☆遺書☆

はいけい
私が前触れもなく

ある日突然死んでしまったなら

あなたは悲しみに暮れては

毎晩泣くでしょう

二人で行くはずだった

島と

夜景の

綺麗な坂道

叶わぬ

明日の地図を見て

自分を責めるでしょう

骨埋める

場所なんて

いらないわ

大事にしてたドレスも

写真たても

ひとつ残らず

焼いて

そして

灰になったこの体を

両手に抱いて

風に乗せて

あの海へと

返してください

例えば

何かがあって

意識さえ無い

病人になって

あなたの

口づけでも

目覚めないなら

お願いよ

その腕で

終わらせて

そらさずに

最後の顔

焼き付けて

見開いた目を

優しく伏せて

そして灰になった

この体を

両手に抱いて

風に乗せて

あの海へと

返してください。

いつか誰かまた

求めるはず

愛されるはず

そうなったら

幸せでいて

だけど

私の誕生日だけは

独り

あの丘で泣いて

裸のまま

泳いだ海

私を想って。




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