逢引




              「ちゃんと約束どおりです」

                 南東の新月の空に
             オレンジ色の雫が零れ落ちそうだった

               「私たち 見えてますか」

          他の星たちは 遠慮しているように 控えて 無言だった

               6万年前に何があったのか
            今日のように近づいて見ていたのでしょう?

             きらりとしっかり空の中にいるその雫

              「私の意思も強くありたいです」

            つかの間の逢引をお隣の星が取り持ってくれた

             「あなたを同時に見ているのですよね」

               心が夜空の雫に満たされた瞬間
                2003.8.27.21:00

                 この時を忘れない



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