クリスマスに生まれて…

私が生まれた年には雪が降ったらしい。


前の年もその前の年も降らなかったのに、何故かその年だけは降ったらしい。
不思議だ。 神様も私の誕生を祝福してくれたのかな? なーんて言ってみる。


病室で母に抱きあげられた産まれたばかりの私の写真、窓からは粉雪が舞い積りに積った雪が見えて奇麗だ。


毎年、クリスマスになると空を見上げる。
1時間、2時間。 ウォークマンも持たないで携帯も電源を切って。
土手に座り「寒いよう」と一人ごちる。


遅れて彼氏が自転車でやってきた。
「30分待ったよ!」私は笑いながら彼氏に抱きつく。


「ごめんごめん、バイトがさぁ」と彼氏は言い訳をする。
彼氏はダウンジャケットから「ハイ」とおもむろに誕生日プレゼントのネックレスを私に手渡した。


「もー、もっとムードとか考えて渡してよネ」と私は彼氏に言う。


でも、まだ抱きついたまま離れない。
涙が瞳から零れているからあと少しだけ。


「大好きだよ」彼はいつも優しい。



「私もだよ」私はいつもぶっきらぼうな口調。


彼は「ホワイトクリスマスは来年までお預けだね」と私に言った。


私は笑うだけで何も言わない。


あなたとなら何年でもホワイトクリスマスを待てるよ。
ううん、ホワイトクリスマスにならなくてもあなたとなら何年でも。
ずっと一緒にいたい。


クリスマスに生まれて…



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