「働くのがイヤな人のための本」


「働くのがイヤな人のための本」
   仕事とは何だろうか
  中島義道 日本経済新聞社
 はじめに書かれている作者の忠告に怯んでは行けない。失業者が見る本ではない、と書かれているからだ。
 しかし、文中に登場する四人、とりわけ社会にでることを潔しとしない大学生と作者との対話はあたかも私の心の葛藤をシナリオ化しドラマを演じているかのようだ。長い間思っていても言えなかった、親友にも、まして神様(神様はご存知だけど)にも打ち明けたことのない心の暗黒部分の哲学問答を今このときに具現化してくれた作者に感謝である。そして、「己の珠に非ざるを懼れるが故」のながきにわたる葛藤にピリオドが打てそうだ。
 そう、やっとあのお言葉が心に染み入った。
「あたしの目にはあなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛している」
                    イザヤ43.3


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