青空(由希×透)



透の上には青く澄んだ空が広がっている。こんな日は何かいいことが起こりそうな予感がする。

「…おはよう、本田さん。今何時?」

由希だ。

「おはようございますっ由希君。…今ですか?もう11時ですよ」
「えっ俺そんなに寝てたの?」
「由希君は本当に朝が弱いんですね」
「えっ…あ、うん」

透のほんの少しの笑顔にも由希はドキッとさせられてしまう。

「…紫呉とバカ猫は?」
「紫呉さんは朝から本家のほうへ行かれてまして、夾君は道場へ行かれましたっ。2人とも夕方には帰ってくるようです」
「じゃあ…夕方まで俺と本田さんの2人だけなんだ…」
「はっはい、そういうことになりますねっ」
「そうか。嬉しいな。じゃあ俺着替えてくるね」

(う、嬉しいだなんて私にはもったいないお言葉です…///最近の由希君にはドキドキさせられっぱなしなのです…)

「あ、そうだ。本田さん、久しぶりに秘密基地行こうよ」
「はいっ!」



「今の季節は何が収穫できますか?」
「うーん、ナスと…キュウリかなぁ」
「本当ですか!楽しみですっ」

そう。秘密基地とは家庭菜園のことなのだ。透と由希しか知らない2人だけの秘密基地。

「うわぁっもうこんなに育っていたのですねっ」
「うん。早く収穫しないと……そうだ、本田さん、今日の昼ご飯はこれで作ってくれない?」
「えっ…いいのですか?」
「もちろんだよ」
「ですが…こんなにおいしそうな野菜ですので皆さんにも食べてもらいたいです…」
「本田さんは、俺と食べるの…嫌?」
「いえっそんなっ」
「じゃあいいよね?」
「…はいっ」

(今日はなんだか由希君がとてもまぶしく感じられます…)



「おいしいですっおいしいです由希君!!」

さっきの野菜を透が調理して2人で食べているのだ。

「そんな…本田さんが作ったからおいしいんだよ」
「えぇっ…ありがとうございます////」
「あ、もう洗濯物も乾いたと思うので取り込んできますねっ」
「本田さん!危ない!!」
「え?」


ボンッ


「…~っ。すみませんっ由希君っ…!」

透が落ちていたチラシを踏んで転んでしまったところを、由希が間に入って助けたのだった。

「本田さんが誤ることはないよ。俺がこんな体だから…」
「本当に由希君にはお世話になりっぱなしです…」
「そんなことないよ。俺のほうこそ…うまく言えないけど、本田さんにたくさん救われているよ」
「由希君…」


ボンッ


「わっわわっ、すっすいません////」
「………」

「さっきも言ったけど、本田さんには本当に救われているんだ。ありがとう」

由希の王子様スマイルに、透は顔が真っ赤になってしまう。

「こっこちらこそありがとうございますっ////」
「もうそろそろ紫呉や夾が帰ってくる時間だね」
「そうですね…」
「…もっと長く、本田さんと2人だけでいたかったんだけどな」
「え!!////」

ガラガラッ

「たっだいま~♪透君、由希君っ」
「ほら…もう帰ってきた。今日は楽しかったよ、本田さん」
「こちらこそですっ////」



 青く晴れていた空は、今はもう赤く夕焼けに染まっている。



                        Fin.

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

何じゃあこれは!!?…は、恥ずかしい。(爆)
実はこれ、使い回しです。それを打ち直したのですが……恥ずかしいですね。
由希君めちゃめちゃ積極的だし。
こんな駄文ですが、感想BBSにいただけると嬉しいデス。


© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: