Pay it Forward  ~子宮がんになって思ったこと~

謎の影 消えず




クリニックの予約の日が近づいてきたけど
生理が終わる気配がなかった。
どうしようかな?
電話してみる。

『生理が終わってなくてもいいのできてください。』
イヤやけど、しょうがないか。

診察。
血の塊は、消えてなかった。
また、先生が悩む。

『がん検診、大丈夫やったからね』
『ちょっと、おしっこの検査してくれるかな?』
『はい』
『妊娠反応で~へんやろうけどなぁ・・・』
検査の反応が出るのを一緒に待つ。

『まぁ。で~へんわな・・・』
何回も見てくれるけど、出ないものは出ない。

『ん~。そうはしようか?』
『そうはですか?』
『うん。置いててもいいものじゃないし。何かも調べた方がいいから』
『はぁ・・・』
『頸部は血管が多いところやから、うちでやって大量出血したら危険やし、入院できる施設のある病院にやってもらおうな』
『あの、卵管造影した病院ですか?』
『そう。同じ先生にしてもらおう』

『ちょっと待ってな。電話するから!』
目の前で予約を取ってくれる。

『血の塊があってね。6cmぐらいの。先月からですね。そうはお願いしたいんですけど、スメア取りました。2です。妊娠反応はマイナスです。』

『挙児希望の患者さんです』

予約が取れた。

そうは・・・痛いのかな?
まぁ。麻酔してくれるやろうけど。
なんか、ややこしいことになってきたな。

予約の日。
卵管造影もうだいぶ前だったんで
一度しか会ったことのない先生の顔を忘れてたけど
会ってみて思い出した。

『一度、診せてもらってからどうするか考えましょうね。カメラ入れて見ながらかき出すんだったら、2~3日入院してもらわないとダメですからね。』
『はぁ・・・入院ですか?』

マジっすか?入院なんて聞いてないし。
今、仕事忙しいのになぁ。入院できるかな?
めんどくさいなぁ・・・

診察。
超音波で見てみる。

『あ~。これやね。だいぶ大きいね。ちょっとガマンしてね。』
器具を入れてみてみる。

『ん~。えっとね。だいぶ奥の方まであるから、届かないねんな。ちょっと、子宮口を広げてみて、それでこの血の塊が取れたらそれでいいし。取れへんかったら、カメラ入れて取った方がいいなぁ。子宮口を広げるのに、海草でできたマッチ棒みたいなのを何本かいれて、それがふやけて大きくなって子宮口を広げるねんけど、入れてから24時間でとらなあかんねん。今度は、いつ来れるのかな?』
『それって、2日連続て来やんとあかんってことですかね?』
『そうですね』
『ん~。じゃ、明日やったら来れますけど・・・』
『じゃ、今日入れて帰って、明日も来てもらって取ろうか?』
『はい』

この海草の棒、ラミナリアといって
シナモンがマッチサイズになったようなものです。

『じゃ、入れますけど。ちょっと痛いですよ!』

っておい!ちょっとちゃうやん!!!
痛すぎる。ハンパじゃなく痛い。
頼むから、はよ終わってくれ!

って、終わってもずっと痛い。
なにこれ?

『この痛いの、明日取るまでずっと続くんですか?』
痛い+すっごい異物感。

『座薬入れとくから、30分ぐらいで効いてくるからね』
『頓服で痛み止めと、座薬の痛み止め出しておくから』
『明日は頸部をさわりますので、大量出血する人もいらっしゃいますので、もしかして大量出血してしまったら、そのまま休んで帰ってもらうか、出血が止まらなかったら入院になるかもしれません。』

痛すぎる。
入院でも何でもいいから、この痛みをなんとかしてくれ。

30分過ぎても痛いものは痛い。
1時間過ぎても・・・結局、夜まで痛かった。
でも、仕方ないな。
確信はないけど、流産してしまったかもしれんし。
これぐらいは、ガマンしやんとな。
流れた子のこと考えたら、こんなことはガマンできるはず。


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