本棚左5段目前


しかも前側は全部トム・クランシー。

「レッド・オクトーバーを追え」上下
トム・クランシーが世に出た最初の一冊。
元々ベストセラーものに興味を持つ方ではないので初版ではない。
確か週刊文春の書評を読んでから購入したはず。
これを読んだ頃はまだ軍事物を読み慣れていなかったために、まず専門用語でけつまずいたが時系列で記述されているためか読みやすかった。
これはお勧め本。
そして今は崩壊したソ連という国の最末期をよく描いてもいる。

「愛国者のゲーム」上下
トム・クランシー本には欠かせない「ジャック・ライアン」が主人公。
実は私はジャック・ライアンのファンなのかもしれない。
時代背景は第一作より遡っている。
人種・宗教についてもおさらいできる。

「クレムリンの枢機卿」上下
これも旧ソ連という国が持っていた暗部、矛盾をよく描いている。
そして対アフガンというよりも対イスラムの戦いというものの難しさも書かれている。

「いま、そこにある危機」上下
これは第一作と並んで映画化された為に読んだ方も多いだろう。
出だしの陰惨な事件はよくアメリカで出版できたなと思うが。
未だにくすぶるコロンビアの麻薬カルテルの実態の一端が判る。

「恐怖の総和」上下
愚かな権力者が一人いるとどれほどの災厄をもたらすのかを伝えてくれる。
また愚かな権力者でなくとも判断を誤ると同じように災厄をもたらすのだという事も。

「日米開戦」上下
頑張って書いてはいるが、やはり日本人というのは描くのには難しいのだろう。
そこの処の記述は我々日本人は片目で見ることにして。
2001年9月のWTCビルのテロの時、この本を思い出したのは私だけではあるまい。
微妙にシチュエーションは違うが、やり方としては酷似している。
あのテロの時に「民間機を使うという思いがけないやり方で・・」という報道があったが、マスコミ関係者というのはこんな娯楽小説は読まないのか。

私はこの本で現在の国際金融の実態を学んだ。

「合衆国崩壊」1~4
ジャック・ライアンの身の上に劇的な変化が前作の終わりにあった。
これは前作の完全な続編。
というか前作の1秒後から始まっている。
生物兵器についての記述は正直いって読むのがつらい。
しかしこれが日本で使われたら原因を探るまでに国民の8割は死んでいるだろう。

「大戦勃発」1~4
ジャック・ライアンの身の上の変化に伴い、物語も大仕掛けになって来、正直いってこれが最後になるのかもしれないと思っている。


「容赦なく」上下
ジャック・ライアンが主人公ではない。
時系列でいうとジャック・ライアンの父親が登場する設定。

「レインボー・シックス」1~4
これも主人公はジャック・ライアンではない。
しかしシリーズに出てくるおなじみの名前が多く、マニアには楽しめる。
非常に大雑把な言い方だが、セキュリティというものを考えるのにもおおだろう。


以上で「トム・クランシー」コーナーはおしまい。
軍事兵器の略称などが最初は頭に入りにくく、難儀した。
しかしこの作家の難儀な処は著書のどれかを読み始めると、結局手持ちの全冊を読まなければ気が済まなくなる事だろうか。

所詮はアメリカ万歳のお気楽娯楽小説であることは間違いない。
でもそれだけでは何度も読み返す理由は説明できない。






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