。なもんでバイトをまとまった期間強引に休みを取って、その間に行って帰ってくればいいか、と思ってた。

んでキャンプツーにしようと思ってたんで、キャンプにいるものを色々そろえた。これもやってみたかったからってんで今回初。不安はかなりあったが準備を始めるとそれさえも楽しかった。ここらで思ったよりも金がかかって苦しかったがけど、カスタムしようと貯めてた金があったから、そこからまわした。おかげで憧れのカスタムは遠のいたけど。(笑 ルートとかも何となく程度に決めた。長いこと休むため必然的に詰め込まれたバイトを、しかも一年でかなり忙しいお盆の時期を、連日働き倒し、かなりのストレスを溜め込み、抑圧の解放の準備は着々と整っていた。(笑 もう八月入ってから北海道のことばっか考えていた。丁度当時付き合ってた彼女がガンガン冷たくなってきて全然相手してくれなくなったから、余計にこっちに熱が入った。後に北海道で会ったとある奴に、「それはお前あれだ一種の逃げだ」的なことも言われたけど、どうなんやろーか?(笑 まあそんな感じで出発日までを過ごした。


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