草原家の日々

紙芝居の演じ方

 紙芝居の演じ方 



子どもは皆お話の世界が大好き。
登場人物になりきって、物語の中で自由に遊びます。
絵本や紙芝居が想像力や集中力を養い、豊かな感情を育むのに大きな役割を果たすことは言うまでもありません。
また、保育の中では一日の流れに区切りをつけたり、活動への導入や子どもの心や体が落ち着くようにするための道具としても用います。

この紙芝居にも実はいくつかのルールがあります。
まず絵本と違って、「読む」ものではなく 「演じる」 ものである点です。
「紙 芝居 」ですからね。
お芝居であるからには舞台があります。
木の枠でできた専用の舞台に紙芝居を差し込んで演じるのが本当の姿です。
幕がついていて、ひもを引くとするすると開くものもあります。

でも、実際にはこの舞台を備えた園は多くありません。
その場合は、手に持つかテーブルなど何か他の台を用いるかしています。
そして、一番大切なことは 読み手が顔を出していること です。
絵本は本自体が物語の世界ですが、紙芝居の場合は横に立つ読み手の表情も含めてひとつのお芝居になるのです。
ですから紙芝居は「演じる」ものであって、この点が絵本と大きく違います。
ところが、横に立つと裏の文章が見づらいので、いざやってみると読み手が紙芝居を目の前に持って顔を隠してただ読むだけになってしまうことが多いのです。
これでは紙芝居が成り立たず、楽しさも半減してしまいます。
そうならないためには、前もって内容をよく読んでおき、紙芝居の裏だけではなく表もみながら、更に見ている子どもたちの顔に目を向けて反応を見ながらお話しできるようになるのが理想です。

もうひとつ大切な点は画面の抜き方、絵本でいうところのページをめくる作業です。
紙芝居の裏には、一枚が終わると必ず「-ぬく-」と書かれています。
途中で「-半分ぬく-」と書かれている場合もあります。
本来なら舞台に差し込まれているものですから 「抜く」 となるわけで、 右手を使って真横に引き抜く のが正しい方法です。
ところが、手に持っていると横に引くよりも上にあげて後ろにもってくる方がらくなので、抜くという作業が省略されやすくなってしまいます。
これでは、やはり紙芝居の世界は壊れてしまいます。
紙芝居の作家は画面が横に流れることを前提に構図をとり、絵を描いているのですから、これもきちんと守りたい点です。
また、一番最後もそれまでの画面と同じように抜いて1枚目に戻してしまうことがありますが、これは間違いです。
よく見ると最後の一枚には「-ぬく-」の文字は入っていません。
最後の画面で止めて「おわり」というのが正解です。

…と、いろいろ細かい事をならべましたが、何よりも大切なのはやっぱり読み手も見る側も楽しめること!
図書館などで貸し出している所もあるので、見つけたら一度手に取ってみてはいかがでしょう?
お子さんに見せてあげるのはもちろん、小学生くらいだったら逆に演じてもらうのもいいですし、大人どうしで見てもけっこう楽しいですよ。

紙芝居はたいてい枚数が決まっていて「○画面」と数えます。
標準的なものは12画面、やさしいお話だと8画面、長編は16画面、それ以上長いと舞台に入らなくなるので組み合わせて前・後編や前・中・後編というのもあります。
選ぶときの参考にしてみて下さい。

お話の世界をぜひ親子で楽しく旅してみましょう♪




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