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2018年10月07日
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テーマ: ニュース(100295)
カテゴリ: 社会時評

とても重要なことをYahooニュースが書いていたので、転載する。
玉城デニー圧勝を呼んだ若者たちの“ポジティブキャンペーン” 「デニってる」でデマ退治の手法に注目〈dot.〉

10/5(金) 7:00配信 AERA dot.



 激戦が予想された沖縄県知事選は、辺野古新基地建設に反対する前衆院議員の玉城デニー氏(58)が、前宜野湾市長の佐喜眞淳氏(54)に約8万票の差をつけて完勝した。
なぜ、これほどの票差がついたのか。玉城選対の幹部は「勝因を一つ上げるとすれば」と前置きして、こう話した。
「若者たちの頑張りです。若い人たちがデニー支持のうねりをつくった。佐喜眞陣営にも若い人はいたけど、こっちはみんなボランティア。熱量が違った」
 その手法も常識にとらわれない“型破り”なものだった。その名も「ポジティブキャンペーン」。具体的な中身は後述するが、先に選挙戦序盤で選対本部が抱えていた悩みを紹介したい。
 苦い経験もあった。今年2月の名護市長選では、移設容認派の新顔を推す国会議員がツイッターに「日ハムキャンプも逃げた。結果を出していない市長を変えるのは当然だ!」と投稿。明らかなデマだったがまたたく間に拡散し、当時の現職は敗北した。
 当然、今回の選挙でも「デマ対策」は重要視されていた。では、つぶしてもつぶしても新たに出てくる誹謗中傷に、一体どうやって対抗すればいいのか……。そんな難しい課題に対して、若者たちから出てきたのがポジティブキャンペーンだった。 その戦術はシンプルなもので、ネガティブキャンペーンに対抗するのではなく、玉城氏の人柄や政策をどんどんアピールして、それを拡散させていくという作戦だった
 内部で検討された文書には、こう書かれていた。
<ネガキャンには、こちらがポジキャンで返して、ポジティブ情報を飛び交わせる>
<デニーさんのちょっといいストーリーをシェア>
<デニーさんのあったかい>
キメの細かい現場対応も検討された。メディアの世論調査では、基地問題が最大の争点だった。一方、勝敗の分かれ目である大票田の那覇市は、辺野古基地建設が進む名護市や米軍普天間飛行場のある宜野湾市から離れている。基地問題への関心は相対的に低い。また、若者世代には経済問題を重視する人も多い。会社のしがらみで投票する人もいる。つまり、基地問題を訴えるだけでは票の取りこぼしがある可能性があった。
 そこで、基地問題だけではなく、玉城氏の公約である「誰も取り残さない政治」「中高生のバス無料化」など、経済政策の情報を地域によって前面に出すことにした。
 ポジティブキャンペーンの提案者の一人である徳森りまさん(31)は、その狙いをこう話す。
「デマ情報退治は、選対の別の班が対応することになったので、私たちは正しい情報を『広げる』ことに集中しました。公式のLINEグループも作ったのですが、LINEだと年齢層が若いので、玉城デニーに興味を持ってもらえるような映像や写真を広げるようにしました」
動画や写真については、4つの制作チームがあったという。それぞれがコンテンツを制作・公開し、反応がよいものを次々に広げていく。ひたすらそれを繰り返した。また、ツイッターなどのSNSでは「デニってる」というフレーズを合言葉にした。
 効果はてきめんだった。それまでツイッターで「玉城デニー」と検索すると玉城氏を批判する情報しか表示されなかったのが、次第にポジティブ情報が現れるようになったのだ。小泉進次郎衆院議員や菅義偉官房長官など、中央で知名度の高い有力政治家を呼び、街宣車の上の高いところから演説をする風景を積極的に配信した佐喜眞陣営に対し、玉城陣営は道端で演説して、時には近寄ってきた幼い子供の目線に合わせてしゃがみこんで話しかける玉城氏の姿などを積極的にネットにアップした。
最初はちゃんと企画書を書いてたけど、途中からは走りながら考えて、思いついたことは何でもやっていく方針になりました 。そういうのがデニーさんの明るい性格と相性がよかったんでしょうね。私たちが次の日の準備を夜中までやっていることを知ると、わざわざ遠くからねぎらいに来てくれたこともありました。それにみんな感激して『デニーさんの人柄を知ってもらうために頑張ろう!』と。もう、選挙期間中の夜はずっと文化祭前夜の準備みたいでした(笑)」(徳森さん)
翁長・前知事のキャッチフレーズは「イデオロギーよりアイデンティティー」。もちろん、若者たちもそのことを意識していた。
 街を歩きながら投票を訴える時は、沖縄のお盆の伝統行事である「道ジュネー」に見立て、エイサーをやっているかのような雰囲気にした。それも「沖縄人のアイデンティティーが目覚めたら、この選挙は勝てる」(選対関係者)と計算していたからだという。
 そして9月22日に那覇市で開いた集会では、翁長・前知事の妻、樹子(みきこ)さんが参加。目に涙を浮かべながらマイクを握って「政府の権力をすべて行使して、まるで愚弄するように私たち沖縄県民を押しつぶそうとしている」と訴えた。この動画は、10万回以上再生された。
 ネット選挙や若者たちの奮闘が実際の投票にどの程度影響を与えたのか。その測定は難しいが、出口調査ではある傾向が出ていた。
 沖縄タイムス・琉球朝日放送・朝日新聞の共同出口調査によると、10代、20代では拮抗し、30代以上の世代はすべて玉城氏が上回った。さらに、無党派層では70%、女性票は61%といずれも玉城氏が圧倒した。
 また、玉城氏は野党支持層を9割固めたのに対し、佐喜眞氏は自民支持層が8割、公明支持層は7割程度しかまとめきれなかった。選挙戦の最中に行われた自民党総裁選では、沖縄県の自民党員の62%は安倍首相に投票した(全国平均は55%)。ところが、投票率は全国最低の38.9%で、全国平均を22.8ポイントも下回っていた。
 公明党も組織をまとめきれなかった。沖縄県の政界関係者は「創価学会票でまとまったのは6割、ひょっとしたら5割程度ではないか」と見ている。公明党の支持率は全国では3~4%で推移しているが、今回のNHKの出口調査では2%しかなかった。玉城氏に投票するだけではなく、投票を棄権した、あるいは公明党の支持すらやめた人が相当数いた可能性もある。
 近年の傾向で、国政の野党は60代以上では得票率が高いが、年齢が若くなるごとに自民・公明の候補が強い。今年2月の名護市長選、6月の新潟県知事選も同じで、野党候補は重要選挙で連敗した。それが今回は若い世代の票を得て勝利したことで「今後のモデルになる」(立憲民主党議員)
 若者たちが企画し、玉城氏本人も出演して9月18日に行われたクラブイベント「デニーナイト2018」にも、若い世代の自民・公明支持者が参加していた。徳森さんは言う。
「最初は選挙に関心の薄い若い人たち向けに企画したのですが、熱い人がたくさん集まってくれました。佐喜眞支持の会社で働く人で『自分はクビを覚悟でここに来てるんだ』と言う人や、東京の創価学会員の方で『本部が組織を挙げて沖縄に動員するなら、こっちも沖縄入りして新基地建設反対を訴えたかった』と話してくれる人もいました。自分たちの企画が、そういった思いを持つ人が集まる場所になってくれてうれしかった」
 翁長・前知事の急逝に始まった今回の選挙戦は、オール沖縄の分裂危機、選挙前のデマ攻撃と先の見通しのない暗雲が漂っていた。それが、「ポジティブキャンペーン」で雰囲気が一変したのだ。玉城氏のキャッチフレーズである「新時代沖縄」を担う若者たちの“明るさ”が、勝利を呼び寄せたと言っても過言ではないだろう。(AERA dot.編集部/西岡千史)



この表を見てもわかるように、若者がおそらくこれだけの取り組みをしたので、今回は20代で投票率が拮抗したのだと思う。していなかったら、20代30代では目も当てられなかっただろう。

来年の参議員選挙ふくめて、こういう政策を知らせることはチラシでもやっているじゃないか、という年寄りの思い込みは無駄である。新聞なんて読んでいない。沖縄県人さえ、沖縄の歴史を知らないというのが、今の若者だということを知らなくてはならない。このような「きめの細かい」「希望の持てる」「明るい」選挙戦こそが、安倍支配を打ち破る決め手なのだと私は思う。





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最終更新日  2018年10月07日 08時18分22秒
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