でびあくまんどらごん

Profile

池月あとり

フォローする

Calendar

カテゴリ未分類

(0)

美しき少年の成長を見守る楽しさ①～翠星のガルガンティア～

テーマ：ブルーレイで映画やアニメを見よう！(509)

カテゴリ：アニメ

翠星のガルガンティア Complete Blu-ray BOX（特装限定版）【Blu-ray】 [ 石川界人 ]

翠星のガルガンティアは2013年の作品ですが、当時非常に高い評価を得た作品です。
当然今観ても、いや今だからこそ逆に面白いとも言えるでしょう。

未視聴の方、緊急事態宣言再発出で巣ごもりされて時間があるという方は、レンタルでも動画でもなんでも構いませんので、ぜひご覧になってください。

主婦の方は家族が家にいると逆に多忙だったりもしますが、私は「大人の女性」であればより一層、この作品の本質である、「美」少年の成長物語を楽しめると思っています。

まず耽美主義の方は、主人公であるレド少尉の魅力に目を奪われるでしょう。銀髪に澄んだ紫の瞳、端正な顔立ちとしなやかな肢体、中性的な美しさを持つ彼はしかし、優秀な頭脳と怜悧な判断力を持つ軍人です。そして15歳の女子を軽々と背負って全力疾走できるほどの身体能力を持っています。

その運動能力とストイックな精神は、例えて言えば羽生結弦選手のよう、と表現しましょうか。（そういえば彼が着ている気密服は羽生結弦選手の練習着に少し似ているかも）こういった点でも翠星のガルガンティアは女性受けすると思われます。

レド少尉は、宇宙空間での戦いの際転送事故に巻き込まれ、人型戦闘機である愛機チェインバーと共に遥か彼方の地球に飛ばされてしまいます。
そこで出逢った地球の人々＝船団都市ガルガンティアの人々とのファーストコンタクトである１話から３話は、文化文明のギャップによる相互の勘違いのため混乱するレド少尉が可愛らしいやら微笑ましいやら驚かされるやら、本当に楽しいです。

特に「殲滅」と「死骸」のエピソードは笑えます。

３話のラストで、初めて地球の言葉をカタコトで喋るレド。

つたない口調と伝えようとするその思いが、観る人の心を打ちます。

そして、まるで幼子が初めて言葉を発した時のような感動を覚えてしまうのです。

更に続く４話５話では、ガルガンティアでのレド少尉の「就活」が描かれます。

兵士としては優れたレドですが、戦うことに特化した彼にとって、平和なガルガンティアでの「就活」はなかなか困難です。

あまりにも違う環境と習慣に適応できず、仕事は見つかりません。

やがて無力感に苛まれてしまいます。

そんなレドを観ると胸が痛み、もどかしさを感じてしまうのは親心というものでしょうか。

５話でレドは、風俗営業のガチムチな男性から

「ウチで働かないか」「ナンバーワンになれる」「お尻のラインが素敵」

などと強引な勧誘を受け、激しく動揺しチェインバーに助けを求めます。

一瞬の判断ミスが生命を奪う宇宙空間での戦闘時、微塵も恐れず職務を遂行するレドが、髪を逆立てるほどの恐怖に陥り逃げ回るその様は、なかなか見物です。

話数が進むにつれ、レドとガルガンティアの人々との交流が深まっていきます。

容赦なく敵を殺傷してきた兵士レドが、やがて自分の行為に嘔吐し、地球の人々の心に寄り添い守り、共に生きていこうとするのです。
そのひたむきな姿はいじらしく、時に頼もしく、胸打たれ…。
やがて単なる「観る人」から彼の成長を「見守る人」になってしまっている自分を自覚するのです。

そして最終話では、AI＝「ブリキ野郎」＝チェインバーに――いえ最後までその口調は無機質なのですが――熱く深いレドへの愛が芽生えていることを痛感するのです。

加えて言うと、もし腐の趣味がある方であれば

「いいんだよ俺を喰え」という思わぬレドの台詞で、最高に盛り上がることもできます。

こういったことから、翠星のガルガンティアは、大人の女性が観て楽しむことができる要素が満載だと言えます。もちろん男性でも、ワラワラ出てくるつるぺた或いはどかんぼいんの女の子で普通に楽しむことができます。

翠星のガルガンティアは、全13話とOVA2作品が出版されています。
今回発売される「翠星のガルガンティアComplete Blu-ray BOX」にはそれらの全てが網羅されており、様々な特典つきです。既にファンの方はそちらをどうぞ。

美しき少年の成長を、美しい映像とともに、存分に楽しもうではありませんか！