海外旅行紀行・戯言日記

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ブレンデル



ブレンデルのモーツアルトのピアノ協奏曲を弾くに際して、それぞれの性格の違いをこれ位鮮やかに弾き分けるのは珍しい。それでいて、演奏には音の即興的な流れがあって、装飾的なパッセージやカデンツァが普段耳慣れない箇所にも盛んに出てくる。しかし、放胆では無く寧ろ緻密な演奏をしている。
彼は、予め隅の隅まで考え抜き、鍛えぬいた演奏を用意しながら、実演となると、用意してきたものをそのまま反復してはいられなくなる。演奏中に何かが彼の耳に何かを囁きかけるのだ。それは、何も楽譜に書いて無い即興的な戯れだけに見られるのでは無い。先ずどこかで気が付くと、あとの所にも、そのほとばしりの痕跡が見えてくる。そういう彼の演奏から特に強調されて聞こえてくるものは、エスプレッシーボの音楽としてモーツアルトの魅力である。情感の非常に細やかで豊かな音楽としてモーツアルトを弾くピアニストなのである。



Salz
小品コンチェルト・ロンド(K.382)の第2楽章をマリナー指揮の管弦楽団との共演でお聞き下さい!



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