信州の川はストレートに海には流れ着かず、概ねこのダムや堰堤が付きまとっている。ストーカーよりもしつこい。
A川のダム湖もその1人。じゃなくてその1つ。日曜日の昼下がり、このストーカーの顔色を見に行った。ついでにイワナでも釣ってやろうとルアーを投げた。

釣れなかった。5分で釣りをやめた。
6月のそよ風が、「こんな日はなんですな。ビールでも飲みたくなりますな」てな誘惑を運んできたからだ。たまたま運転手がいたので、僕はあらかじめ用意してきた缶ビールやワインに手を付け始めた。じゃ、かんぷぁーい。

「松本」ナンバーの車が、こんな人里離れた場所に来た。年配の夫婦のようである。奥様は、「すばらしい自然」とニコニコしていたが、正確には「すばらしい不自然」と言っていただきたい。勝手に川をせき止めて、美しいはずの自然はどこにもないのだ。
が、こんな人里離れた湖のほとりで、ラゲッジルームで赤ら顔になって「乾杯」を繰り返す僕の方が、不自然であるに違いない。それでは気を取り戻して、そんな僕と湖の「不自然にかんぷぁーい!」
