家族

僕には家族がいる。


世間一般から比べると少し、複雑な家族がいる。


母が急に「首が回らない」と言い出したので、強制的に病院に連れて行って検査をしてみたら…


「心臓。 狭心症と心筋梗塞の波形が出ている」


との事。



すぐに大学病院のような大きな病院で精密検査を受けてくれとの指示を受けた。



普段早起きしない僕が母の検査のために早起きをして東京医療センターに付き添った。
僕が昔ICUに運ばれた病院だ。



一回目の検査は終了したが、来月もう一度別の検査があるらしい。



心臓とは厄介な…



~~~~~



祖母は今施設に入っている。
老人ホームよりももっと面倒を見てくれる老人介護施設だ。
普段の生活から下の世話からすべてを見てくれる。



その祖母が今回。
血液検査でNGが出てしまった。



詳しい症状、病名などは聞かされていないが「入院をして治療」という事を言われた。



祖父は10年、障害者認定1級(一番重い)失語症で右半身不随の祖母の介護をしてきた。
僕もまだ祖母が家にいる時、食事の補助や下の世話をした。



10年。
祖母が倒れて10年経って今度は祖父が倒れた。



僕は病院にいる母に呼ばれ普段は滅多に乗らないタクシーに乗り病院に向かった。



祖父は脳梗塞で、一刻を争う状態ではないが「後遺症が残ることは覚悟してくれ」と言われた。



その具体的な症状は皮肉にも祖母とおなじ「言語障害、右半身の麻痺」



自分の命はいらないと思った。
祖父を助けてくれる何かがあればそれが天使だろうが悪魔だろうが僕は自分の命を捧げてもいいと思った。




そんな気持ちが通じたのか祖父は一命を取り留めた。




ただ…水頭症にかかり額が水風船のように膨らみ、目を開けていても意識が混濁している状態が続いた。



幸い今の科学の進歩により水頭症は改善された。



祖父は障害者認定を受けている。
階段の上り下りも息を切らしている。
今は使っていないが少し前までは杖をついて歩いていた。



祖父は、毎日片道15分程度の距離にある祖母の施設に昼と夜に出かける。



夕方、眠る前はキスをしているそうだ。



祖父は回復した。



祖母はこれから入院だ。



母もこれから精密検査を繰り返す。



祖父が「俺より先に逝かないでくれ」と言った。



弟は今年の4月から自衛隊の会計課に入る。




僕は今、図書館で少ない給料でなんとか頑張っている。



自分で思っているだけかもしれないけれども、必死に生きている。




生きることに悲観的になるのは誰しもが必ず経験する。
病的に考えが移行する人もいれば、楽観的…に寝れば忘れるという人もいる。


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