再出発日記

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2010年10月16日
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カテゴリ: 考古学
第四回津島遺跡文化財講座にいってきました。前回作った石包丁で稲刈り体験です。

その前に弥生の米つくりについての学習。学んだことをメモします。
・現在日本の農家で栽培している稲は、実る時期がほぼ同じで背丈も短く、もみの形も均一で、突起(芒のぎ)が短い。しかし弥生の稲に近いされる赤米(総社市本庄国司神社)は、湿田や乾燥しやせた土地でも良く育つ反面、草丈が高くて倒れやすい。
・縄文時代で原始的な稲作は確かにあった(4500年前)が、陸稲や雨水を利用する天水田での稲作だった。
・縄文時代晩期後半では板付や菜畑遺跡で、水路や堰を設けた体系的な灌漑システムを伴った稲作が始まっているが、弥生時代の定義が見直されるということもあり、この時期を弥生早期という学者もいる。
・津島遺跡の水田は北部九州のそれが一区画200平方mの広さがあるのに対して、平均28平方mと小規模である。これはこの地域の水田が起伏があるために水が均一にいきわたらないための処置である。百軒川遺跡群の水田は現在4万平方mの水田を発掘。最終的にはこの地域の水田は10万平方mになるだろうといわれている。現代は一反(1000平方m)で約500キロの米が収穫できる。しかし、弥生時代では30-90キロしかできないと言われている。ちなみに奈良時代では100キロ、江戸時代130キロ、明治時代180キロである。
・弥生時代肥料もなく、水田は休耕田もあったのではないかと言われている。弥生時代というと、一面田んぼがひろがっているというイメージがあるが、それは訂正したほうがいい。

さていよいよ、石包丁に紐を通して稲刈りです。弥生時代は穂を摘み取る稲刈りになります。所長さんが最後の挨拶で言っていたのですが、弥生時代を800年間とすると、少なくとも800回稲刈りをしていたはず。その間にこの穂刈りを選んだのは、けっしていっせいに稲を摘み取るのではなく、出来上がった稲から穂を選びながら摘み取っていったのだろう、という意見でした。

N0282稲穂つみ.JPG
私はその意見に賛成します。なぜならば、今日の稲刈りもそうだったからです。同じ日に稲を陸稲で植えたにもかかわらず、まだ青々としている稲もあれば、完全に出来上がっている稲もあります。今年は暑すぎたせいか、身が詰まっている稲は少なく、これは作柄としては「不作」といわざるをえない出来です。古代米の作る難しさを感じました。

N0285脱穀.JPG


N0274アワ.JPG
さて、この畑にはほかにエゴマなどを植えています。写真は粟(アワ)です。

N0276キビ.JPG
またこれはキビ。吉備の国の名の謂れになった栽培植物なので、当然昔は稲と同じく作られたことでしょう。





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最終更新日  2010年10月16日 07時36分29秒
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