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2010年10月28日
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カテゴリ: 邦画(09~)
日本映画専門チャンネルで、仲代達矢のロングインタビューを企画していて、10月の回では次のようなことを言っていた。(「七人の侍」のときに三秒のちょい役のために一日掛けたことに懲りて)「それからは、侍としての歩き方、町人としての歩き方、浪人としての歩き方すべて考えながら歩くようにした。侍は重い刀をささげて歩くのだから当然いつも腰に重心がないといけない。声音も全て変える」これは、監督に教えられるまでもなくちょっと昔までの時代劇の役者にはみんな叩き込まれたことだというのである。

監督 : 廣木隆一
出演 : 岡田将生 、 蒼井優 、 小出恵介 、 柄本明 、 時任三郎 、 宮崎美子 、 和田聰宏 、 須藤理彩 、 若葉竜也 、 忍成修吾 、 村上淳 、 高良健吾 、 柄本佑 、 大杉漣 、 ベンガル 、 池畑慎之介 、 坂東三津五郎

この映画は侍社会の定め(運命)に抗うことが出来るのか、ということが大きなテーマになっており、二人の運命に焦点が絞られているので、非常に分かりやすくそれが提示されている。そうだとするならば、蒼井優はどこまで自然児でいられるか、小出恵介、柄本明はどこまで侍社会の定めを体現できるか、そしてその中で揺れ動く岡田将生は、最も難しい役、定めの中で生きてきて、身についたモノをどの時に表現してどの時に剥がすのかを我々に見せなくてはならなかった。

だから蒼井優がむしろ一番易しい役だったといえるのである。現代的感覚に一番近いのだから。しかし、良く頑張ってはいた。相変わらず、役ごとに見事に「声音」を変えるのはそうは言ってもなかなかできることではないと思う。柄本明の最後の場面は、あんなに喋れないだろうと思うが、比較的がんばっていた。見事な殺陣だったし。小出恵介は相変わらず、役になりきっていない。そして、岡田君も同じである。冒頭、殿が乱心して竹光のように軽々と太刀を振り回すのを見て、一挙に興ざめしてしまった。反対に言うと、時代劇の所作をリアルに描けば描くほど、この映画は非常にいいものになったはずなのである。これは、ひとえに今の監督が時代劇のエッセンスを知らな過ぎるからだと思う。周りに「注進」をするスタッフがいないからだ。今年はマーケティングのせいか知らないが、異様に時代劇が多くなってはいるが、時代劇空白の20年間、ひいて言えば、撮影所の相次ぐ閉鎖はこのように取り返しのつかない「水準」を作ったといえるのかもしれない。いや、まだ間に合う。いくつかの時代劇( 「必死剣鳥刺し」 「十三人の刺客」 )はまだ見るべきものができているからである。





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最終更新日  2010年10月29日 00時48分08秒
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