
後輩S君の後輩のT娘が、先日、生まれて初めての海釣りに行ったという。どうせ、僕と同じようにフグのオンパレードに悩まされたに違いない。じゃあ、その話を聞きがてら夕飯でも食べようと、3人で居酒屋Sに来た。
こともあろうに、T娘はフグを1匹も釣らず、イワシやメバルをたくさん釣ったと自慢している。しかも、「釣りたてをフライにして食べたら美味しかったですよぉ」と、全国共通商品券のような、誰が聞いても当たり前の挑発をし、「フグってそんなに釣れるものなんですか?」と、いらぬ質問を投げかけてくる。
「かっちゃんさん、こうなったら、今夜の熱燗はフグのヒレ酒しかないですわ」というS君の問いかけに、大きくうなずく。

深い味わい、深いコク。こんなに美味しいのなら、あの時のフグのヒレを頂戴しておけばよかった。
T娘はダイエット中だという。油断すると贅肉武装する体質だそうな。身長170cmの体格からして、「かなり危険な兵器になるね」と、つい口を滑らせる。T娘の顔が、ヒレのないフグになる。