ラジオと映画とちょっとジャジーな日々

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渋谷毅さんのこと ♪-2

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生まれて初めての野外ジャズ・フェスティバルは
驚きの連続だった。

席が自由、途中の出入り自由、飲食自由、

完全に酔っ払っている人多数。

まぁ、知っている方には
「そんなこと当然」と思われるかもしれないけれど、

とにかく「へぇぇ~」という感じだった。
それに、写真も録音も自由!すごいね。

だって、小沢健二が出て来た時に、

「だれか、ビデオ持っている人いませんか?貸して下さい。」

と観客に向かって言ったのですよ。
差し出した人に「後でお礼付けて返すから」
と声をかけていた。

その時、心から思いましたね、
「持ってくればよかったぁぁ!!」 って。

だって、そんなことが許されるなんて
知らなかったもの。
(友人はしっかりカメラを持って来ていたけれど↑)

でも、結果的に、小沢健二ファンは、
ジャズ・フェスティバルのお客様にとって
迷惑な形になってしまったと思う。

だって、あのゆる~い感じで、ジャズを楽しんでいる中、
小沢君登場で、いきなり「キャー!」と、
ステージに駆け寄る集団が現れるって、すごいギャップだ。
(私も駆け寄りました、ハイ。)

もう、誰が小沢ファンで、誰がそうでないか
ひと目でわかる会場の構図になってしまった。

ジャズファンの「白い目」というものを、
はっきり感じた私であった。

しかし、ステージの小沢健二は、
そんなことはあまり気にしていないようで、
って言うか、全然気にしていないようで、

バラ色の雲をバックに、
天上界にいるかのような至福の表情で歌っている。

渋谷さんも、会場の様子など気にしている様子は無く、
かなり酔っ払いながら、
極上のピアノを聴かせてくれた。

そう、何もかも 「極上」 という言葉が
ぴったりのひとときだった。

そんな演奏を聴くうちに、
私たちは、すべてを忘れて
幸せのオーラに包まれてしまったのだった。

実は、会場では出演者が気軽に歩いているので、
すぐ目の前に渋谷さんがいたこともあった。

「あっ・・」と思ったけれど、とても声なんかかけられない。
ちょっとドキドキしながら
渋谷さんの白いシャツを見ていた。

「もう、この人とこんなに近くで会うこともないだろうな・・・」

と思いながら。

でも、会っちゃったのだ!

それから数年後・・・。

私の町で。

(つづく)



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