きみのこえ

守護者。



私は彼を追い教室へと戻った。


人ではないとしたら ―― 彼は一体何者なのかを聞く為に。




きみのこえ



ドンッ!

意識の外で人の体が壁に当たる音が聞こえた。
私が、彼を壁に突き飛ばしたのだろう。


私の理性は小さくなって、私が何を思おうと体が勝手に動き、
口が勝手に言葉を放つ。


「―― じゃぁ、アンタは一体何者なんだよ!」

「まだ、言えない。」

「まだ?なら何時言えるのよ!!」


バキャッ!

後ろの棚に私の拳がめり込む。




――― わたしはいつも、そうだ。

あの時も私は・・・ ―――



嫌なことを思い出した瞬間に、私は彼の肩を放し
そのまま鞄を引っつかんでナツキ荘へと駆けていた。





「待てッ星川ッ!!」




彼の声が遠くに聞こえたが、ソレさえも振り切って私は走った。




走る、走る、走る。




でも、行く手をすっと一人の青年にさえぎられてしまった。

さっきの青年だ。




「アイツは居ないんだな ―― 授業中じゃないのか?」

意外そうな顔で私を見て、そう言った

「別に如何だって良いでしょ。」


ソレよりも私が聞きたいことは ―――

「俺たちが何者か、って事だろ?」

私は相当情けない顔をして居たんだと思う。
青年はそんな顔して、どうした。と苦笑していた。

「何でそんなこと判ったのよ・・・」

「ソレは企業秘密。だが、俺たちの正体を教えることは出来る。俺たちの正体は ――」


破壊者、だよ。


「・・・破壊・・・者?」

青年は私を見て哂っていた。

「そう、破壊者。神の作ったモノを破壊するのが仕事だ。」

「じゃぁ、何故私の前に現れるの?」

「ソレは、お前も神の創られた者だからだ。星川依 ―― いや、ハルカ。」

「ハルカってだ「破壊者はお前だけだ。」


凛と響く少年の声がした。


「俺は、守護者だ・・・勘違い、するな。」



「“楽園の騎士団”を追われた奴が、今更何を。」

「お前がそう仕組んだんだろう。ハルカもお前が ――ッ!」



「今なら俺の方へ回った方が得だぜ、ルーン。」


青年はそんなことを口にし、消えた。


後には私と、彼とそして、謎だけが残っていた。




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