インド洋に浮かぶフランス、レユニオン島

インド洋に浮かぶフランス、レユニオン島

●火山噴火!(Volcan)


<●火山噴火・2004年8月>


レユニオン島の火山、ピトン・ド・ラ・フォルネーズの成立は2万年前だそうです。新しい活火山で、いまも時々噴火しています。

2004年8月、この山の噴火活動が活発化し、溶岩が流れ出しました。レユニオン島の火山はこうして時々、溶岩を噴出します。サラサラなので、ゆっくり海に流れ込み、たいていの場合、住民が避難活動をする程にはいたりません。

海に流れ出る溶岩2

今回の噴火では、たくさんの溶岩が流れ出ました。多くの住民にとっては、これは大スペクタクルなので、毎日ローカルニュースにかじりついて、「国道まであと○○メートル!」、「海岸まであと○○メートル!」と、島中はこの話題で持ちきりです。

国道を横切ると、溶岩がなだれだすのが終わってしばらくしないと道路の復旧工事は行われません(当然ですが)。しかしこの国道は島を一周するための大事な道。しばしの間、付近の住民は不自由を強いられます。住民の心配をよそに、関係のない観光客や影響のない地域に住む人たちは、溶岩が国道を横切るのを、こちらの人気ローカルラジオ、FreeDomに、耳をすませ、いまかいまかと待ち受けています。


溶岩が流れ出て道路がふさがる!

国道の近くまで来ると、みな流れ出る溶岩を見物しに、いっせいに車を走らせ、島の南部に向かいます。おかげで交通路は麻痺状態です。

今回の溶岩流出は、何日もかけて、ゆっくりゆっくり海岸線に向かって流れていきました。国道を横切り、そして、海に流れ込んだ様子がしたの写真です。空気に触れ、水に触れ、溶岩はすぐに固くなり黒くなりますが、その黒くなった表面下では溶岩が流れ続けています。カメラを抱えて多くの人が近づこうとするのですが、そこは一応、憲兵(gendarme 警察業務も担当する)が来て、近づかせないようにしています。

湾に流れ出て固まった溶岩

海に溶岩が流れ出すのを見るのは圧巻です。大変な水蒸気がインド洋の大きな波が来るたびに、白く巻き上がります。その中に赤々とひかるドロッとした液体が見えます。夜中に来れば、真っ暗中、溶岩が赤々と流れるのがみえて、もっと感動的です。でも、さすがに暗くなると足元が危険・・・。私は、今回、3回も行きました。夜中に行ったときは、雨も降ってくるし、足元も悪いし、人ごみで(!)車も前後することができず、立ち往生してしまいました。それでも、大自然の息吹を肌で感じるスゴイ体験でした。

溶岩を見物する人




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<●火山噴火・2005年2月>

レユニオン島のフォルネーズ火山は、島を構成する2つの火山のうちの、新しい火山です(もう一つは、現在、死火山)。50万年前に、噴火で海から盛り上がって、レユニオン島の南部を作りました。( レユニオン島の地図

平均して、二年に一度、活動が活発化し、溶岩を吐き出します。サラサラした溶岩が、流れ出るので、日本の溶岩のように、白い灰を、空一面に撒き散らして、大爆発することは、ありません。(ハワイの火山も同じ種類だそうです。)  前回の噴火 は、8月だったので、今回は、誰もが予想していなかった、うれしい驚き。

しかも、こんな場合、憲兵(Genderme)、消防隊、救急病院が、現地に本部を設置され、危険な場所、時は、即座に知らされるので、見物に危険はありません。


そんなわけで、再び、大雨の後、友達に誘われて、再び、島の東に、溶岩の流れ出るのを見物しに、サンドニ市から、一時間半弱かけて行ってきました。

火山の活動の活発化は、昨日(2月17日)から、それなのに、溶岩は、ものすごい勢いで、流れ出していて、明日、19日には、3キロほど先の、国道を覆ってしまいそうです。溶岩の光で、南の空は、真っ赤に染まっています。

よく見ると、遠くに、山のてっぺんから、火口から溶岩が、絶え間なく吐き出されるのが、肉眼でも見えるほどです。このあたりは、民家がないので、光害がなく、真っ暗な闇の中で、遠くからも、溶岩がキラキラと朱色に、光り輝いているのが、美しく見えます。

溶岩は、一つの赤く光る川を作って、緩やかに流れています。やはり、夜の溶岩は、どんな照明よりも、美しいです。まるで、ルビーが溶けて、流れ出しているみたい。

雨はぱらぱら降っていましたが、北の海の向こうには、稲妻が光り、地球の誕生の頃ってこんな感じだったのかなぁと、勝手にロマンに浸っておりました。

熱気をほんのり感じながら、こうして間近で地球の動きを感じるのは、言葉に尽くせない感動があります。



人間って、自然の驚異を恐れると同時に、その驚異に、近づいてみたい、肌で感じてみたいって、いう、相反する願望があるのではないでしょうか?それは、わたしだけなのでしょうか?


危険があることは、したことがないのですが、大きなうねる海のそばに身をおいたり、大雨を感じたり、普段より勢いの増した滝を見に行ったり、災害を恐れる気持ちと同時に、そんな自然の力強さ、人間の力でねじ伏せることのできない、そんな力を感じてみたい、そんな願望が、どこかにあるような気がします。




<写真> 下の写真は、去年の8月の噴火の際に撮ったものです。溶岩は、大気に触れ、冷めて、固まり、黒くなります。でも、固まった表面化では、活発に溶岩が流れ、割れた表面の隙間から、赤々と光る溶岩が、あちこちで見られます。ときどき、大きな音を立てて、溶岩の表面が割れる音が聞こえます。






© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: