本について。



このサイトトップにあるように、私は元々本好き。
親からのクリスマスプレゼントもバービー人形よりも本が欲しかった。

・・・せっかくのバービーもすぐに裸のまんま放り出してしまい、結局は妹が服を着せてかわいがっていたりした。

「何が欲しい」と親に聞かれれば必ず「本」と答えていたが、両親、特に母親は私が本を読むことを余り喜ばなかった。

丈夫な方ではなくできるだけ外で遊ばせたいのに、閉じこもって本ばかり読んでいる子供が気味悪くもあり、心配でもあったのだろう。

今もそうだが体育などの身体を動かす事が大嫌い。
・・・運動は身体に悪いなどと放言したりなんかしてもいる・・

思春期を何とか乗り切れたのは本のお陰だと自分では思ったりしているが、この頃は本を読んでいるのを見つかっただけで、叩かれた事もある。

そのせいかどうも人前で本について語る事ができない。
何か悪い事をしているような気がする。

中学の終わり頃から夜遊びを始めて、その頃の仲間とは30年近い付き合いになる人達もいるが、未だに私が本好きとは知らない友人もいる。

まあ今から思えば読みすぎだったんだろう。
現実逃避の一方法としての読書だったわけだが、少々度が過ぎていた事は否めない。

勿論親掛かりな境遇では読みたい本が自由に買える事もなく、図書館、古本屋は中学の頃から愛用?していた。

一度でいいから欲しい本を全部買ってみたい。
これは未だに果たせていない。

何年か前、癌の入院保険金が入った時に20万持って書店に行った。
新刊本にはすでに興味が失せていたので古書店に行ったが、それでも欲しい本を全部買えた訳ではない。
何だか細々と買っただけだった。

10代までは所謂名作。
20代は小説。
30代は書評、歴史、ノンフィクション。

大きな読書傾向は↑。

30代になって初めて自分の読書というものができたような気がしている。
40代になった今は切実に欲しいと思える本は新刊本にはほぼない。

今住んでいるのは店に近い理由で借りているアパート。
なのであまり本は置けない。

ちょっと欲しいとか読みたいという理由では迂闊に買えない状態が続いている。

現在はインターネットやらPCやらで、物心ついてから一番読まない時期だろう。
読書量は激減した。
PCを買う前の1/10以下だろう。

それでも一日本を開かない日はまずない。
寝床の枕元には(今見たら)20冊ほど散らばっている。

本は確かに読まないよりは読んだ方がいい。
だが読んだだけでは単なる印刷物にしかならない。

歴史物、ノンフィクションなどを読むときに一方からのみの見方の本を自分にとって好ましいだけで読むと間違いの元になる。
たとえ気に食わなくとも反対側の見方の本も読む事によって、歴史というものの真実がほんのりと見えてくる事もある。

事実と真実は違うという言葉をこの頃は強く感じるようになった。

ネットを始めて良かったと思える事が本に関して一つある。
好きで集めようとしていた全集の端本の続きが読みたかったが、どうしても近隣の古書店では見つからなかった。

そこで「こんな本を探しています」サービスを利用してみた。
京都の古書店から「あります」というメールが来、一年以上かけてお陰でほぼ揃った。

刊行されてから70年経った本。
足で探していてはとてもおぼつかない。

大好きな本と始めたばかりのネットが繋がった。







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