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…アナタの彼女が、その誕生石と共にあらんことを。…美しきその石のごとく、いつまでもあらんことを。僕の元彼女は、魔女と言われていた。そのことに怖れをなしたわけではないのだが、僕は彼女に別れを告げた。彼女が、あまりにも綺麗で賢くて金持ちだったから(もしかすると魔女だったから)、僕は少しだけ息が詰まるような気がしていたんだ。正直にそう話すと(だって魔女は心の中がわかるから)、彼女は哀しそうな顔をしながらも、わかってくれた。それから僕、はもしかすると新しい彼女ができるかもしれない(だから別れて欲しかったわけではないが)、その時には悪く思わないで欲しいと言った。ほら、彼女は魔女だから、正直に言っておかないとね。…私からの祝福を受けて欲しい。彼女は僕の言うことを聞き終わると、微笑みながら、両の手を灯火にかざして、おまじないの言葉を唱えたんだ。おまじないの言葉と一緒にまき散らされた抹香の香りが、甘くとろけるようだったことを憶えている。そして、僕には新しい彼女が出来た。元の彼女ほど、綺麗でもなく賢くもなく金持ちでもなく、なんの取り柄もない娘だったが、むしろ僕にとっては、新鮮で楽しい時間だった。その娘は2月生まれだったから、僕は彼女に紫水晶がはめ込まれた指輪を贈ると、僕といつまでも一緒に居て欲しいと言った。彼女は嬉しさで、頬を深紅に染めながら恥ずかしそうに、頷いたんだ。彼女と始めて過ごした夜、隣で眠る彼女の静かな寝息を聞きながら、僕はこれからの日々を思いながら、うつらうつらしていて夢を観た。…アナタの彼女が、その誕生石と共にあらんことを。…美しきその石のごとく、いつまでもあらんことを。夢の中で聞こえて来た声に、どきりとして目が覚めると、夜はすっかり明けて、鳥たちのさえずりが聞こえて来ていた。僕は、部屋の窓を大きく開くと、新鮮な空気を吸い込み、気持ちを落ち着けた。そして、振り返った時、寝台に横わたる彼女の姿が、朝日を浴びてみるみるうちにかすれて行くのを見て、僕は愕然とした。…魔女ののろいって本当に有るんだな。…紫水晶は紫外線に退色するんだったっけ…
2006/02/27
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鬼は外~♪福は内~♪痛てて、痛てて、どっかに隠れなきゃ。見てくれよ、アザだらけだぜ。・・・街角では、情けない顔つきの鬼たちが、昔ながらの姿のまま、金棒を肩に虎の皮を身にまとって、豆をぶつけられた痕をさすりながら、つぶやいている。おい、あすこだけ、鬼は外の掛け声が聞こえないぞ。あの高い塀で囲まれたところだな。よしよし、みんなあそこに入ろうぜ。・・・鬼たちは、ぞろぞろと、塀を乗り越えて中に入っていった。こりゃあいいや、人間もたくさんいる。ついでにこいつらに取り付いて、大暴れといこうかい。・・・翌日、看守は、受刑者たちが、皆一様に涙を流しながら、自分たちの犯した罪を悔いる様を見て、唖然とした。あんなに凶悪な、まるで鬼のようなやつらだったのに・・・
2006/02/03
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