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ゆのさんのボーイズ・ラブの館
10・・・芽桜
「・・・はぁ・・っ・・・・」
大きく吐息を漏らすと、体の力も一緒に抜けていく
これで何度目・・・?
一度・・・二度・・・何度数えても同じ数字をばかりを繰り返している
頭の中に靄がかかりそこから先を数える思考ができない
いつからこうしているんだろう・・・
こんな行為こそ嫌悪していたはずなのに
恥もなく嬌声をあげている自分がいる
両親や、義兄に対する罪悪感さえおぼえながら抱かれている
むしろ求めているのは自分の方ではないか・・・?
大き割り開いた足を高原の体に絡めている
「・・あ・・ぅ・・」
喘ぎ声さえ出させてもらえない
日樹の唇に高原の唇がピタリ合わさり塞がれる
吸い付くように貪ぼり求めあう
それが長く、激しく、強く
わずかに開いた隙間から、どちらかのものか知れず合わさった
唾液がつーっとこぼれると
高原の指がそっとぬぐっていく
重ね合わせた肌の体温の差が
一人でなく二人でいることを実感させる
少し熱を帯びた高原の体は
日樹の白く細身の体とは対称的で
小麦色の焼けた無駄のない筋肉質の体
その胸は日樹の体をすっかり包み込むほど逞しい
その腕の中にいるとなぜか心が安らいだ
「ん・・・っ」
長い接吻からやっと解放される
だがすぐに次の束縛に捕まるのだ
唇から首筋に移ったそれはゆっくりと落ちてくる
「・・・諸藤・・・」
耳元で一度囁かれ
日樹の入院中、高原は毎日のように見舞った
償いだから・・・
誠実な高原だからこそそうせずにはいられなかった
何を話すでもない
日樹のベッドの傍らに許された時間をじっといただけ
学年も違えば、部活の練習中にもたいした会話などしたこともなかった
日樹が事故に遭ってしまったのは
部長の自分が陸上部をまとめられなかったからだと
そう思えてならなかったのだ
「・・・たか・は・・・・さ・・・んっ・・」
高原の唇は日樹の小さな胸元の突起に達していた
「・・あん・・・っ・・・」
ピクリと日樹の背がしなる
走ることを捨ててしまった日樹は体を持て余していた
だからどんな小さな愛撫にも順応してしまう
だが高原の目当てはそこではない
がっしりと大きな手のひら
高原の指も
唇と一緒にそれを求めることをやめない
さらに日樹の柔肌を這わせる
高原の吹きかける熱い息がいつもと同じ道筋をたどりながら
日樹の体を下肢へとむかっていく
揺れる黒髪、その髪と揃いのくもりの無い正義の瞳
見つめられるだけで射抜かれる
「・・・きれいだ・・・」
「・・いや・・だ・・・見ない・・で・っ・・」
上体を起こし、日樹の体を足元からゆっくりと順に眺め上げる
綺麗だという言葉は女に対して使う言葉かもしれない
しかし日樹の体はその言葉に全く見劣りしない
均整のとれた体、細い腰、引き締まった長い足
中性的な容姿の日樹とはいえ
すでに勢いよく形を変えている高原と同じものを持ち合わせ
早くも弾けたがっている
高原のそれは、慈愛する場所を変えるたびに
その潤んだ先端を日樹の体のところどころ敏感にタッチさせる
その度、日樹は腰をうねらせる
「・・やっ・・・・は・・あ・・んっ・・・」
淫らな声色は自分ではないように思えた
あまったらしく泣く
そんな表現がぴったりだった
身をよじらせ、言葉で嫌だと言いながらも
体はもっと深みを、刺激を求めている
ベッドのシーツも波打ち、枕などとうに役目を放棄している
何かにすがりたく日樹の指はさまよう
巧みさよりも激しさが勝る高原の愛撫
ぎこちなくてもなぜか優しさを感じる
自分の欲望を満たすよりも
どこかに相手を思いやりながらの行為は
『愛している・・』
そんな言葉よりもよほど信憑性がある
そして足の付け根まで降りてきた高原は
あいさつ程度に日樹のモノをくびれまで口に含む
「・・・!?・・・んっ・・」
日樹はビクンと体をよじらせる
熱い舌で弧を描くように舐めずられる
だが高原の求めるものはそれではない・・・
窓の外はもうすっかり闇と化している
“自分さえいなくなれば・・・もう誰も傷つかない”
そんな思いだった
もう何にも関わりたくない・・・
関わらなければ何も起こらない
それにこんな孤独にはもう十分慣れていたはず
自分が退部すれば陸上部の人間は
何に気遣うことなくやっていける
ただ、部長の高原にそうはいかない
事故の責任を感じている以上、日樹が退部となれば
益々心を痛めることは明白
ならば部をはなれても高原のそばにに身を置くことを代償にすればいい
入院中で見舞ってくれた高原と過ごしたわずかな時間は
とても居心地が良かった
もしかしたらもう一度、人を信じることができるようになれるかもしれない
そんな気持ちにもしてくれた
だから・・・
日樹の胸のうちを感じ取ったのか
次の行為へ移るためか
高原はそっと日樹を解き放つ
「・・・・たか・・・」
高原が求めていたもの・・・
それは日樹の足
そしてその左足の大腿部に20センチほどある縫合傷をそっと端から端まで
ゆっくり触れ撫でる
それこそが高原にとって最も愛しいものだ
「あっ・・・」
「オレはここが・・・好きだ・・・」
一度は栄光をともに手に入れた
出来ればもう一度その手を飾りたかった
高校生活最後の夏を、もう一度一緒に走りたかった・・・
高原のその願いは叶うはずもない
どんなに願っても、傷は消えない
あの日の日樹の足には戻らない
高原は
『辞めるな、完治したらまた走れよ』
日樹にそう、言うことが出来なかった
だから・・・
「諸藤・・・覚えてるか?・・・」
「・・・・」
高原は恐らく去年の夏の大会のことを言っているのだろうと
日樹は察する
西蘭を転校してこの西星高校に入学して始めた陸上
顧問が声を掛け日樹を誘ってくれた
最初は過去を忘れるために
夢中になれる何かが欲しかった
走っているときは何もか忘れられた
タイムレコードが更新されるたびに
爽快だった
自分の努力が成果となって得られる実感がたまらなかった
やがて自信になり空っぽの心を埋めていった
体力の差で長距離選手は無理だろう
短距離むけの体だと
そして高原と組んだメドレーリレーがことのほか
良い成績を残した
だが栄華はそう長くは続かないのだと
始まりがあれば、いつか終わりがくる
走ることを断念する日が訪れ思い知らされた
「・お願い・・きて・・・」
高原を求めてしまう自分
だが言って、心でその言葉を打ち消した
きっと今日も無理だ・・・
受け入れることはできない
初めてだから
痛みを伴うから
高原の体格に比例する大きなものを咥え込めないから
そんな問題じゃなかった・・・
今度は大丈夫だから・・・
そう何度も試してそのたびに高原に嫌な思いをさせてしまった
あの時の記憶がまだ残っているから・・・
恐怖と悲しみ、裏切り
だから体が拒んでしまうせいで
高原をいまだに受け入れられない
日樹は高原の手を引くと
自分の方へ導き、同時に今度は自分が高原の上に被さった
最後はいつも高原に自身の始末をさせてしまう
高原はそれをとがめたりすることもない
その姿を見るのが切なくて
そう思う時点で日樹はもう高原に別の感情を抱き始めてることを
自覚する
そして高原は、自分の思惑を全て承知の上でこうしてくれているのかもしれないと
思わずにいられなかった
「・・口で・・・」
伏目がちに伝えると、今度は日樹が高原のものを咥え
決して器用にとはいかない奉仕をはじめる
「・・・くっ・・・」
高原が低く声を漏らす
いつも高原がしてくれるように
日樹は高原に尽くす
時折漏れてしまう
水気を帯びた音が躊躇いもなく
静寂な部屋に響く
「・・しなくていい・・・」
腰を引いてそれを制する高原
「でも・・・」
「無理するな・・・」
日樹の柔らかな髪を指先で触れ、かきあげる
「自分で慰めるオレの姿がそんなに哀れか・・・?」
自分の中で高原をイカせてやれない後ろめたさとすまなさがある日樹を前に
高原はいとも冗談ぽく言ってみせる
「・・・うううん・・・」
哀れだなんて思うはずがない
むしろ申し訳ない気持ちでいっぱいなのだ
星明りだけの薄暗い部屋で
高原が今どんなに穏やかな表情を日樹に向けたか
残念ながら見とることはできなかった
瞬間、高原はくるっと体制を入れ替えた
そして二人のものを一緒に握ると同時に根元からしごき始める
握りこまれ触れ合うそれが
繋がりあわななくとも、交わり同化していくように思えた
「・・あぁ・・っ・・いい・・・」
日樹は高原の首に両腕を絡め体を密着させる
「もっと・・・あ・・・ん・・っ・・」
「・・諸藤・・・っ・」
一番感じるリズムを知っている指は
擦りあげてはまた引き戻す
気づけば自然と腰を揺らしている
「・・や・・っもう・・・」
動きは段々小刻みに、強く、早くなる
それは直に高みへ到達する証拠
その部分はヒクヒクと痙攣しだす
「・・くぅ・・っ」
同時に達するタイミングを求め
少しずつ高原の息も荒くなってきている
いつか・・・
受け入れられるときがきたら・・・
その時でいい・・・
H・Rが終わり教室を一歩出ると、
帰宅する者、部活へ移動する者が騒がしくごちゃごちゃ入り乱れる
「拓真~!」
呼び止められ振り向くと相棒の亮輔が
クラスメイトのもう一人と手招きしながらこちらをうかがっていた
西星高校に入学して一ヶ月、五月が終わればもうすぐ丸二ヶ月目
クラスの連中の名前もそこそこ頭に入ってきた
でも・・・
あいつ誰だっけ?・・・目立たない奴
「な、な、な、拓真~、我がクラスメイトの中西君は、なんと陸上部所属~」
ふざけた言い回しで亮輔がその中西という奴の首に手を掛けながら
意味深なことを言っている
あ・・・中西っていうんだったっけ
特にこれといった特徴の無い普通の高校生
無論、拓真には日樹以外の人間なんて誰も皆、興味もなくその他大勢
同じにしか見えない
「それがどうかしたのかよ?」
亮輔の思惑がいまいちピンと来ない
が、拓真の顔はすぐにほころびる
「彼は色々と知ってるかもよぉ~? だってなぁ~中西君はなんたって陸上部だもんなぁ~」
拓真の顔色をうかがいながら
ニンマリと嫌らしい笑いを見せた
“陸上部”をわざと強調する
それが諸藤さんの代名詞になっているから
そう聞いただけでも妙に照れてしまう
そう、拓真が知りたいのはもちろん憧れの日樹のこと、
そして・・・あの番犬のことだった
グランドへ向かいノロノロ歩きながら三人は話題を陸上部のことに花を咲かせていた
というよりも一番浮かれていたのは拓真だった
「あ、俺が入部した時には諸藤さんは怪我で入院中だったから、あの人が陸上部の先輩で
しかもすげぇタイムレコード持ってるなんて知ったのも最近だしね」
「へぇ~あの華奢な女みてぇな人がねぇ?」
と、うっかり本音を拓真の前で口走ってしまい
すぐに話題を替えようとする亮輔に拓真が呟く
「でも退部したって聞いた・・・」
いや、聞こえてしまったんだ
顧問同士が話しているところを偶然
立ち聞きする気なんてなかったのに
「正確には退部はまだ保留状態、諸藤さんのような選手を顧問がほっておくわけないからね」
「治るんだろう?怪我」
病気と違って怪我は目に見えて快復がわかる
他人の怪我の状態なんてわかるはずもないが
だが、いずれ完治するはず
亮輔の言い草は妥当だろう
「じゃなんで辞めちゃうわけよ?」
「その理由はわからないけど、部で何かあったみたいだよ」
「おめぇんとこの部、えげつなさそうな連中ばっかだもんな~」
相変わらず亮輔の陸上部嫌いは変わらない
このクラスメイトも陸上部だというのに
まったくお構いなしの毒舌を浴びせる
「それからだって、高原さんが変わっちゃたの」
「その高原って奴は、諸藤さんのそばにいるでっかい男のことだろ?」
「そう、陸上部の部長だよ」
先日、拓真に睨みをきかせてきた男
おそらく三年生であろう
その後も数回、拓真は顔を合わせている
「前はもっと穏やかで、後輩の面倒見も良かったらしいけど・・・もっともウワサだけどね」
「あいつが穏やかだったって~?」
それには自分も亮輔も反論したくなった
あの日のあの男からは想像も出来ない
殺気だった、気迫溢れる表情
でもどことなく陰を帯びていた
実際、中西も自分の入学前の陸上部の様子は一切わからないのだ
「諸藤さんは高原さんにとってリレーのパートナーだったらしいから
退部されちゃうと困るんだろうなぁ・・かといって夏の大会には間に合わないらしいし」
リレーのパートナー・・・?
それだけの関係には決して見えなかった
「高原さんも辛いところなんじゃない~?で、その諸藤さんの抜けた穴埋めでこっちは
大変さ」
校庭の隅に建てられたプレハブは体育系部活動の個々の部室になっている
拓真たちは話終えないうちにもうその前に来てしまっていた
ここまでくれば校庭が見渡せる
早くから部活に飛び出してきてる生徒が数人散らばっていた
ここまでくれば校庭が見渡せる
放課後、早くから部活に飛び出してきてる生徒が数人散らばっていた
「でも高原さんって、なにか説得力のある人なんだよね 任せて安心って言うか
それだけの器をもってるんだ
だから皆、なにも文句を言わないで高原さんについて行ってるんだと思うよ」
部室前で足を止めた中西が付け足した
「ほら見てよ」
とグランドを指差す
グランド中央
背が高く体格も良く目立つ生徒が一人、トラックのライン引きをしている
・・・高原だった・・・
拓真と亮輔にすれば考えられない光景だった
そんな雑用仕事は後輩のすることだと認識していたから
少なくとも自分らの野球部はそんな大それたことを先輩にやらせでもしたらとんでもないことになる
暗黙の了解で代々そう教えられている
なのに・・・
「部長自ら雑用をしてるんだよ、いつもね・・・じゃ俺急ぐから」
上級生に雑用をさせているのがわかればさっさと支度をしてグランドに出なければならない
後輩が自発的にやる気を出しているのだ
部のしきたりとか伝統だからといって後輩に押し付けがましくしたところで
到底やる気になどなれないだろう
上の者が自ら手本を示す
後輩に理解してもらえるまでどれだけ長い時間がかかるかはわからない
だがいつかきっとわかる時がくるだろうと
高原は部長になったその日からコツコツと続けていた
それが陸上部をまとめる高原のやり方だった
「あ、中西!呼び止めて悪かったな さんきゅ~」
亮輔が中西に声をかけてる間も拓真はじっと高原を見つめていた
それは目をはなせずにいられなかったから
その高原の背中がなぜかとても悲しそうだったから・・・
拓真に鋭い睨みの眼光を向けてきた男と同一人物だとはとても思えなかった
彼の心の奥底の孤独感が伝わってくる
不思議と胸が痛む
陸上部の隣、サッカー部のさらにその隣が
野球部の部室だった
高原の姿を見せつけられてからあらためて自分の所属する部の様子を
冷静に見てみる
「お、北都に神城!」
部室の中から声をかけてきたのは日樹と同じ学年のマネージャーだった
男子運動部のマネージャーを切り盛りする彼女は
どことなくボーイッシュで頼れる姉御風だ
部員が着替え中でもお構いなしに
平気で部室に入り込める、これまた大した器の持ち主なのだ
「新人君たち~今日の練習が終わったら中間テストが終わるまでしばらく部活休止よ
今日は気合入れていこうね~」
彼女はきっと来年度の後輩が入ってくるまでずっと拓真たちを新人扱いするだろう
小さなことにこだわらない
「すっかり忘れてた~」
拓真と亮輔はまずい、とばかりに顔を見合わせた
そういえば、六時間目の授業中に試験範囲がどうのとか
担当教科の先生が言っていた
ということはすっかりその試験範囲を聞き漏らしているということ
そうだった・・・一週間後には中間テストが始まる
その一週間前から部活動も一斉休止になるのだった
「赤点一教科でもとったら強制休部だぞ」
「!?ええぇっーーーー!」
さらに後ろから追い討ちをかける声の主はキャプテンだった
振り返れば下級生を面白がってかまう笑みを浮かべている
亮輔と同じポジションの捕手
試合の勝敗はこの人の投手リードの采配にかかっている
このキャプテンを中心の野球部は古い伝統を守りながらも
陸上部とはまた違う方針でまとまっている
それはそれで居心地が悪くなかった
そんな試験前の練習時
ちょっとした事件が起きた
紅白試合を始めて間もなくのことだった
レギュラー対それ以外のメンバーチーム
投手、拓真
捕手、亮輔コンビのバッテリーから
ストレートの直球が打たれた
拓真の得意とする速球ストレート
カキーン!
バットが爽快な打撃音を出した
拓真がしまった!と打球を見送った瞬間
その球はライナーとなり三塁手のミット弾いて
隣で練習する陸上部の場所まで勢い良く流れていってしまった
そして運悪く、打球は一人の生徒の膝を直撃した
その場所に居た誰もが息を飲んだ
打球を受け、その球威に足をすくわれる状態で
その場に倒れたからだ
「大丈夫か~!!」
一番近くにいた生徒が叫んで駆け寄る
それを切り出しに野球部、陸上部の人間が一斉にその場に集結した
寸時に人だかりができ、騒然となる
同じグランドで練習をしていた他の部の人間も何事が起きたかと
遠巻きにこちらの様子を見ている
勿論、部長の高原もすぐに駆け寄ってきた
打球が当たった生徒は足を押さえながらも
大丈夫だからと意思表示をしていたが
すかさず、人垣を割って高原が足の様子をうかがいに入ってきた
「見せてみろ」
足を押さえる手をよけさせ
打球の当たった部位をしばらく触れて確認していた
もうケガ人は出したくない・・・
高原の切なる願いだった
「動かせるか?」
「・・ああぁ・・・」
どうやらさほどダメージはないようだ
とはいえ硬球をもろに受けているのだから
打撲は免れない、下手をすれが骨にひびが入っているかもしれない
高原の肩を借りてなんとか立ち上がり、トントンと足を地面に突いてみるが
やはりその衝撃はかなりのものだったらしい
眉をしかめた表情を見ればすぐに察しがつく
緊迫から一転してザワザワとしだした
拓真も亮輔も自分らのボールでケガ人が出てしまったことで責任を
感じずにはいられなかった
亮輔が拓真の耳もとでぼそっと呟いた
「当たったのがあいつでなくてヨカッタな・・・」
亮輔が言うのは高原のことだ
部員の信望が厚いと銘打つ部長の高原をケガさせてしまったら
乱闘騒ぎになっていたかもしれない
だが、拓真にしてみれば、日樹がもしこのグランドにいたとしたら
当たっていたのは・・・
諸藤さんだったのかもしれない-
そうなると今、打球を受けて高原の肩を借りてる人間が日樹の姿とだぶり
そんな想像だけで嫉妬してしまう
この前の階段での一件から
二人の姿が目に焼きついていて
高原に大事に守られている日樹の姿を浮かべずにはいられない
「すまない・・・」
帽子をとって高原に詫びて出たのは野球部キャプテンの野崎だった
不可抗力とはいえ潔い言動だ
「いや、仕方ない」
これに高原も応える
その誠意を受け止め、誰のせいでもないのだから咎めないと
スポーツマンらしい応対をする
「誰か、職員室に行って先生に連絡してきてくれ」
「私が行く」
的確な判断で野崎はそう指示を出した
指示と同時にマネージャーがその場から駆け出す
こういうとっさの場でどんな行動を起こせるか
人間の力量を推し量ることができる
拓真は、野崎そして高原の二人をじっとを見つめていた
悔しいが高原は大人だ・・・
「折れてることはないと思うが、一度病院へ連れて行ったほうが良いかも知れない」
「ああ・・・そうする」
高原は野崎の言葉に頷いた
「病院について行く、だから今日は・・・逢えない」
日樹の携帯に言葉少なげな高原から電話が入ったのは
そのアクシデントがあってまもなくだった
『・・・病院について行く、だから今日は・・・逢えない・・・』
日樹の携帯に言葉少なげな高原から電話が入ったのは
そのアクシデントが起きてからまもなくだった
『・・・うん・・・』
日樹はそう答える
日樹と高原は携帯の電話のみで連絡を取り合う
取り合っている、と言っても
高原からのものがほとんどだった
それも最小必要限度の言葉を並べただけのそれ
手間がかかる上、真意が伝わらないメールを高原は使わない
このご時世、子供から大人まで携帯を所持し
生活に無くてはならないものと化しているのに
この二人にとっては違っていた
確実なもの、
デジタル文字の羅列は感情も温かみも持たない
声を聞き互いを確認できる電話本来の役目だけで良いのだ
それが二人を繋ぐもの
何よりも日樹がそれを望んでいた
それに日樹の携帯のメール機能は
仕事のスケジュール変更などの連絡をしてくる義兄のほぼ専用になっている
高原との行為があった日
その夜は不思議と穏やかな眠りにつくことができた
しかし、肌さえ触れ合わない日は
東の空が白む明け方まで
一人闇路をさまよい続けなければならなかった
そして今宵も・・・
その闇夜を迎えなければならない
高原が愛してならない
最後に必ず足の傷にたどり着く
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