地を這う虫

2023/09/03
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カテゴリ: 新聞記事
今日は久しぶりに釣りに行こうかいな、と思っていました。夕方以降の釣りなら土曜日よりも日曜日の方が釣り人が少ないことが期待できます。風の予報、潮流予測ともに夕方以降は好条件なのですが、いかんせん暑すぎます。ドピーカンなので17時時点で32℃前後あるので、釣行を断念しますた。

狙いたい魚はアコウ(標準和名キジハタ)です。4~5年前の実績では7月がベストシーズンなんですが、最近は酷暑、モチベーション低下、釣り人の多さ等からアコウ狙いの釣りに行っていません。小さなワーム、ジグヘッドを使ったマイクロワインド釣法なので、道具はシンプルです。場所、地合いがマッチすればアコウはともかく(涙)、15センチ前後のガシラ(標準和名カサゴ)は入れ食い状態になることもあります。この釣法で27~28センチくらいのアコウを釣ったことがあるし、もっと大きそうなアコウ?らしき魚を根に入られてバラしたこともあります。35~40センチくらいのアコウが釣りたいな~~。まぁ40センチまでいくとリグ(仕掛け)、ライン(道糸)、タックルの強度が足らずバラす可能性が結構ありますが・・・

(閑話休題)

日経新聞日曜版の「名作コンシェルジュ」については過去何度かブログに取り上げています。今日の記事もいつもの吉田俊宏氏の執筆です。氏とはジャズに関する好みが結構似通っていそうです。今日取り上げられたレコードは私も大好きなオランダ人女性ジャズ・シンガーのアン・バートン(Ann Burton)のセカンド・アルバムです。彼女は既に鬼籍に入られています。
このレコードはソニーから今年の8月に180g重量盤で復刻されているようです。価格は4400円と高いです。完全生産限定盤なので品薄っぽいですね。ただ、注文を受けつけているネットショップもあるので、買うなら早めに注文すべきですね。





私はファーストアルバムの「ブルー・バートン」の国内再発盤(Epicレーベル)を持っていますが、セカンドのこのアルバムはCDしか持っていません。ヤフオクでセカンドのこのアルバムのヨーロッパ盤(オリジナル盤ではない)に入札したことがありますが、5000~6000円以上まで値が上がった段階で脱落しますた。オランダのオリジナル盤(Artoneレーベル)も音質はあまり良くないし再発盤の音質も特筆するようなものでなかったと記憶します(ネット情報がソースです)。CDがあるからレコードはいらんのだけど、楽天のポイントやヤフーのポイント等を使って注文しちゃうかもね(笑

日経の記事に話がなかなか行きませんね。ついでにもう一つ別ネタを書いておきませう。
2008年11月15日に書いた過去記事↓

Ann Burton 産経新聞記事で想いだす

上の記事では産経新聞のコラムに日経新聞が今日取り上げたアルバムに収録されている"Here's That Rainy Day"の事が書いてあったようです。この曲、日経記事の吉田俊宏氏も大絶賛されてますな。


ファーストの「ブルー・バートン(Blue Burton)」、セカンドの「バラード アンド バートン(Ballads & Burton)」の二枚の録音は大変素晴しいです。当ブログのオーディオ関係の過去記事で何度か書いてるように、私は「Blue Burton」をレコード・カートリッジの音質評価用の標準音源に採用しております。バックバンドはルイス・ヴァン・ダイク・トリオで曲によっては アルト・サックス テナー・サックスが加わります。メンバーは以下です。ファースト、セカンド共通のメンバーです。全員ヨーロッパの白人だと思います。黒人のような粘っこいスイング感はありませんが、アン・バートンの歌い方、アレンジに非常にマッチした演奏で最高の出来ですわ。

Alto Saxophone Piet Noordijk (セカンドアルバムでは3曲に参加)
Tenor Saxophone Rudy Brink(4曲に参加)
Piano Louis Van Dyke
Bass Jacques Schols
Drums John Engels
(出典はDiscogs ※Discogsの記載に一部誤りがあったので関連部分を訂正線を入れた上で訂正しています)

アレコレ書きすぎて話が長くなってきたから、後は吉田俊宏氏の文章でここに保存しておきたいところだけ抽出してタイプしておきます。吉田氏の文章で私が気になる点だけツッコミをちょっと入れておきますね。
あ~~~、転載する文章は著作権の関係から必要最小限にとどめますので、文章の繋がりがないことはご理解ください。


------------------- 転載開始 -----------------------
(前略)

・・・・・。80年までに計4回の来日を果たした。当時のジャズ喫茶では大人気だったそうだ。


 (ケルン注 このアルバムは1970年10月発売で当時私は阪神間のジャズ喫茶に結構行ってましたが、アン・バートンが大人気だった記憶はありません。あくまで一般論ですが、当時のジャズ喫茶ではMiles Davis、John Coltrane他の時代の先端を走るミュージシャンやBlue Noteの新主流派のジャズ(Wayne ShorterやHerbie Hancockなど)のレコードがかけられる事が多く、アン・バートンを含む女性ボーカルがかかる頻度はかなり低かったと思います。なので、ジャズ喫茶というよりアルコール主体のジャズ・バーで大人気だったという方が正確ではないかな、と思いますよ)

(中略)

 彼女の真骨頂はスローバラードにあった。本作では全編にわたって得意中の得意のバラードを歌っている。

(中略)

 例えばR&B歌手オーティス・レディングの熱唱で有名になった「トライ・ア・リトル・テンダネス」。バートンはテンポを落として、穏やかに「彼女が疲れていたら、ほんの少し優しくしてあげて」と語りかける。その抑制の利いたアルトの歌声には人生を知り尽くしたような深みと説得力がある。

(中略)

 中でも失恋ソング「冷たい雨(ヒアズ・ザット・レイニー・デイ)」の味わいは絶品だ。泣きたくなるような切ない歌詞なのだが、彼女は感情を抑え、達観したように歌っている。いくつもの悲しみを乗り越えてきた大人として、温かく、優しくつつみ込んでくれるのだ。「世の中、つらいこと、悲しいことばかりね。でも生きていれば何とかなるものよ」。歌の行間からそんなメッセージが聞こえてくる。



 バートンの母は東欧出身のユダヤ系で、オランダのアムステルダムに移住して彼女を産んだ。やがてオランダはナチス・ドイツの手に落ち、両親は強制収容所に連行され・・・。バートンの経歴は同じ時期にアムステルダムで「アンネの日記」を書いたアンネ・フランクを思い出させる。4歳上に当たるアンネは亡くなり、バートンは生き延びたが、どれほど悲惨な経験をしたのか、想像を絶するものがある。

   吉田俊宏

------------------- 転載終了 -----------------------

吉田氏のコラムの後半部分、Ann Burtonの両親はナチス・ドイツによって強制収容所に送られ亡くなったらしいこと、については全く知りませんでした。ファーストアルバム「ブルー・バートン」のライナーノーツにはそういう記述は書いてなかったと思います。まぁデビューしたばかりの歌手の過去をそこまで書く必要もないし、書いた評論家自身がそういう情報はまだ把握できてなかったんでしょうね。吉田氏の文章は私にとって非常に有益でした。吉田氏が書くように、彼女は何故ここまで深い表現力で歌えるのか?っていう疑問は昔からあったので、「そうだったのか!」と腑に落ちた感はありますな。

私はAnn Burtonが好きなのでレコードを二枚、CDを四枚持っています。持っていないレコードも昔ジャズ喫茶で聴いたり、YouTube音源で聴いたりしています。Discogsで調べる限り、USでは彼女のレコードやCDが販売された形跡がありません。昔から言われていることですが、彼女は日本で絶大な人気があり、ついでヨーロッパの心あるジャズファンに人気があります。USではほぼ無名だと思います。

で、、、、
私の個人的評価ではセカンドのこのアルバムとファーストの「ブルーバートン」の二枚を聴けば、買えば必要かつ十分と思います。他のアルバムはそれぞれ独自の魅力があるのですが、出来栄えはこの二枚のアルバムに正直遠く及びません。勿論、アンバートン命というコアなファンが彼女の全てのレコードを収集するぞ!って燃えるのは個人の自由です。それを否定する気はありませんし、私もファースト、セカンド以外の3枚のアルバムを所有しており、売却する気もありません。


↓ 2008年にamazonで買った新品CD(約2000円)Epic ESCA 7800 Remastered版








アルバム「Ballads & Burton」は全曲名演ですが、上記「名作コンシェルジュ」の吉田俊宏氏の文章の転載部分に関係する2曲だけをYouTube音源として貼り付けておきますね。


"Try A Little Tenderness by Ann Burton"



↓日経新聞の吉田俊宏氏が絶賛するとおり、絶品ですね。素晴しい。Louis Van DykeのPianoを始めバックの演奏も素晴しいです。 Piet Noordijkのalto sax Rudy BrinkのTenor Saxも素晴しい。
吉田氏がコラムで書いたように「世の中、つらいこと、悲しいことばかりね。でも生きていれば何とかなるものよ」というメッセージがたしかに聴こえてくるようです。

"Here's That Rainy Day by Ann Burton"




First Albumの"Blue Burton"からYouTube音源を三曲貼っておきませう。

"I Can't Give You Anything But Love by Ann Burton"


"It's Easy To Remember by Ann Burton"


"Sunny by Ann Burton"





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Last updated  2023/09/09 04:50:30 PM
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