†俺達の居場所†-myself-

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1章「僕が求める」2


雨が降り出した。皆は頭に手をのせて防いでいるっていうのに、僕だけはそのままの姿勢で雨にうたれていた。
「雨宿りしなくていいのか?」
そう言われたっていくところなんてない。雨宿りしたところでそこでやむのをまつことなんてできないし。ならこのままでいたほうがいい。
「大丈夫ですか?」
近くで声がした。若い男の声だ。顔をあげてみると、めがねをかけた優しそうな笑顔の男が傘をさしてたっていた。僕は、何もいわずに目をそらした。でも男は僕の向いたほうにかがみ、笑った。
「行くところがないのなら、僕の家に来ませんか?」
「えっ・・あっうん。」
いくところがない。それは事実だし、屋根のある場所に泊めてもらえるならばそれはいいことだ。男は僕に手を差し出した。僕はその手に自分のてを重ねた。あたたかかった。人のての暖かさは久しぶりだった。何だかいい気持ちになっていくようだった。

連れてこられたところは、小さなマンションだった。まだ建てたばかりというような感じだ。雨であまり見えなかったが、あまり汚れていない白い壁。階段で3階に上り、303号室に案内された。
「ここを好きなだけ使うといいよ。何かあったら管理人室に声をかけてくださいね。」
案内された部屋は外観とは違ってかなり広い。家具もちゃんとそろっているし。
テレビの前にあったソファに寝転がろうとした。
「やめろよ。びしょ濡れだろう。」
「あっそうだった。」
僕はよごれた服をぬぎ、洗濯機の横にある籠にほうりこんだ。そのままバスルーム入り、カラダを洗った。かなり汚れていたらしく流れる水は黒に近かった。
上がってタオルを巻きクローゼットを開けると男物の服がたくさん入っていた。
適当に着て今度こそソファに寝転んだ。
何もかもがいい気持ちだった。行くところがないのに屋根のある建物に泊めてもらい、こうやって安心していられる。こんな幸せがまだあったんだ。
「眠くなってきたなー。」
大きなベットに移って眠りについた。

「キミのこと俺は好きだよ。」
「僕も好き。ずっと一緒にいてね。」
「ああ。俺はキミから離れないよ。ずっとね。」
彼は僕にそう言った嬉しいはずなのに・・。何だか変な気持ち。何だろう。
「ずっと離れない。離さないよ。」
だんだん彼のてが僕を包んだ。でも、それはあの優しいものではなくていやなものだった。
「これは違う。違うんだー!!!」
僕は頭を抱えて泣き叫んだ。



この夢は暗黒に満ち溢れていた・・・・・。


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