海外旅行紀行・戯言日記

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プロテスタント



西村貞二氏は「ルネッサンスと宗教改革」(講談社学術文庫1062)でこの様に記述しています。

16世紀から17世紀迄を古プロテスタンティズム、それ以後を新プロテスタンティズムと言って区別する。
ルター派やカルヴァン派の古い生粋のプロテスタンティズムは、ある個所では中世のカトリック文化を踏襲した。国家と社会を神の啓示に則り秩序づけようとした。
これに反して、近代プロテスタンティズムは、宗教に無関心な国家の地盤の上に発展した。18世紀に興った啓蒙思想の影響を受け、合理主義、自由主義、宗教寛容思想等の洗礼により、宗教が近代文化を形作るいろいろな要素の一つに過ぎなくなった。

もし宗教改革が起こらなかったら、カトリック教会は中世末期の道徳的堕落や弛緩からついには老衰し、人間の救いと言うことすら果たせなかった。
プロテスタント側からの刺激により、反宗教改革を展開し、中世カトリックは近代カトリックに生まれ変わることが出来たのである。

私見ながら、イスラム教の世界でもアラブ穏健派を中心に啓蒙思想による変化が進み、二世紀遅れての反宗教主義、即ちイスラム原理主義が台頭して来ている。弁証法的に見て統合にアウフヘーベンする時期は遠くは無いのでは考えたい。
西欧の反宗教改革でも“バーソロミューの大虐殺”の暴力の歴史に彩られており、その苦い教訓がイスラムでも生かされることを望んでいるのだが・・


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