吉日ヒロコ☆Happy homeの作り方

吉日ヒロコ☆Happy homeの作り方

自分に合った男性がわからない人へ


アケミというのは、2001年に私がフランスに遊学していたとき、4ヶ月間だけ同じ学校に通っていた1つ年下の女の子だ。普段は京都に住んでいる彼女、会社の研修で上京することになり、今回私に連絡をくれたのです。

彼女は身長が154センチ(私と約20センチ差!)と小柄。
デビュー当時の原田知代のような少女っぽいルックスをしているので、幾つになっても「女の子」という呼び方がぴったりくる。
フランス好きだけあって、プチ・バトーとか、ボーダーとか、アニエスに弱く、着ているものもかわいらしい。
留学先でも、台湾出身のハンサム君からバラの花をもらったりして、結構なもてもてぶりを発揮していた。

でも彼女、生まれてから一度も男性と付き合ったことがない。
アプローチしてくれる男性はすべてタイプじゃないから断って、自分から誘ってOKしてくれる人とは、デートしても恥ずかしくて話せないから、すぐに振られちゃうんだって。

これまでは、「そのうち良い人が現れる」とのんびり構えていた彼女も、29才になって、本気で恋人が欲しいと考えるようになったという。そしてできれば結婚も…。

そうと聞いては黙っていられない私。
早速バックの中から、「恋愛&結婚出会いのバイブル」を取り出し、彼女の結婚観について、分析を始めました。

*   *   *   *   *   *   *   *   *   *   
<中華街のレストランにて>

ヒロコ
「アケミは、どんな人だったら自分と合うと思う?」
アケミ
「あのね、友だちに自慢できるような人がいいの。だから、おしゃれな人がいい。それからね、175センチ以上は欲しいな」
ヒロコ
「あ。そうなの…」

ジャスミンティーを飲みながら、シンプルすぎる回答に戸惑う私。
アケミに彼氏ができない理由。もうわかっちゃったよ!
そうとなったら話は早い。私は早速アケミに「彼氏できるぞ大作戦」を提案したのであった。

ちなみに、「おしゃれで身長が高い人」。
はっきりいって、これって何にも言ってないのと同じ。だって、誰だって「おしゃれで身長が高い人」好きでしょう。
つまり、彼女はまだ、自分の中の好みの男性像、自分に合う男性像の分析がまったくできていないのです。ちゃんと、自分の中でそういう問題と向き合ったことがないみたい。

でも、そんなこと言っては彼女が傷ついてしまう。
とりあえずは、会話の中から彼女も気付いていない、本当のタイプの男性を探ってみよう。

<飲茶セット(¥2500)を食しながらの会話>

ヒロコ
「じゃあ、アケミはどんな恰好をした男の人が好き?」
アケミ
「え? そうだなあ。別にね、これといった要望はないんだけど、ズボンの裾が短めとか、セカンドバックとかやっぱりイヤ」

なるほど、なるほど。これも予想通りだ。
アケミが彼氏に求める「おしゃれ具合」がどの程度かというのは、彼女のおしゃれ具合を見ればわかる。その中味は、前にも書いたみたいに、カワイイ系である。けっしてヴィヴィアン・ウエストウッド系とか、ストリート系とか、そういうエッジの効いた感じではないの。

彼女はつまり、そんなにはこだわってない。「おしゃれさん」が好きっていうよりも、「ダサイ君」は勘弁って感じ。だったら、「ダサイ君」を受け入れる準備ができれば、彼女の許容範囲はぐうんと広がるぞ…。

ヒロコ
「アケミは恋人におしゃれな恰好をして欲しいんでしょ。だったら逆に、服装にはこだわりのないタイプの男性を選ぶといいよ。」
アケミ
「え? どうして? だって私、ダサイ人と並んで歩くのイヤなんだよ」

ヒロコ
「あのね。アケミが『あの人かっこいい』って思うようなオシャレな人は、着るモノにこだわりがあるからアケミの好きな恰好はしてくれないよ。むしろ、アケミにこういうのを着て欲しいって要求してくるかもしれない。それでもいいの?」
アケミ
「えー。それはイヤだ。彼に色々言われるのは面倒だよ。それに私、今でもオシャレしてるつもりだよ」

ヒロコ
「でしょー! だったら、服装にはあまりこだわらない男の子と一緒にショッピングに言って、アケミの好みの洋服を選んであげたらどう? その方が楽しいし、自分好みの恰好をしてもらえるよ」
アケミ
「あ。そっか。それもそうだね。関西の男って、ほとんどセカンドバックだからさあ、もうそれだけで90%はアウトって思ってたんだけど、私がバッグ選んであげたらいいんだ。それなら、ま、いっかって感じかな」

よしよし。だいぶほぐれてきたぞ。
次は、消去法で男の人を見るクセについて、話してみよう。

アケミ
「でもね、やっぱりダサイ人はいやだなあ」
ヒロコ
「あのね。ダサイ人がイヤっていうのは、好みの問題だから別にいいと思うのね。でもね、『こういう人はイヤ』っていう見方で男の人を選んでいるうちは、恋人はできないよ。逆に、『こういう人がいい』っていうことをリストアップしてごらん」

アケミ
「どういうこと?」
ヒロコ
「例えば、アケミはちょっと落ち込みやすいところがあるから、いつもニコニコしていて、向こうから話題を提供してくれる人なんかいいと思うの。そのことを、“理想の男性人ノート”に書くのね。
すると、そういう人が現れたときに、『この人、私のノートの人!』って思って、その人のニコニコした部分に目がいくの。もしもその人がセカンドバッグを持っていても、そっちに目がいくから、そんなことは気にならなくなるんだよ。
でも、その人がとっても良い人でも、理想の男性ノートがなければ、彼のそこには目がいかずに、セカンドバックの方が気になって、もう恋愛対象からはずれちゃうの。
つまり、アケミは『こういう人がいい』っていう理想が定まっていないから、男の人のイヤなところばっかり見えちゃうんだよ」

アケミ
「あー。そっかー。私、どんな人が自分に合うかなんて、考えたことがなかったよ。私、いつも男性からの誘いをお断りするとき、『ピンとこないから』って思ってたけど、理想の男性像がなければピンとこないのも当たり前だよね。」
ヒロコ
「そういうこと! 次にデートに誘ってくれた人が、セカンドバッグ持っていても、我慢できそう?」
アケミ「本当はイヤだけど、理想通りの人だったら、大丈夫だと思う。私、今日の夜早速、ヒロコの本を読みながら、“理想の男性ノート”を作ってみるね」

アケミの顔がみるみる明るくなってきた!
実は彼女、知り合いの叔母さんから、お見合いの話が来ていたのだけど、「どうせお見合いに来る人がダサイから」と思って、断ってしまったそうだ。
でも、今日、私と話してお見合いを受けてみる決意が固まったという。

アケミ
「これまでの私が誰と会っても、好きになれなかったのは、私がどういう人を好きなのか、わかってなかったからなんだね。もう、高校生じゃないんだから、同じクラスの男の子を自然と好きになるなんて状況はあり得ないんだもん。恋するためには、自分も動かなきゃダメなんだね。
今日、3年ぶりにヒロコと会って、本当に良かったよ。なんかね、結婚諦めてたけど、来年あたり結婚できるような気がしてきた!」

ヒロコ
「じゃあ、175センチ以上とかいうのは、どう?」
アケミ
「ニコニコしている人なら、多分気にならないと思う。そう思うと、168センチくらいなら、良い人は結構いるんだよねえ」

よしよし。アケミが恋愛&結婚について前向きになったぞ。嬉しいー。
とりあえず、アケミが“理想の男性ノート”を作って、私たちの本を読んで(←プレゼントしたの)くれることだけでも、彼女のなかの結婚に向けてのステップは、だいぶ進んだんじゃないかな。


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