サイボーグ023

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第19話 タクラマカン砂漠(3)


もちろん、おじさんもIBさんもビール飲んじゃったので、
運転してるのはドライバー氏。

途中で日本人らしいサイクル野郎の集団とすれ違った。
今日中に町に着くのは無理だと思うんだけど、
彼らはどこで泊まるんだろう?
きっと、昼は暑いし、夜は寒いし、大変だろうな。

おいおい、人のことより、
エアコンの無いおじさん達も暑くて大変じゃん。
気分が悪くなるので、
何度か休憩のため停車して車外に出た。
どっちにしても暑くてのどが渇く。

実は、おじさん、
日本からペットボトルのお茶を持って行っててね、
大事に飲んでたんだけど、もう空っぽになってたんだ。
そこで、毎日ホテルでお茶を作っては
そのペットボトルに入れて使ってた。

生水はもちろんのこと、
冷蔵庫の中のミネラルウォーターも危ない
中国におけるおじさんなりの知恵ね。
ちなみに、食後に必ず正露丸と胃腸薬を飲んでるので、
中国でトイレに困ったことは無い。

そんな話は置いといて、
特製お茶を飲みながら辺りを見渡すと、
おじさん達が通ってきた道が、
細長い灰色の絨毯をひいたように延びており、
たまに、遠くから豆粒みたいに見える車が近づいてくる。
ただ、それ以外は四方八方すべて風紋がきれいな砂丘のみ。

朝から6時間も走ってきたのに
景色は何の変化も見られない。
タクラマカン砂漠の広大さを実感しながらも、
さすがに少々飽きてきたおじさん達。

再びランクルに乗り込み、
しばらく行って、ふと、気付くと、
道の両側には緑の草むらが、
前方にはうっすらと雪をかぶった山並みが見えはじめてきた。

抜けるような青い空の向こうに
毅然とした姿を見せる美しい山。
チベットとの間にそびえる「崑崙(こんろん)山脈」だ。

さらに進むと、作物を栽培している畑や、
集団墳墓のような構造物が見えてくる。
オアシスが近い。
ようやく砂漠を抜けたみたい。

天山南路の庫車(クチャ)から
西域南道の民豊(ニヤ)へ700km、
約9時間のタクラマカン砂漠縦断の旅が終わりを告げた。


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