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此処5年以上、技術士活動もしていないので、技術士会から退会することにしました。そうかと言って、別に技術士と言う国家資格を失う訳ではありません。最初の技術士登録証は、昭和54年2月付けで、国務大臣である科学技術庁長官の公印が押印されています。近頃は国務大臣公印はなく、資格付与はActing Authorityとして、日本技術士会が代行しますので、最近と言いましても平成14年に新設されました総合技術監理部門の登録証は日本技術士会会長名と押印がされています。技術士は、7年以上の主任技術者として経験を受験要因として問われ、筆記試験に合格して受験者が、面接試験を経て、合否が決定される、技術系最高の国家資格とされています。米国滞在中も、Registered Professional Engineer of Japanとして活用させて頂きましたが、老齢化して来たことで、経験と研鑽の場として「日本技術士会(IPEJ)」を退会することに致しました。論文提出が要求される、米国機械学会(ASME)、米国航空宇宙学会(AIAA)は、既に10年以上前に、退会していますし、寂しい気もしますが生涯現役とは行かないのが、世の常ですので仕方がありません。
2020.07.06
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昔日、造船・重機を主体とする重工三社と言えば、MHI(三菱重工)、KHI(川崎重工)、IHI(旧石川島播磨重工)であったのですが、造船不況と共に重機主体となってMHIとIHIが株式銘柄を機械に移しKHIは輸送機器のままとなって様変わりし、MHIが突出することとなりました。その差は火力発電事業、特に大型ガスタービン展開にあって、他2社を断然リードしたことにあります。又、発電事業と言いますと重電3社、Toshiba(東芝)、Hitachi(日立)、Melco(三菱電機)と思われますが、原子力発電事業分野ではMelco(三菱電機)は脇役でしかなく、MHI(三菱重工)が主体的役割を果たして来ているのです。今回のMHI主導によるHitachi(日立)との火力発電事業の合併模索で、更に差を開こうとしています。MHIの大型ガスタービンとHitachiの中型ガスタービンを組み合わせてシナジー(相乗)効果を狙い、世界で戦える体制を強化しGEやSiemens(独シーメンス)に並ぶ世界3強を目指すと言うのです。売上2兆円強のMHIが9兆円のHitachiを併合すると言うのですから大したもので、両社合算の火力発電事業の売上高は1兆1000億円、日立は米GE(ゼネラル・エレクトリック)と提携関係にあるのですが、GEの協力が得られなくても、三菱重工の技術で補完して3兆円を目指すと自信満々なのです。原子力発事業については、三菱重工は仏アレバと日立がGEと提携関係にありますが、原発ビジネスの視界は不透明な状態では両社統合の議論は時期尚早、国内が再稼働しないと海外展開出来るか否かも分からず、環境が明確になって来れば決まって来るだろうとこれ又意欲満々なのです。世界市場を睨みGEやSiemensに匹敵する“重工重電メーカー”の誕生は、重工重電のライバルToshibaはGE大型ガスタービンとの技術提携関係にありますが、その事業戦略に影響を与えて更なる業界再編の呼び水ともなります。大型ガスタービンを持たない重工メーカーKHI、IHIも事業戦略の再検討を要し、その激動流に晒されつつある気がします。
2013.04.10
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米国調査会社の日本法人での前回指導はジェットエンジンとその転用型ガスタービンの説明が主で、重構造型ガスタービンへの技術説明が少なく、中途半端だと思っていたのですが、先週になって重構造型ガスタービンについても追加調製したのでご指導願いたいとの要請がありました。昨日も神谷町から歩いて5分程の処にある虎ノ門第37森ビルに出掛けて来ました。指導の要諦は、50MW級で較べますと航空転用型ガスタービンは約10トン、重構造型は100トン、となっているのが現状の技術概要ですので、前回の資料を使い回転部は5倍、静止部は10倍で資料調製するのが良いと指導することにしました。圧縮機、燃焼器、タービン等の主要部位毎に、又その中で詳細部位を項目分けして、逐一詳細部位の仕様、個数・重量等の数字を検討することにしました。最後に現在世界で使用中の運転基数、年毎の発注基数等も論議して、添削指導は2時間半で終了となりました。今回の資料で、全ての項目で定量的になり、日本の製鋼メーカへの良いマーケティング資料になったと判断しました。その日本法人の外部への指導依頼は時給1万円が標準らしく、2時間半として請求願いたいとのことでした。まあ、訪問の為の拘束時間を考えますと一寸安いのかとも思いましたし、30分で区切ると言うのも初めての経験です。しかしながら、近年企業も財務状況が厳しいのだろうと勘案し、交通費も支給されることから、その様な要請に応じることにしました。
2012.10.02
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本日、技術士事務所口座を調べましたら、9月6日に米国調査会社の日本法人で行ったガスタービン技術説明への指導料が10%源泉徴収されて、交通費立て替え分と共に入金されていました。技術士の所定日当にも足りない僅かな金額でしたが、孫娘には2才の誕生祝い(誕生日に手渡し済み)、私には僅かな小使い増額として、孫娘と私とでほぼ半分ずつ分けて使うことになりました。4時間の技術説明でしたので、不十分な処もあり、知識・知見の切り売りの感は否めませんが、米国調査会社の日本法人では、パワーポイント(PPT)資料を用いて、多分日本のSteel Mill(製鋼会社)への調査報告を纏めてくれたのだろうと思っています。技術士としては仕事が中途半端で、本来ならばもう少し系統だった業務を調査会社から受ければ良かったのでしょうが、こう言う事案は彼等の要求に沿うしか応えようが無いのが現実ですから仕方がありません。又、その内、今回の適切で原単位を含んだ技術説明を契機にして、何らかの別オファー(申し出)があることを期待することに致します。
2012.09.26
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米国マサチューセッツ州ボストンに本拠を置く技術・経営コンサルティングの会社で、米国エネルギー省からも技術動向調査を受注する一流の企業です。その日本法人から、市場調査について協力依頼が来状しました。「ガスタービンの部品におけるNi基超合金の採用状況及び採用可能性」に関して市場調査・分析を行っております。その過程でHPを拝見し、ガスタービンの開発、設計に精通されていらっしゃる貴殿と下記のような論点に関してディスカッションさせて頂く機会を頂戴したくご連絡致しました。ガスタービン技術は未だ進化を続け、航空機の推進エンジンとして、又火力発電所の発電機駆動エンジンとして、幅広く採用されています。ガスタービンエンジンは他のボイラー蒸気タービン(BTG)、ディーゼル(Diesel)エンジンに較べて、小型で且つ軽量であり、高効率で排気ガスがクリーンであるのがその理由なのです。近い将来は、原子力発電に於いても技術革新(Break Through)が起きて、現在のボイラー蒸気タービン(BTG)に替ってガスリアクターを採用したガスタービンが採用されるのではないかと予断していたのです。現在方式の原発では、その熱効率は30%に過ぎませんが、ガスタービン方式では45~55%に向上するのですから、貴重な熱源を効率良く使用することが求められるのが趨勢だと思われたのです。しかし、昨年の福島原発の事故以来、原発反対の世論が強く、ガスタービンへの移行計画は頓挫してしまうのかも知れませんが・・私は、基本設計特に性能設計を主に30年大企業のガスタービン部門で過ごし、海外拡販の駐在を経て工事を纏める管理職となりましたが、50才を過ぎてからは経験を買われて転籍、各種工業プラントのプロジェクトマネージャとして活動するのが主義務となってしまいました。しかし、そうした中でも、ガスタービンのサイクル性能革新(Cycle Innovation)については国際学会に種々の論文を発表して来たのが目に止まった様です。もうガスタービンを離れて20年以上、又材料については知見が少ないのですが、近々その日本法人に伺って、意見交換してみようと思っています。
2012.09.03
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現内閣では国民の休眠口座を活用して経済活性化に繋げようとの内閣方針が報道されていたので、4~5年程使用していない通帳を閉めることにしました。先日は10年使っていない口座通帳は見つかりませんでしたが・・技術士事務所を人格なき社団として、郵政公社に登録し入金口座と預金口座を設けましたのは2004年6月初めの頃でした。事務所を「人格なき社団」化これで一流企業との契約にも支障は無く、2年ほどその形態で役務契約を行っていました。しかし、ある企業から郵便公社ですと送金にひと手間掛るので、普通銀行口座に変更してくれないかとの要請を受け、メガバンクにやはり「人格なき社団」として技術士事務所口座を開設することになり、それ以来其処への入金が殆どとなりました。郵便公社から一般の郵貯銀行になっても、その口座への入金されることは無くなり、従って4~5年は使用していない計算となります。其処で先日、郵便局に出向き、入金口座と預金口座を閉鎖する手続をすることにしました。入金口座には3000円程度、預金口座には8万円程の残金がありましたので、私個人名の郵貯銀行預金口座に振り替えて入金させ、手続完了です。これで、先日見つからなかった会社時代に使っていた交通費入金口座を除き、我が家の休眠口座は無くなりました。
2012.02.28
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昨日、下記の要望文を付けて、或る技術士の年賀挨拶状がメール配信されて来ました。古希で呆けることなく、益々元気溌剌、聡明の由何よりです。或る技術士からの賀状とでも題して、論評をしていただければ幸いです。自然の摂理に反し、更なる発展を望む人間が、地震、津波、洪水の自然災害に対し、復旧、復興と言いながら、自然と戦うことで環境なんて守れる訳は無いと本心思い続けています。そんな世の中、皆様にとって、今年も良いことのあるようにではなく、せめて少しでも悪いことの無き一年でありますようお祈りいたします。昨年秋におけるタイの洪水災害については、日本での洪水対策をそのまま適用しても、上手く行かない。日本での急峻な土地での灌漑と、タイでの緩い傾斜の土地での灌漑では違いが大きく、自然に任せれば洪水滞留と言うことは無く短期間で収束するのではないかと言うことだろうと推察されます。彼は永年に亘って、タイの水道事業についてコンサルタントとして活躍していましたので、現場をよく知っているのですから、忸怩たるものがあるのでしょう!日本のプロ技術者である「技術士」の多くは、企業サラリーマンとして官公庁向け業績に寄与しています。官公庁では、業務遂行に技術士の関与を義務付けているからです。しかし国家資格「技術士」は、弁護士、弁理士等と同様に事務所経営が許可されており、少数ですが独立コンサルとして活動しています。2003年6月の日本技術士会事業報告では、科技庁審議官から天下った専務理事の傍若無人な特殊法人運営を糾弾し、「適正でない」と報告した監事は彼でしたが、正直者は馬鹿を見る典型、専務理事の勇退と相打ちと言う形で、仲良しクラブとされた日本技術士会2004年9月臨時総会で茶坊主の策動により除名処分となりました。その後、アフリカでの或るJICA 管轄ODAコンサル案件で、大手施設企業の予定事業を、より実際的で安価な提案を相手国に推奨した結果、企業主導のJICAから妬みを買い、取引停止と言う酷い不利益を蒙ってしまったのですが、上記除名処分も災いしていたと推測されました。日本企業よりもODA相手国を第一義としてコンサルタントして来た彼は日本の誇りである筈ですが、日本技術士会での文科省天下り専務理事も数代替わっていても未だ除名も解かれていませんし、JICAの取引停止のままであることは、日本の海外技術移転に貢献するチャンスを無くしてしまう懸念が大きいのです。彼も現在67才、70才まで現役と考えて、活躍のチャンスを与えるべきだと思われます。
2012.01.19
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昨日は秋冷の雨が一日中降り続き寒い日でしたが、会社時代の元仲間と今年8月に亡くなりました先輩宅に伺い焼香させて頂くことを前々から約束していましたので、出掛けることにしました。横浜ブルーライン「立場」駅から徒歩数分の処ですので、当初はバス・電車を利用しようと思ったのですが、あまりの寒さに日和って車で行くことになりました。先輩宅に着きましたのは午後1時、仏前に手を合わせて焼香、冥福を祈りました。永年糖尿病を患っていて歩行困難となっていた様ですが、通院治療で闘病、入院することなく自宅で意識不明となり、救急車で病院に行く途中に逝去された様で、警察の調査もあったとのことでした。会社の精鋭部隊とされた設計部にて伝統を大事にする先輩で、参考にしなければならないことが多いことを実践してくれた人でもありました。ガスタービン自家発電所は1963年設計開始し、1966年に工場敷地内に完成、重油焚の予定でしたが、東京地区での大気汚染防止が問題となったことから灯油焚に変更、通産省(現経産省)の認可を経て、研究開発を主目的に10年間稼働しました。昼間の運転で工場内電力を賄うだけであり、その頃は東京電力が余剰電力を購入する取決めも無かった時代でしたから、夜半は停止せざるを得ず、発電所の経済性は良くないものでした。下記の写真は、10年間の運転を経て自家発電所の閉所を決めた時の近くいた一部関係者の記念写真、おそらく1976年秋のものです。私は後列中央付近で34才、先輩は前列左から二人目で43才、未だ若い時代でした。現在この中で亡くなりましたのは前列で4人、後列で2名、計6人となり、35年の月日とは永いものだと感じます。私は、基本設計の立場から、東京都下水道局、大阪市下水道局に折衝にあたり受注に成功、海外進出にも乗り出して、アメリカへの海外出張が多くなった時代でもありました。それでも、3年後に家族帯同のアメリカ駐在を命じられることは、全く想定外のことで、家族にも迷惑を掛けたものだと思っています。
2011.11.12
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或る会社から技術士として活動してくれないかとの話が、人材派遣会社を経由して来ています。官庁の受注工事には、技術士の介在が必須条件となりますので・・嘱託なのか顧問格なのかは未だ分かりませんし、近々その会社を訪問することになりますが、履歴書と技術経歴書を作成して持参頂きたいとのことですので、Excelで調製してみました。技術屋人生を長い間送って来たつもりでしたが、簡略に纏めてみますと下記の通り、1ページにも満たない内容であることが分かります。少し寂しい気もしますが、人生とはそんなものなのかも知れません!1964年4月 スイス国BBC社との舶用ガスタービン開発 5000kWガスタービン開発1967年7月 自家発電所への転用 江東区事業所で完成1970年4月 航空転用型ガスタービンの陸舶用応用設計 GE社LM2500GT応用 東京都下水道局向け非常用発電装置の設置 IHI社IM1500GT適用 大阪市下水道局向け非常用発電装置の設置 IHI社IM1500GT適用1975年4月 米国GE社との陸用大型ガスタービン開発 出力タービン設計 明電舎向け自家用発電所の設置 IHI社IM5000GT完成1979年9月 石川島播磨重工の米国会社 IHI Inc.出向 米国・カナダ・メキシコ1982年10月 米国Simpson製紙向けガスタービン受注 ガスタービン輸出1号機 米国Mobil社向けガス圧縮機受注 LNGガス回収用圧縮機1983年10月 石川島播磨重工に復帰、輸出担当 世界各地への受注活動1986年5月 独国Dow Chemical向け工事 アシスタント・プロマネ1987年5月 米国Procter Gamble向け工事 プロマネ1989年7月 航空宇宙事業本部 研究工事統括担当 航空、宇宙、GTの研究工事1991年7月 官庁向け航空宇宙試験設備のプロジェクト 日本の次期主力産業の企画 通産省/航空宇宙工業会の調査に参画 欧米の先進施設の調査 防衛庁向け航空エンジン試験設備工事 千歳基地で試験装置完成 科学技術庁向け航空エンジン試験設備工事 三鷹で試験装置を完成1995年7月 プラント事業部技術統括担当 プロセス、LNG、セメント 工技院ニューサンシャインプロジェクト 水素吸蔵合金適用 三菱総研「広域ガスパイプライン研究会」 ロシア天然ガスの日本導入1998年5月 蘭国Shell社向け小規模ガス田用FPSO 洋上LNG製造・貯蔵計画2000年4月 石川島播磨重工を退社 技術士事務所開設 日本縦貫パイプライン専門家会議に参画 サハリン島ガスの輸入計画 蒸気噴射ガスタービンの学会発表 ガスタービンの高効率化 防衛省向け極超音速設備の移設指導 陸上研究所で移設工事指導2006年10月 経産省向け水素パイプラインの設計法指導 水素時代のパイプライン生涯現役が理想と言われますが、技術屋は組織で仕事をしなければなりませんので、組織を離れた今、明らかに限界があります!
2011.05.03
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昨日午前中は雪が降り続き、家の中に閉じ込められてしまいましたが、正午頃には止んで大雪とならずに済みましたので、これ幸いと車の雪を払い運転に支障が無い様にしました。すると、やはり車の雪を払っていたご近所の方が、雪道を押して日野税務署へ確定申告に行くと言うことでしたので、急遽私も必要書類と印鑑を携えて、高幡不動経由で日野税務署に行くことにしました。日曜日には、国税庁のホームページを利用して、所得申告及び決算書を作成してありましたので、後は源泉徴収票・保険控除証明書等を張り付けて、提出するだけですから簡単なのです。技術士の先達に教えて頂いた「人格なき社団」として登録、100万円程度の一流大企業との技術コンサルタント契約を履行し、代表者として確定申告して来たのです。毎月の領収書を集めての帳票処理で面倒なのですが、事務所経費として個人経費との振り分け等ガイドラインに従って調製するので、全ての区分経費がすっきり明白となり、チェック押印することで決着させて来ました。一昨年に家内を亡くしてからはコンサルタント業務をしていない全くの年金生活で、本来は確定申告の必要は無いのですが、一昨年のコンサルタント業務の支払が昨年3月になっていたこともあり、昨年分は確定申告の必要があったのです。昨年までは、日野申告会にも所属していて書類調製の面倒を見て貰っていましたので、脱会した今年でも書類作成はお手の物となっていました。1.5年間ブランクが続いていますし、日本の将来を担う一流企業群との契約には将来方向を指導したとの誇りもありましたし、改めて他企業への営業活動をしようとは思いませんので、今年が青色確定申告は最後かも知れません。
2011.03.08
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国際協力機構(JICA)の政府途上国援助(ODA)事業は、商社・コンサルタント企業が主導権を握り、当該企業への利権化していることに問題があると見ています。建設コンサルタント「パシフィック・コンサルタンツ・インターナショナル(PCI)」もその適例で、明らかになった贈賄事件も、JICAの内部管理体制の甘さに起因するものだと思われます。検察の手入れを受けたPCIは、一転、コンサルタント事業からの撤退を決定し、Webサイトで次の様に発表しています。前社長を含めPCI関係者4名が不正競争防止法違反容疑で逮捕されました。社会的規範から逸脱しご迷惑をおかけしお詫び申し上げます。既に弊社は国際コンサルタント事業からの撤退を開始、プロジェクトの事業譲渡先への契約変更手続き、債権の回収、所有する不動産の管理などに加え、一連の事件の法的責任への誠実な対応と、企業としての社会的責任を果たしていきたいと考えております。日本のプロ技術者とされる「技術士」の多くは、企業サラリーマンとして官公庁向け業績に寄与しています。官公庁では、業務遂行に技術士の関与を義務付けているからです。しかし国家資格「技術士」は、弁護士、弁理士等と同様に事務所経営が許可されており、少数ですが独立コンサルとして活動しています。そのNPO法人技術士の一人が、ODAコンサル案件で、大手施設企業の予定事業を、より実際的で安価な提案を相手国に推奨した結果、企業主導のJICAから妬みを買い、取引停止と言う酷い不利益を蒙っているのですが、一向に改善は見られていません。私は技術士コンサルタントとしてJICAの海外コンサルタント案件を受託して参りましたが、ニジェール案件以降は、一切交渉相手とされなく選定停止を受けております。選定停止理由を探るべく、JICAに情報開示請求した結果、カザフスタン業務の評価が33点、二ジェールの評価が50点以下だったことが分かりました。現地事務所及び相手国から感謝されたコンサルタント業務が「これ程低い」評価とはとても信じられません。カザフスタン案件の担当者とは、問題解決・報告書作成、追加調査を行うなど緊密な連絡をしましたのに、評価項目の内、伝達度が0点、協調性0点とは驚きでした。ニジェールの場合も、担当者と協議して業務を実施、報告書は帰国後JICAに持参し、帰国報告会では全体的にはOKとの評価でした。その際、一部評価者から「永久選定停止」制度の存在を暗示されましたが、冗談かと意に介さず業務に尽力しました。しかし、事後の情報開示では、評価項目の内、即応性・信頼性が0点、関係者への伝達度、協調性項目が各々25点と信じられない評価となっていました。現実に「永久選定停止」制度が適用されてみますと、個人コンサルタントにとって被害甚大、まるで死刑執行と同じです。制度運用に際しては、法人コンサルタント同様、技術士個人コンサルタントにも、その理由と期限が告知され、当該者に告知し反論の場を与えるべきと思料します。適正でない評価と考える当該者の異議を再考頂くべく、監査室、法務室とも協議され、内部業務監査をされることを願うばかりです。その上で、業務担当者、評価者、更に当該者の主張も聴聞頂き、適正な再評価を実施されますよう請求致します。切々たる再審請求の訴えですが、JICAからは2週間「無しの礫」で、全く無視されたままの様です。政府途上国援助(ODA)事業を司る独立行政法人にも拘わらず、相手国の為と言うよりは、大手企業主導のJICAと言う実態からの改善はこれからも変わらないのでしょうか?
2008.09.05
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国際協力機構(JICA)の政府途上国援助(ODA)事業は、対象相手国からの要請が前提条件となるのですが、実質は商社・コンサルタント企業側が主導権を握る“日本式ODA”とされています。悪弊が続いて来た背景には、ODAを所管する外務省より、JICAに派遣された企業スタフがODA事業を取り仕切り、当該企業への利権化していることにあります。最近、建設コンサルタント大手「パシフィック・コンサルタンツ・インターナショナル(PCI)」贈賄事件発覚の際も、国際協力機構(JICA)は「刑事告訴検討中」としながら、指名停止処分に留めたのですが、外務省やJICA、国際協力銀行のチェックの甘さがリベートを助長しており、事件はODA利権に巣くう不正の氷山の一角に過ぎません。検察関係者が「要請主義が名ばかりの為、外務省は商社やコンサル頼りになり、不正に対する監視も甘くなる」と語るのは正鵠を得ています。しかし今日現在でも、商社・大手コンサル企業主導は変わらないらしく、中小コンサルNPO法人への侮蔑的差別待遇は改善を見ていない様です。日本の最高技術集団とされる「技術士」は、事務所経営が許可されており、多くは中小コンサルNPO法人として活動しているのですが、その格差は如何ともし難いのが実情です。ODA事業の国内事情よりも相手国事情を踏まえてコンサルを行った卑近な事例を紹介することにします。思えば、ニジェールの第一回打合せ(○×技術士、△▽女史 出席)冒頭で、当時のコンサルタント選定長が、前選定長同席の席上、「カザフでの業務評価が低く、本来交渉相手としないのであるが、担当部の特別の要望により、契約をする、本件業務の評価(50%以下)が悪ければ、JICAでは、2度と交渉相手としない」との高圧的発言がありました。また出張に来ていた調達部調査役より、「俺は本部から来ている、2度とJICAで業務出来ない様にしてやる」。(○×技術士、□◆通訳証人)しかし、完全に業務を遂行し、監督職員のみならず、無償部よりも謝意を表され、後に世界の人として、朝日新聞にも報じられたことに意気を感じました。そこで、技術士たるコンサルタントとして活躍しようと心がけ、今日まで再三、プロポーザルを提出しましたが、その都度、総合的な評価で、残念ながら選定されることはありませんでした。それに対するJICAコンサル選定長の回答は次の通りであったらしい。契約交渉相手方の選定にあたっては、複数の選定委員の判断により、これまで業務従事候補者の方が行われてきた業務の内容等と今回、JICAからお願いをすべき業務の内容との整合性=類似業務の経験、対象国・地域での業務経験(地域事情への理解)、語学、その他学位などの専門性につき点数化したうえこれを総合し、契約交渉相手方としての適否と、交渉相手方とする方についてはその順を決定しています。今回、貴社からのプロポーザルを審査させていただいた結果、残念ながら僅かにこの基準点に満たない結果となったため、「契約交渉相手方として選定されるに至らなかった」旨のご連絡を差し上げた次第です。これまで従事されてきた業務のご経験との類似性やミンダナオでの業務のご経験、語学などの点を総合的に判断した結果、今回の選定結果とさせていただきました。官僚特有の責任不在文書ですので分かり難いのですが、総合的に判断すると、技術士NPO法人がJICA内に暗躍する大手企業群の意に沿わず、排除しようとする姿勢が見てとれます。緒方貞子と言う崇高な機構長を持ちながら、PCI贈賄摘発でもJICA内部は旧態依然たるものがあり、大手依存の守旧派が牛耳っているのは残念至極です。
2008.08.16
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大磯町在住の友人技術士から久しぶりに電話を貰ったのですが、生来正義感に燃えた一言居士なので、色々と活動していたらしく、とても元気だと感じられました。種々の話題の中で、面白いと思ったのは「先の統一地方選挙で、大磯町議会議員選挙に出馬し、思惑通り落選した」と言う話でした。市議会と違って町議会議員選挙では供託金は不要で、選挙費用は一切掛けず、事務所も自宅として技術士の名刺を表札に貼り付け、選挙公報に抱負を述べただけで、選挙運動もしなかったと言うのです。公職選挙法では、国民が選挙(町村の議会議員選挙を除く)に立候補する際、供託金を準備しなければならない。(公職選挙法第92条)国政選挙区選出議員の選挙 300万円 国政比例区選出議員の選挙 600万円 都道府県知事の選挙 300万円 都道府県議会議員の選挙 60万円 指定都市長の選挙 240万円 指定都市の議会議員の選挙 50万円 指定都市以外の市議会議員の選挙 30万円 指定都市以外の市長の選挙 100万円 町村長の選挙 50万円 供託金は、一定の得票(衆議院小選挙区選挙の場合は有効投票総数の1/10)を獲得しなかった場合には国家に帰属する(公選法第93条、第94条)。この友人、自分の家族にも「投票しない様に!」と言明したらしいのですが、それでも144票獲得したのは、「改革メッセージを込めた選挙公報」を見て投票してくれた人達がいたのだろうとのことでした。当選ラインは500票余だった様です。何しろ、「議員には行政監視のチェック能力が問われるだけで、地域貢献の公約はあり得ない。そんな公約を声高に連呼するのは公選法違反!」と言うのですから、目から鱗です。彼は、社団法人日本技術士会の天下り官僚による不明朗経営を糾弾するべく、活動したのですが、へつらい守旧派の抵抗に会い。残念ながら除名となってしまいました。除名された技術士雌伏の時-孟嘗君の例海外技術支援でも、国際協力機構(JICA:理事長は緒方貞子女史)の企業中心ODA新設支援思惑を越えて、既存設備整備支援を行って発展途上国から感謝状を貰ったのですが、JICA内では「組織支援の足を引っ張った」と顰蹙を買ったとされています。技術士の鏡-アフリカ・ニジェール浄水場の整備地域協働の時代と言われる昨今、彼の様な「しがらみが無く、他人に良かれと活動する」人材が地方自治体でも求められているのだと実感しています。
2007.07.14
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公認会計士と企業・法人の癒着は従前からの通例の様でしたが、今回のライブドア事件でもメスが入ることになります。世界的に有名となったアメリカのエンロン事件の教訓を得て、日本でも少なからず癒着が糾弾されて来ています。ライブドア粉飾決算事件で、起訴対象となった2004年9月期連結決算の監査を担当した公認会計士らが粉飾を認識しながら加担していたとして、証券取引等監視委員会は証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で東京地検特捜部に告発する方針を固めた。告発されるのは、監査を担当した港陽監査法人所属の会計士と、ゼネラル・コンサルティング社の会計士の計2人。いずれも特捜部の任意聴取に事実関係を認めているとされる。2004年9月期連結決算を担当した港陽監査法人の会計士は、粉飾があると認識しながら、堀江前社長らの意向に沿う形で、有価証券報告書に添付する監査報告書に「適正」との意見を記載したとされる。ゼネラル社取締役だった会計士は、同期決算でライブドア側の指示を受け、消費者金融「ロイヤル信販」など子会社2社に対する架空売り上げ15.8億円を計上した際、送金手続きに関与したことが判明している。思えば、特殊法人「日本技術士会」では、2002~2003年の2年間に亘り、異様な監査報告書が出されました。特に2003年6月の事業報告には、公認会計士の監査報告書は「適正に表示されており問題なし」とされたのですが、監事報告では監事3名が各々三様に各々個別報告をし、会長見解をも添付した世にも珍しい事業報告書となりました。H監事:定款に適合し、特に指摘すべき事項はありません。I監事:適正に処理されていることを確認しました。但し、監事選挙は厳正な管理の元で行われるべきとの特別意見を添付します。M監事:適正に処理されているとは容認し難い、或いは、不整の廉が多くあることを発見しました。会長見解:全て適正に執行して来ました。M監事はその後理事に転向しましたが、翌2004年理事会総意の倫理審査告発を受け、2004年9月の臨時総会で除名処分となりました。M監事は、所管官庁審議官から天下った専務理事の傍若無人な特殊法人運営を糾弾したのですが、専務理事の勇退と相打ちと言う形で、仲良しクラブとされた特殊法人除名となってしまったのです。会長と言いましても日常勤務ではなく、常勤で権力を振るう専務理事の意のままだったのです。この顛末については「特殊法人日本技術士会の実態」日記をご覧下さいもう2年程隠忍自重して理事活動していれば、今回のライブドア教訓から賛同する理事も増えて、公認会計士糾弾から開かれた技術士会運営に結びついたのにと、非常に残念に思っています。
2006.03.30
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技術士は「技術士法」に基づいて行われる国家試験に合格し登録した人だけに与えられる称号で、現在日本全国で5万人程度の技術士が存在しています。一方、社団法人日本技術士会は「技術士法」に基づく全国を区域とする唯一の公益法人で、この技術士制度の普及・啓発を図ることを目的として、約1万人の技術士(約20%の組織率)の会員が参加しています。1951年発足以来、技術士会は技術士相互の仲良しクラブ的存在でありましたが、1983年科学技術庁(現文科省)が指定試験実施・登録機関とした時から様子が変わって来ました。1983年迄は会費主体の技術士会活動で僅か3億円程度の予算しか無かったのですが、試験・登録機関として指定されることにより10億円を超える実行予算が追加されることになったのです。その結果、本来の目的である技術士制度の普及・啓発よりも、天下り官僚が専務理事としてポストを確保し、試験登録機関としての活動を主体にしようと画策して強権を発揮し、其処にすり寄る会員のみを愛玩する社団法人に変節させてしまったのです。本来の目的を尊重し、横暴な専務理事に対抗する会員に対しては、倫理審査委員会に訴追し戒告処分とすることで、その活動を封じてしまいました。改善活動は頓挫した様でしたが、「技術士による技術士の為の改革」を標榜した監事が高得票で当選2年間監査活動することで、指導官庁も専務理事の横暴さを認め漸く退任の運びとなり一件落着となった様に思えました。その監事は前回の選挙ではライン役員の理事として当選、内部改革に勤しむことになりましたが、改革を急ぎ過ぎて会長と衝突してつけ込まれました。従前の監事活動が内部告発とも捉えられ、守旧派の逆襲を受け倫理審査委員会に付託され、除名妥当との審査結果を受け、守旧派の除名決議方案が昨年の臨時総会で2/3以上の支持をもって、除名処分が通ってしまったのです。事態は暗転、高得票を彼に投じた会員達も、降りかかるであろう災禍を怖れ沈黙したままとなり、アンシャンレジームが復古している情勢です。公開処刑の総会-特殊法人「日本技術士会」の実態 とした日記はこちらです今後どの様に動くのか分かりませんが、彼には「復権なるか否か分かりませんが今は雌伏の時、現在の理事体制が替わる迄自重し、又、幸いにして復権なった時には沈黙した会員との交流も大事にして欲しい」と言いたいのです。史記の孟嘗君列伝には、讒言から失脚雌伏し宰相に復帰した彼に助言者がこう言っています。「生ける者が必ず死にますのが、物の必至。富貴の家に士が多く、貧賤の者に友が乏しいのは、ことの当然であります。早い話が、あの朝早く市場に出掛ける人々をご覧なされませぬか。夜明けには門口に争って入りますが、日が暮れては見向きもしませぬ。朝がすき、暮は厭と言うのでは無く、買いたい物が無いまでのこと。殿様には位を失われましたれば、賓客皆立ち去りました。恨みとする程ではありませぬ。復位なった今、何とぞ客達を元のようにお扱いなされますよう。」孟嘗君は「先生の教えを謹んでお受けする。」と再拝したのです。
2005.04.02
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技術士(技術系の国家資格試験合格者)の多くの方々が国際協力機構(JICA:理事長は緒方貞子女史)を通じて、海外での技術支援活動に従事しておられます。しかし、輸出企業に勤務する技術士の方々が活動するケースが殆どで、実質的には政府開発援助(ODA:Official Development Assistance)に基づく、当該企業の海外輸出工事となって終わることが多いようです。ODAは政府の実施機関によって開発途上国または国際機関に供与されるもので、開発途上国の経済・社会の発展や福祉の向上に役立つ為に行う資金・技術提供による協力のことですが、年間予算額が1兆円に達することもあって企業中心の大型工事となります。これは従来悪例とされる、決められた年間予算の使い切りには大型工事主体とならざるを得ず、小額工事は後回しにされてしまうことになります。大型工事完了後の保守整備等は小額案件ですので、注目を浴びないことから故障しても修理が出来ず、なかなか住民が要望するきめ細かい援助になるには困難が伴う様です。そんな中、こんな状況を払拭する、企業とは一線を画した、小額にも拘わらず相手政府からも感謝される素晴らしい技術援助が行われました。個人技術士の鏡と思って紹介することに致します。朝日新聞1月5日夕刊の「世界の鼓動」欄に次の様に記載されています。アフリカのニジェールは日本の領事館さえ無い貧しい途上国。水道の専門家・松並壯さん(59)は「我が国の技術者を指導し、未解決の問題を解決し、安定した水道事業を確立する為に多大な貢献をされた」と同国から感謝状を受けた。首都ニアメーには日本の援助で立派な浄水場があるが、故障が多くて半年は使えない。松並さんがJICAから依頼された任務は排水弁の取替え等故障修理だった。8月現地に入り、故障を直したが、これだけでは解決しないと気付いた。排水路を工夫しない限り汚水の逆流がまた起こる。排水路は援助の対象外、日本の守備範囲を超えていた。個人の資格で滞在を延長し、ニジェールの技術者と力を合わせ、浄水場を修繕するという難工事を成し遂げた。感謝状には「我が国関係者の人格を尊重し、技術力を評価した」となっている。彼からの年頭の挨拶メールは下記の様に書かれていました。JICAの水道専門家として、昨年8月から3ヶ月間アフリカニジェール国に派遣されました。ニジェールは、国連が2000年に調べた資料で、世界最貧5ヶ国の一つ(平均年収250$=72円/日)です。先進諸国と異なり物と金で汚されていない多くの人々が住むニジェールは、私にとっては素晴らしい国でした。ニジェールには日本大使館がなく、成田からパリ経由往復5日を要する陸の孤国で国際情報社会から閉ざされています。おかげで嫌なニュースが耳目に入らない国での心安らかな3ヶ月間をすごしました。業務は、竣工翌年より最長半年間も稼動できなかった浄水施設の最終運転指導でした。浄水場に通う以外にすることがないので、土日も含め一日も休まず「水は命」のスローガンを掲げて改修工事をしました。その結果365日稼動できるように、更に設計能力以上に稼動する施設になりました。それは、全てニジェール人の智恵、努力と汗の結晶によりなしえた仕事の結果でした。ところが思いもかけず、帰任に際し「松並は、ニジェール人の人格と能力を認め指導し、今まで不可能であった施設の完全復旧を遂げた」とのことでニジェール政府(大臣)より感謝状を賜りました。まさに、技術士たるコンサルタント冥利に尽きるもので、そのお蔭様で、この一年が思いもかけず自分にとっては、素晴らしい一年となりました。聞くならく、ニジェールの担当大臣からは「貧しい国で何のお礼も出来ずに申し訳無い。せめて感謝状を受け取って欲しい」とのことですから、良い話で、これ以上の国際貢献はありますまい。彼が嫌なニュースと言っていますのは、彼は特殊法人改革の旗手として監事・理事を歴任していたのですが、守旧派の巻き返しにあって、この海外活動中、本人欠席の臨時総会決議によって除名処分とされてしまったのです。名誉毀損の刑事告訴が妥当と私は思っているのですが、彼は泰然自若として動きません。やはり、小事には動じない「大人」君子の様です。本人欠席の臨時総会の顛末についてはこちらをご覧ください!
2005.01.07
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平成16年9月29日に開催された日本技術士会臨時総会は、鴻門の会と思い出席しましたが、実際は公開処刑の会でした。文科省管轄の社団法人日本技術士会は、会費収入、受託・自主事業収入によって運営すると共に、技術士の試験・登録事業は、国の指定機関として運営する年間予算12億円規模の公益法人ですが、少数の改革派と多数の守旧派の争いがここ数年続いていました。審議官上がりのOBが専務理事として技術士会を牛耳り、取引業者との癒着、一部会員との不明朗な役務契約等の悪弊が蔓延っていたからでした。彼が70才を前にして漸く退任となり、文科省から新たな人物が専務理事に就任して改善が見られる様になったと、私は認識していました。しかし、昨年の理事選挙では立候補規約の改定、改革派候補者には対抗馬を充てて選挙管理を牛耳ることで、改革派は一人を除いて落選となり、守旧派が寡占状態となりましたので、改革の動きが頓挫するのでは懸念していました。案の定、守旧派のボスたる会長からは改革派理事に対し「会員が技術士会を不当処分で訴えている裁判を支援している限り理事としては登録しない」とブラフを掛けられたのです。仕方なく彼は当然の権利として当選理事として単独登記することになりました。危機感を感じた彼はフライングに打って出ました。昨年7月に偽造委任状による守旧派理事の退任・本人登記を同時並行させ、且つ8月に上記裁判の技術士会弁護人たる訴訟代理人の解任届けを代表者理事として提出したのです。その改革派理事には地道に味方を増やす様に助言したのですが、生来直情径行な性格ですから、話し合い説得による改革派増強は上手く行かなかった様です。守旧派寡占の理事会ではフライング行為が追求され、理事会名で倫理審査委員会訴追と決定されてしまいました。1. 会長委任状の偽造及び行使2. 違法な理事変更登記3. 代表者理事名刺の使用4. 訴訟代理人解任届の提出此処までの経緯についてはこの日記を参照して下さい理事会名で来状した審査請求書は絶大で、審査小委員会で全て黒判定の除名処分、倫理審査委員会で了承、会長に報告となりました。会長は今年7月末に臨時理事会を招集し、除名提案の臨時総会開催を決定しました。改革派理事の退会は認めないと言う退路を断った、改革派公開処刑を目論んだのです。私はこの訴追事項につき、会長にブラフを掛けられた経緯から1.の委任状による2.の本人登記は許されるべきだと灰色判定、3.は民法で保証され定款で禁止していないので白判定、4.は会員訴訟(被告人は元会長・元専務理事と技術士会)でもあり灰色判定で、戒告又は厳重注意程度だと判断していました。何れにせよ理事会の中で解決処理出来る事柄を、前代未聞の除名処分臨時総会開催迄持って行くことに恣意的な改革潰しの意図を感じざるを得ませんでした。臨時総会では、圧倒的多数(委任状による賛成6580名反対49名、出席者の賛成166名反対7名)で2/3賛成票4532名を凌駕し、除名処分決定となりました。私は「理事会での紛糾事項であり、総会での除名処分反対」と発言し、現理事の一人と共に数少ない反対票を投じたのですが、鴻門の会どころか将に公開処刑の会となりました。人間の生活権・名誉を奪う除名決議が、万雷の拍手で賛成出来るとは人間性を疑われ、技術士の道徳観・倫理観も地に堕ちたものだと慨嘆せざるを得ませんでした。改革派理事が海外出張中で、公開処刑の会に欠席だったのがせめてもの慰めだったかも知れません。これで守旧派の旧態依然たる王政復古は成立し、特殊法人改革は頓挫した様に見えますが、時代の要求には合致せず永続きしないと判断しています。
2004.10.03
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技術士とは技術士法に基づく国家試験に合格・登録した人に与えられる称号で、科学技術に関する高度な応用能力を認定されたことになりますが、従来、弁護士、弁理士、税理士程の知名度はありません。技術立国を標榜する我が国施策と乖離した感があり、残念な限りです。文科省管轄の社団法人日本技術士会は、技術士法に基づき1951年に設立された公益法人で、会費収入、受託事業収入、自主事業収入によって運営し、又技術士の試験・登録事業は、国の指定機関として運営することになっています。科学技術庁直轄であった国家試験の業務移転に伴う「機関」の指定経緯から、文科省の天下りポスト受け法人となり、専務・常務理事として天下った官僚OBが、非会員にも拘わらず、会の運営全てを司ることになってしまいました。名目上の会長は、技術士資格を有する会員から理事選挙で選任された理事の互選で選出されますが、理事は全て無給且つ非常勤でもあり、天下り官僚の思いのままに傀儡となり、彼等の恣意的な運営がなされることが通弊となりました。技術士会の構造改革は常勤の会員理事による運営を目指して、横暴であれば専務理事も会員の総意で罷免し、技術士本来の活動を推進することにあります。しかし、既存の運営体制を打破するのは簡単ではありません。天下り官僚は役人の常としてポスト維持に汲々とし、構造改革を評する者を徹底的に弾圧し、自己ポスト及び後継ポストの存続を画策します。運営法を誹謗する会員を倫理審査会に引き出して、会の品位を貶める者として断罪するのです。一般理事は非常勤であることもあり、全貌内容を吟味出来ず、専務理事の用意した議事案に唯々諾々と従うしかありません。天下り官僚の専務理事辞職を迫った或る会員は、倫理審査会での「厳重処分」と言う審査結果に憤慨し、「技術士でない専務理事の退任を求めるのが何故技術士の倫理に反するのか」と異議を申し立て、東京地裁に提訴・公判を続け継続中です。他の会員はその原因が彼の発言に起因した責任を感じ、監事選挙に当選後、構造改革を監査側面から進め、天下り官僚の“ふんだくり給与実態”を白日に晒しましたが、定款規定も無いので改革は進みませんでした。側面改革ではどうにもならないことが分かったその会員は理事選挙に立候補、妨害にも拘わらず無事当選し内部自主改革を進めることにしました。しかし、茶坊主が多い傀儡理事会では、残念ながら実質孤立無援の状態で、逆に理事会総意として倫理審査請求が為されることとなりました。これも現在進行形で、審査結果が注目されます。道路公団でもそうでしたが、改革派は追い払われる実態、これはどこの特殊法人でも、多分同じだと推断出来ます。このままでは、役人だけが栄えて茶坊主が蔓延り、正論は抑圧されて組織は崩れ、牽いては国は滅びると言うことに成りかねません!
2004.03.01
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