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最近 歳を取るとどうなるのか気になって、高齢の方が書いた本などを集中的に集めて読んでいます。その走りとしてまどみちおさんが書いた「百歳日記」を読んで、感心したことがありました。まどみちおさんは「ぞうさん」や「ありさん」などの詩を書いた方です。その方が100歳を迎え、どんな心境でどのように過ごされているのか、関心があったからです。 それに引き継いで20冊以上購入して次々に読んでいます。古い本を探して買うのにネットで注文できるブックオフは便利で、しょっちゅう利用しています。実は今年だけで、漫画も含め130冊以上と買い過ぎているのですが・・・。 高齢になってどのように過ごすか。それに関する本かなと思って読んだ本で、良かった本と、まったく参考にならなかった本がありましたので書いてみたいと思います。 最初は赤瀬川原平氏の「老人力」という本です。読み終わった方たちの評判が良かったので購入したのですが、私的にはまったく無駄でした。老人になって物忘れや、繰り言を繰り返すなどボケや体力が衰えることを、老人力として言い直しているだけで、それに対応する話ではありませんでした。ボケてくるのを素直に認め、それを老人力と言い直せばいいという内容。開き直りでしょう。それはそれでいいのかもしれませんが。 面白いなと思ったのは五木寛之氏が書いた「退屈のすすめ」という本でした。まだ高齢ということではありませんが、日常の忙しい1週間の中で、週末をどのように楽しんで気分を維持していくかという内容でした。 ただ寝て過ごすということでは、緊張と弛緩の差があり過ぎて、脳が対応しきれない。別の楽しみで適度に気分転換するのがいいということでした。車を愉しむというのもありましたが、中には自分の体を全裸で鏡に映して観察し、変化を思考するというのまでありました。 私が感心したのは、美術館の楽しみ方です。すべての作品を批評家のように鑑賞するというのではなく、もし自分が大金持ちで自由に買えるとしたらどの作品を買うか、または泥棒になって1点だけを盗むとしたらどれを盗むか、その美術館のオーナーが知り合いでどれでも好きな作品を1点くれると言ったらどの作品を希望するか。そういう観点で作品を見ると、見方が見方が変わるというのです。 同じようなものの見方がオペラ鑑賞やバレエ鑑賞などでも披露されていました。 世の中のものを、どのような観点で見て想像して楽しむか。空想して楽しむ。それを進めると寝ているときに夢まで自分の思い通りになるというのです。 私がこれまで生きてきた中で、自分の架空の姿を自由に空想するということはしたことがありませんでした。それが五木氏は子供のころから空想を楽しんでいたらしいです。それだから小説家になれるのですね。人にはいろいろ才能があるのですね。だから興味の対象も千差万別・・。
2023.08.15
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今日も暑いです。日中の暑さは仕方がないですけれど、夜もずーっと30℃以上で熱帯夜が続いています。これがつらいです。クーラーをつけっぱなしで寝るのですが、風が当たって寒くなりすぎたり難しいです。 最近読んで感心した本をご紹介します。青山美智子さんが書いた「お探し物は図書室まで」という本です。青山さんは「木曜日にはココアを」という本で賞を受けてデビューし、そのあと毎年出版して2018年には「猫のお告げは木の下で」、2019年に「鎌倉うずまき案内所」、2020年7月に「ただいま神様当番」、同年11月に「お探し物は図書室まで」その後もいろいろ出版されていらっしゃいます。 最初に読んだのは「猫のお告げは木の下で」という本で、結構面白いなと思ったものです。図書館で借りて読んだ本ですから、ついでにほかの本も読んでみようかと、検索して一連の本を読んできました。人気があるようで本を借りるのに順番待ちをかなりしましたけれど、それなりの価値はありました。 そうした本の中で今回読んだ「お探し物は図書室まで」という本は、かなり良かったというか自分の考え方の為になりましたのでご紹介してみたいなと思ったものです。 内容は5人の人のそれぞれが抱えた悩みを、コミュニティハウスの奥にある図書室を訪れて、本を紹介され、不思議に解消していくストーリー。(1)パソコンもできない、家の中も片付けられない女性、(2)経理部で働いているけれど夢は骨董店を開きたいと思っている若い男性、(3)ばりばり働いていたが産休で復職したあと閑職に回され悩んでいる女性、(4)30歳のニートの男性、(5)65歳で定年退職したあとやることのない男性。 それぞれに出かけて教えられて図書室に行き、不思議な司書に出会い、要求した本とともに別の本も進めてくれる。さらにおまけにフェルト細工をくれる。フライパン、猫、地球、飛行機、カニ。そうしたものが、物語とどうつながっていくのか、悩みがどう解決されていくかとても面白いですよ。 自分のブログを見直して、過去に読書の感想も書いていたことを見直して、今回書き込んでみました。自分のブログをみなしてみるのもいいものですね。
2023.07.18
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図書館から「もしあと1年で人生が終わるとしたら」という本を借りてきて読み通しました。著者はホスピス病棟に勤務し院長となり、在宅クリニックを開業して、これまで3500人以上の患者さんを看取ってきたお医者さんが書いた本です。この本を出す前に「今日が人生最後の日だと思って生きなさい」という本を書いていらっしゃいます。 最後を看取った方の中には、バリバリと働いていた人が突然のガン宣告で余命一年と言われた方の心境の変化や、衰弱に寄り体が動かせず、下の始末も自分ではできなくなった方など、人生での大きな変化を受けた方の生き方を述べられていました。 多くの事例を紹介され、その中でご自分の心構えや、生きていく中での考え方などを書かれています。そのなかで私が感じたことは次の3つでした。 1人称の幸せと2人称の幸せ。自分が幸福と感じることで頑張るが、自分だけの幸せでは後悔する。自分の苦労が他者を幸せにすることが出来たと感じられれば、自分の人生の大きな喜びになる。 世の中は理不尽である。努力すれば報われると思っていると現実とのギャップで苦しんでしまう。努力は報われなくても、人生に無駄なことは何一つない。努力した事実は残る。 自分の過去でどんなに失敗しても過ちを犯しても、自分はその時を、一生懸命生きてきた。こんなに楽しい思い出があった。感動した瞬間、愛されていると感じた瞬間。趣味で喜びを感じた瞬間。それらが生きてきて良かったという思いを呼び覚ます。 上の3つは本文の文章を抜粋したものではありません。要約し自分なりにこういうことかなと解釈して書いていますが、これからの生き方にも参考になると思うのです。 私はまだまだそう簡単には死なないと思います。もし、余命あとどれくらいと告げられたら、焦って落ち込んでしまうかもしれませんけれど。でも今は自分の好きなことを楽しんで、これからも生きていけばいいんだとのんびり過ごしています。死期が近づくと栄養が摂れず衰弱し、それに応じて感覚もマヒしてくるそうです。その時はその時ですね。 興味のある方は読んでみてください。
2023.01.14
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今日は快晴ですが、強風が吹き荒れて棚から植木鉢が落ちていました。午後になっても止むことなくこの分ですと一日中吹き荒れていそうです。こう風が強いと出かける気にならず、一日中居間で人形作りやナンプレ(数独)をやっています。 昨日、機会があって久しぶりに本屋に入ってみました。並んでいる本もずいぶん印象が変わりました。その中でシニア世代向けの棚があり、そこにあった「脳活まちがい絵探し」という本に目が止まりました。 よく新聞などで2つの絵を見比べて、違っている個所を数か所見つけるという問題が掲載されています。日曜版などで見かけます。そうしたまちがい絵探しの本でした。価格を見たら550円。120問掲載されていますので、一問5円弱。同じ人が絵を描いているのかと思っていましたら、ほとんど違う人が描いていました。それで絵がバラエティに富んでいるんですね。 ナンプレ(数独)とは違った頭の働きが必要そうで、以前新聞に掲載されている問題を家族で行ったとき、私だけが見つけられなかったことを思い出し、こうした問題を解くのに慣れていた方がいいかなと購入しました。 早速昨日から少しづつ挑戦してみていますが、どうしてもあと一つが見つからないということが続いていて、回答を見てああ、こんなところにあったのか、何度も見ているはずなのに、言われてみればそうだなと思うのが癪に障ります。私は微妙な空間の違いに弱いようです。 そのうち、違って描くパターンが分かってきて、もう少し早く確実に見つけられるようになるだろうと、期待して少しづつ行うことにしました。 たまには古本屋だけでなく、新本が並んでいる本屋さんにも立ち寄ってみるものですね。
2022.12.23
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最近読んだ本で知らなかったなあと改めて思わされたことがありました。私は下町で育って農業というものを知りません。それでからかもしれませんが、田植えの意味を富山和子さんの書いた「日本の米」という本で初めて知ったのです。 この本は1997年に書かれたかなり古い本で、日本の国土開発は米作りに伴って行われたというのが、この本の主題です。農業地帯に張り巡らされている農業用水の確保と工夫。それが大変だったのだなあとよくわかります。そして棚田の保存が国土保全に重要という事も改めて知りました。 その主流の話とは別のことで私がそうだったのかと思ったことは田植えのことです。稲の種を別の所で育てて、それから田植えをして育てる。日本の農業の当たり前の風景ですが、世界の米作りではそんなことはしないで、直接種をばらまくという事が主流なのだそうです。 それでは、日本ではなぜ田植えなどという面倒な作業をするのか?それは雑草取りを容易にするためだったそうです。田んぼに稲の種を直播すると、一緒に生えた雑草を取り除くが大変。 それで苗代である程度育てて、田植えをすれば、雑草取りや刈り取りなど後の手入れが楽になり、その結果収量も上がるからだそうです。 こんなことは、この本を読むまで知りませんでした。そのほか刈り取った稲の束を天日に干すための立ち木として樹木を等間隔に植えた。それであの風景が生まれていたのですね。今はそうした風景もなくなってきているようですが、知らなかったことがたくさんありました。 他にもいろいろ知らなかったことがありそうなので、この方の著書をもう少し探して読んでみようと只今購入中でもうじき届くと思います。そこにはどんなことが書かれているのでしょうか。楽しみです。
2021.10.18
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ブックオフで古本を注文するついでに検索していましたら、プロジェクトXの本が偶然見つかりました。テレビでは時々見るのですが、本になっているとは知りませんでした。 シリーズがたくさんあり、その中で前にテレビで見ていた内容の書いているを中心に数冊買いました。 その中で真っ先に読んだのがこの12巻で、その中にはカップラーメン誕生の秘話から沖縄で大発生して野菜を危機に陥れ本土にも上陸の恐れがあったウリミバエ根絶の話などとても興味がありました。 カップラーメンはインスタントラーメンの激戦からカップ麺を作り出す苦労。当時は発泡スチロールの薄いカップなど無かったのです。紙コップでは熱湯を注ぐと形が変形するし第一手で持てない。そんな状況を解決するために、開発中であるある素材を試して開発されたという。さらに中に入れる具材のエビも2500種類のエビの中からインド洋で採れるエビを見つけるまで、さまざまなエビを冷凍乾燥させて、元に戻るか試したという。そのほかにもいろいろな苦労が重なっていた。 ウリミバエの話は、沖縄まで南下してきた害虫を、ここで食い止めなければ本土の野菜生産も大変なことになっていたらしい。他の国で、ウリミバエが大事になっていないのは天敵が適当に居て、大発生をしないからだという。その事態に発展することを本土復帰を目の前にして、何とか防がなければならない。そのために一縷の望みを託したのがウリミバエを人工繁殖させてその蛹にコバルト60の放射線を当ててオスの精子を殺し、それを自然界に放つという構想。 ウリミバエの生涯(2~3か月)に1日匹のメスが産卵する卵胃の数は1000個。卵から成虫になる期間がわずか1か月、わずか1年で天文学的数字になってしまう。それを阻止するため毎週100万匹の蛹を生産して、コバルト60を照射し、それを沖縄全島に散布する。その中には米軍基地もありその交渉も大変だったという。 こんな知らなかった話が他にもたくさん掲載されていました。題と簡単な内容だけ記載しますと、通天閣熱き7人(通天閣を民間だけの資金で再生させた話)アンコールワットに誓う(カンボジアのアンコールワット遺跡の復活に努力した日本人)医師たちは走った(国民皆保険が始まる前の貧農農村の医療体制を確立した話)、謎のマスク(3億円事件の犯人を追う鑑識課の話) ほかにも追加したのも含めて6冊ほど購入しましたので、おいおい読み進めていこうと思っています。先日、中村哲さんの砂漠に用水路を作った話を見たばかりで、すごい人がいるなあと感心していたのですが。規模は小さくてもすごいことをやっている方がたくさんいらっしゃるのを改めて感じた次第です。
2021.03.31
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今から数十年前、どこかのデパートで絵本の原画展を見たことがあります。その時に見た原画に衝撃を受けてその絵本を入手したいと思ったのですが、その時はもう入手できませんでした。絶版になっていたのかもしれません。 それから数十年たって、再度絵本に興味を持ち始め、そうだあの時の絵本の題名は何だったのだろう。今なら古本になって出回っているかもしれない。しかしどうやってその本の題名を調べればいいのだろう。 それからネットで絵本を販売している店を探し、そこでかすかな記憶を頼りに、こんな絵が描かれていたはずという絵本を探し当てました。それがこの「だいちゃんとうみ」という絵本でした。 物語に感動したということではなく、そこに描かれている海の透明感です。この船の手前の波のゆらゆら感と深さ、そこから少し中間に目を移しての波のきらめき、さらに遠景の広々とした広がり。絵本ではサイズに制限されて印刷されていますが、原画はそれよりかなり大きかったのです。船の近くのゆらゆら感のある部分だけを写真に撮ってみましたが、うまく撮れませんね。それと砂浜に立った時の足元の透明感。 こういう絵に感動した絵本がまだあった気がするのですが、その絵と題名が思い出せません。そのうちにまたどこかで出会えるかもしれません。 今回この絵本に出会え、入手できたことが素直にうれしいです。しかし、うーん、あの感動した絵はどんな絵だったっけかなー。またしばらく思い返してみようと思います。人それぞれに想い出の絵本というものがあるのでしょうね。私の小さいころには絵本などはなかった気がします。はなさかじいさんとかの昔話くらいだったかな?
2021.01.19
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今月に入って40冊を超える本を購入しさらに図書館から借りて読んでいます。まだ全部は読んでいないのですが、その中で気になる本を先に読んで、最近になく感心した本がありましたのでご紹介します。 その1冊はケリーターナー著の「がんが自然に治る生き方」であり、もぅ1冊は三宮麻由子さん著の「目を閉じて心開いて」です。 がんが自然に治る生き方は、同う経緯で興味を持って手に手元に置いたのか思い出そうとしてもわからないのですが、その中を読んで衝撃を受けました。がんになったら手術して放射線を照射して、抗がん剤を飲むしか治す方法はないと思っていたのですが、ここに記されている事例は、重度のレベルにいった患者が、食生活や心構えを変えて寛解した事例なのです。 がんになったらいやだなあと漠然と思っていたのですが、この本を読んで、こうした生活に近づけておけば、がんにならないかなと思ったものです。 こうした本に興味を持って、同じような本を探したら、食事は3食取らないで、時々食事を抜き胃を休ませるという健康法があることがわかりました。常識的には朝の食事が重要だというので無理して少しでもも食べていたのですが、3食が重要なのは働き盛りの人たちであって、年齢や生活に応じて、食事のとり方が違ってもいいのではないかなと思い始めました。 次の「目を閉じて・・」の本は三宮さんの書いた本で、三宮さんは4歳の時にシーンレス(全盲)になったからです。その方の文がベストエッセイ集に載っていたので、どんなことを書かれる刀だろうと今日にを持って探した本の1冊です。 そこにはいろいろなことが書かれていていました。視力を失った世界で見つけた光。シーンレスの方の独特の世界が展開され、前向きに取り組まれている姿は、多くの方に生き方の参考になるのではないかなと思われました。 それぞれの本の下に置いてある本は、同時に入手したり、評判を見て実物を図書館から借りて確かめた本です。 蕪村の本は、三宮さんが蕪村の俳句を動画的に読まれている素晴らしい俳句だと絶賛されていたので、どんな句だったけかと確認のため購入したものです。「菜の花や月は東に日は西に」という代表句から見ても確かに雄大な景色が浮かびますね。 オーケストラの105人というのは絵本で、オーケストラの構成員が、オーケストラに集まるまでの1日の様子をそれぞれの人の過ごし方を男性女性とそれぞれ取り上げたものです。奏者がそれぞれの自宅で風呂に入って着替えて、家族に出かける挨拶をして、電車やタクシーなどおのおのの移動手段で会場に集まり、音楽を演奏する。その様子を描いたもので、家に飾っているなど評判が良かったのでどんな本か図書館で借りて中身を確認したのです。 古本でもそれほど安くないので、中身を確認してからと思ったものです。一読してウーンと思い家族に見せた印象でも、あまり反応はありませんでした。評判はともあれ自分で確認したほうがいいなと思った1冊です。感想は人それぞれですね。
2020.09.19
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昨年アフガンで暗殺された中村哲氏の書かれた本を2冊読みました。それまで知らなかった方でしたが、この2冊を読んで、すごい方だったのだなととても感動しました。 アフガニスタンの無医村地に医療を行うため渡り、そこで活動された医師で、そのさなかに引き続く大干ばつ、さらにタリバンの政権とアメリカやロシアなど外国の干渉や内紛で大量の難民が生じるさなか、政争にかかわらずただ農民のために水を確保する。 この本を読むまでたんに井戸を掘るだけではないかと日本の状況を思い浮かべていたのですが、とんでもない話でした。なんと深さ60メートルに及ぶ井戸だったのです。しかもその地盤が日本のように土ではなく沢庵石のようなごろ石、中には子牛のような大きさの石まで・・。井戸ですからそこにぶつかればそれを避けるわけにはいかない。まっすぐに掘らなければいけないのです。 これを日本人スタッフと、現地の人たちを面接して雇い、技術を習得しながら掘り進めたのでした。外国のNGOが掘った井戸はすぐに涸れてしまう、それを深く掘りなおしたり、新たな必要な場所を検討して掘り、完成した後も現地の人たちで直せるように技術や用具を置いて行くなど、本当に現地のためになることを進めたのでした。外国のNGOは目立って宣伝になる所にしか作らない。しかし中村さんは交通不便でも本当に村落に必要なところに村民と話し合いながら作っていったのです。その個所数626ヶ所。機械力に頼らす人力で掘ったとか。それが一番効率的だったようです。 それが2001年発行の医者井戸を掘るの内容でした。いまから20年も前。そしてそれでも根本的解決にはならないとその後に用水路を掘ったのです。これで数百万人の現地の人が生活できるようになったのです。 私が感心したのはその業績もさることながら、現地の人たちの賛同を得ながら人力作業の動員を図りそれを機能的に動ける組織を作り上げていったことです。規模が大きくなるにしたがって車やトラックなどさらには重機を調達していく。 その支えをしたのが日本での募金活動だったと言うのです。募金だったから国などの補助金と違って面倒な報告書類を作成することなく、スピーディかつ効率的に現地対応が可能になったというのです。 こんなすごい人、アフガニスタンに貢献した人がなぜ現地で暗殺されてしまったのでしょうか。本人と確認して殺害したようですからなんとも理解がしがたいです。いやー、世の中にはすごい人がいるものですね。
2020.01.30
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毎日が日曜日だと、いろんなことが出来ます。それでミニバラ栽培や紙粘土細工などをやっているのですが、本もいろいろ読んでいます。 最近は図書館がとても利用しやすくなりましたので、気になった本は予約して、ほかの図書館からも取り寄せてくれて届けばメールで知らせてくれるのです。しかも1回で10冊まで借りたり予約が出来ますから、とても便利です。借り出し期間は2週間。その間に読みきれる量で無ければいけません。他の人の次の予約が入っていなければ延長も出来ます。 そんなわけで、いろいろ借りては読み飛ばしています。読むのはエッセイ集でこの本は面白いと紹介されているのを、どれどれどんな本と実物を見るために借りることが多いです。そのほか古本をネットで購入するとき、その感想が書かれていますので、それも参考にします。 最近読んだ本は「名将言行録現代語訳 岡谷繁実」「気づきの力 柳田邦男」「世相講談 山口瞳」「庶民列伝 深沢七郎」その他。 これらのどの本もエッセイ集のそれぞれの文章の中で紹介されていたもの。 最初の「名将言行録」は江戸時代の武将達の言行録で総量が膨大でとても全部は読みきれません。そこでよく知っている織田信長、豊臣秀吉あたりが載っている巻を借りて読みました。内容はドラマによく出てくる事象が書いてありましたが、中に秀吉がまだ信長の草履取りになる前に仕えた武家の話が載っていました。この武家に仕えたのですが奉公人の能力を見極められない主人だと見限って、そこをすぐに辞めてしまったことが書いてあったのです。秀吉は上司の能力も見ていたのです。 それ以上に感じたことは、信長やその他この時代に生きていた武将達は、はかりごとをめぐらして、対立する武将達を謀殺しなければ、自分が危ういという時代だったのであり、それに比べると現代は幸せだなと思ったことでした。 次の「気づきの力」はたくさんのエッセイが書かれているのですが、その最初に掲載されている文が好かったです。「最近の若者は〇〇だ」という文章をいろいろの世代の人に示して空欄を埋めてもらうという内容からスタートします。それからいろいろな展開がなされ気づきの力の再認識をしていました。この本は図書館から借りたのですが、蔵書にしておきたいと読み終わったあと、古書で再度入手しました。 「世相講談」と「庶民列伝」は、エッセイ集では薦めていたのですが、古書の評価ではいまいちでした。それで図書館から借りて、一読を始めたのですが途中でいやになり飛ばしました。こういう本もあるのですね。 図書館に行くとたくさんの本がずらりと並んでいます。もともと長編小説は好きでは無いので、エッセイ集などを選ぶのですが、すばらしい感性の本と、グダグダだらだらと単に会話を並べた内容もあります。なにを伝えたいのかさっぱり分りません。こんな内容でも本になるのかと驚いてしまいます。 まあ、読む人それぞれに好みが違って、これを好いという人も居るのでしょうね。目が悪くならないで読めるうちは少しづつでもすばらしい本を探してみたいと思います。
2018.02.09
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とと姉ちゃんのお話に触発されて、古い暮しの手帖を図書館から借りて読んでいます。その中で面白いものを見つけました。 昭和25年に発行された第10号の記事で、買い物の手帖というページです。 「このページには、便利なもの、美しいもの、根の割合に安いものなど、毎日の暮らしに役立つものをえらんで紹介してみました。(三越本店調べ)」と説明書きがされています。 そこに電気洗濯機が紹介されていたのです。 「主婦の夢であった電気洗濯機がなんとか倹約すれば、貯金や賞与で何時かは変えそうな値段で出て来たことがうれしい。いつかは備えたい。1万8500円」 この洗濯機の形ですが、皆さんはどんな形を思い浮かべますか。私は洗濯機といえば四角いものと思っていたのです。 そういえば開発された当時の洗濯機はこういう形だったと、なにかのカタログで見たことを思い出しました。 それにしても現代の洗濯機とはずいぶん違っています。65年経つとずいぶん進歩するものですね。自分が生きてきた時代ですが、こうした記事を読むと現代の我々の生活はずいぶん豊かで便利になったものだなとつくづく思います。
2016.08.27
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NHKで放送中のとと姉ちゃんを毎日録画して見逃さないようにしています。最初のころはどうでも良かったのですが、話の中のあなたの暮らしという本が実際に出版された本でその経緯がとても面白く、実物を見たくなりました。 早速実物を手に入れるべくヤフーオークションを見たところ、同じような思いを持った人が多かったのでしょうか。第1号が予想もしない高値になっていました。その後も続々と出品されていますのでそのうち落ち着くことでしょう。(幸いなことに1号は表紙は少し破れていますが本屋さんのご好意で入手することが出来ました。) それなら図書館に無いかと探したところ、予約すれば見ることが出来るということで1号から20号までを予約しました。そのうちの11号から15号までは見ることが出来ました。また古本で30号から60号くらいまでは入手しどんなことが書いてあるのか順番に楽しみに見ているところです。 番組の中で1号が出たあと、売れ行きが落ちてきた次の号の目玉として「平塚らいてう」の寄稿を執るという物語がありました。そこで取れた記事が「原始、女性は太陽であった」という啓発の記事ではなく「ゴマじるこの作り方」でした。取材に当たった鞠子はらいてうの「人の考えは変わるものよ」という発言を受けて、鞠子も結婚にふみきりましたね。 この平塚らいてうの記載が実際にも暮しの手帖4号に初めて記載されたのだと思っていましたら、手元に入手していた索引ではすでに2号で「陰陽の調和」という随筆で記事を書いていたのです。だとするとあの番組での鞠子の苦労は実際は少し違っていたのかもしれません。それとも寄稿は受けていても担当者が偏屈で、やはりあらたに寄稿を受けるには苦労したのかと思いながら、物語は面白く作るものだなた感心してみています。 届いた暮らしの手帳の古い記事には、今で言うドールハウスの原型とも言うべきミニチュアの話が「てのひらの上の金閣寺」と言う題でその製作過程が第12号に、「指の宝石よりもちいさな花」という題で、白羽二重をポンチで打ち抜いて作った直径5ミリほどの花のいろいろな花束の製作過程が第13号に、第14号には「指の先にのる可愛い人形」という題で、30番の針金を使った身長2センチ2ミリの江戸の風俗を現した人形が紹介されていました。 明治時代の超絶技巧で作られた品物は美術館などに残されていますが、こうした庶民の遊びの品物は技術の断絶や時代の流行の変遷のうちに消えてしまうのだなと思いました。これが昭和25年の出版のころの記事でした。自分がまだ小さかったころのことですので、とても興味を持って読むこと出来ます。これから読むことが出来るであろう他の号にはどのようなことが書いてあるのか順番がくるまで楽しみです。
2016.08.21
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やっと9月になりました。きょうは雨もあがり9月らしさを感じられました。 バラもクレイ人形作りもそれほど進みませんので、今日は今読んでいる本の感想とそれに関して調べたことです。 今、読み始めているのは、天佑なりという高橋是清の生涯を描いた本です。先日NHKでも是清の生涯をかいつまんで紹介していました。それと前後して、以前取っていた新聞小説の切抜きを整理したら偶然にも天佑なりだったのです。 8月15日の終戦記念日を中心に始まったテレビの戦後の回顧番組を見るにつけ、なぜこうなってしまったのか、その原因が気になるようになったのです。その過程で日清戦争(1894年(明治27年 ))と日露戦争(1904年(明治37年))の戦勝によってロシアが持っていた満州の権益を日本が獲得するとともに、軍部の増長を生み、その後起こった世界恐慌(1929)で東北農民の新たなる耕作地を求めて満州に進出していったということが理解できてきました。 でもこの日清・日露戦争で重要な役割を果たした大日本帝国海軍の軍艦はどのように製造されたのか。それが気になりました。明治に開国してまだまだ日本の産業技術はこれだけの巨艦を建設できる技術は持ち合わせなかったはずです。 事実、この二つの戦争で戦った主要な日本の戦艦はフランスとイギリスで作られたものでした。ではその戦艦を購入するお金はどうやって調達できたのでしょうか。戦後に賠償金を取得できたとしても、その前に戦艦は建造しなければなりません。高橋是清が調達した日本国債の発行も、戦費調達で戦艦はすでに建造されていました。 明治時代の主要輸出産業を調べたら、それは生糸でした。富岡製糸工場が明治5年(1872年)に創業したことにより、それまで中国から輸入していた絹が、逆に世界に輸出できるようになり、日本の主要産業になり、さらに製鉄、造船業の発展にも貢献してきたのです。 シルクロードが残るように、ヨーロッパの貴族社会でもてはやされた絹。それが明治になって日本から欧州やアメリカに送られるようになったのです。 天佑なりの主人公、高橋是清はこうした時代背景の中で生きていたのだということがわかると、また読み方が変わってきました。幼いころから英語を習う環境にめぐり合い、それから波乱万丈の生涯を経験する。改めてこの物語の面白さと主人公の積極的な生き様に感心しているところです。 それと自分で調べた、軟らかい絹と硬い戦艦との関係。これは自分で勝手に解釈した時代背景で、どこかに書いてあったわけではありません。でもあたらずとも遠からずとその因果関係を考察しているところです。
2015.09.01
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