きよぞうと愉快な仲間達

きよぞうと愉快な仲間達

はせがわくんきらいや



はせがわくんきらいや    長谷川集平著 東京 すばる書房 1984年

                            平成14年6月頃

ML上で知ったこの本。この本と出会うまでは「森永砒素ミルク事件」は記憶のかなたにあった。
親となった私と息子にいいタイミングで再会したと思った。(前回の私は確か中学生)

直球勝負のすごい絵本。
私自身読みながら心臓がドキドキしたような気がする。
事件の被害者である長谷川君への不器用な級友の愛情は十分伝わる。
でもそれ以上の、被害を受けた家族の無念さ、悔しさが絵本を通してダイレクトに伝わってくるような気がした。
それを私も息子である『兄』も感じたのではないか。

兄には、何気なくさりげなく、さらっと読む。
彼は私の顔を上目使いにちらちら見ながら聞いている。
読み終えて、あえて何も説明せず「おしまい」としただで。
彼、それ以来その本を触ろうとしない。
いつもなら何回も読めとせがむ。

どんな風に感じたんだろうな。
兄にはちょっと時期的に早かったのかな?でも、彼が何かを感じたのは確か。
普通の絵本を読んだ後とは彼の様子が違いますから。
無理やり感想を聞けずにそのままにして今に至る。

彼が何を感じ取ったのかは解からないけど、彼が大きくなり人を助ける事の出来る力が備わった時に、今の衝撃・感性が続いているといいなあと親の勝手な理想。
前に大手絵本出版社のしおりに「絵本を読み、想像力豊な子は人を思いやる力もある」というような趣旨の投稿があったように記憶している。
今のこの絵本が彼の10年後、20年後につながっているといいなあ。

実は主人もこっそり読んでいるのを目撃。
彼もどんな事を感じたんだろうか。まだ、聞けずにこれも今に至っている・・・・。



© Rakuten Group, Inc.
X

Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: