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汚れなき咎人
みんなで鬼ごっこをしている時だったと思う。いつものように走ってみんなから逃げていたら、いつの間にか誰もいなくなってしまって
いた。
いつもこうだ。みんな遅い。みんなは僕が速いなんて言うけど、みんなが遅いんだ。うん、そうだ。
と、天を仰いだら、
ドゥン!
閃光に、吹き飛ばされた。
頭が働くのに少々時間がかかった。
体中痛むのを必死に堪えて立ち上がると、目の前に炎があった。
いや、火の海だ。さっきまで走っていた森、遊んでいた原っぱ、住んでいた村が燃えている。
僕の家は……? と目を凝らす。村の外れにあった家は幸いにも炎から逃れ無事だった。ひとまずホッとする。
すると――空から一つの光が家に向かって飛んでくる。
危ない、と、逃げて、と叫ぼうとしたその時には、既に家は吹き飛んでいた。
ああ、
だから、言ったんだ。
僕は速くなんかない、って……
汚れなき咎人
なにがどうしてそうなったのか、よく覚えていない。
いや、覚えていないのではなく、覚える必要がなかったが正解かもしれない。
燃える村を呆然と見続けていたら怖いおじさんたちに連れてかれて、気がついたらおかしなとこにいた。
そこは白い壁に覆われていて、建物の周りをギザギザの線が塞いでいた。
僕ぐらいの子供がたくさんいて、みんな服は上着一枚きりだった。他にくれないから。
ここはどこなの? と聞いても大人は誰も答えてくれない。お家に帰りたいとかお母さんとか泣いている子供は花火みたいな音のあとに
頭が破裂して動かなくなるからしばらくすると誰も泣かなくなった。
みんな顔がなかった。
顔が一つもない。みんな頭にあるのはあるのは下手くそな絵みたいな塊だけ。少しも動かない。
ある時森みたいな服を着た大人が「気持ち悪いガキ共」と言っていた。別に何とも思わなかった。
その場所、大人たちが「収容所」と呼んでいた場所の生活は、わからなかった。
別に楽しいとか苦しいとかは別にない。確かに一日中穴掘りさせられるし、番号で呼ばれるし、食事はカビが生えているかカチカチに固
いパンとお湯みたいなスープしかなかったけど、別にどうとも思わなかった。
止まってしまった。
いつも思う。止まってしまったと。
あの日、村が燃えていくのを見たとき、僕の中で何かが止まってしまった。
何なのかよくわからないけど、多分再び動き出すことはないと思う。
あ、食事の時間だ。早く行かないと取られちゃう。
早く、早く……
ザクザク、ザクザク……
穴を掘る。
ザクザク、ザクザク……
穴を掘る。
いつもそれの繰り返し。変わることなんかあり得ない。
ただただ穴を掘る。お腹が空いても暑くても寒くても穴を掘る。
途中で誰かが倒れても穴を掘る。誰かが逃げようとして頭破裂しても穴を掘る。
ザクザクザク、ザクザクザク……
みんなより早く掘る。終わらそうとして早く掘る。
早く終わっても他のところをやらされるだけだけど、それでも早く掘る。
ザクザクザクザク、ザクザクザクザク……
早く掘ろうとしてたのが良かったのか、僕が一番早く掘るようになった。
みんな遅い。ザク、ザク、ザク、ザク……みんな僕よりずっと遅い。
誰かが疲れて倒れた。緑色の大人が寄ってきて立てと命令する。けどなんか今日は妙に優しいな。
でもその子は立てない。すると、大人は黒い筒を向けた。あの筒を向けられると頭が破裂しちゃうんだよな。
そしていつもの光が……あれ?
光が遅い……?
あ、先端から何か、出てきた。黒い……粒?
あの子の頭にめり込んでいって……破裂した。
今日のスープは一段とひどい。
いつものように透明だけど、なんかドロドロしている。スライムみたいなスープ。気持ち悪い。
あれ、パンはいつもより柔らかいな。普通のパンみたい。カビは……生えてない。あれ?
……ん、スープ飲んでみると普通だな。見てるとねばーっとして気持ち悪いけど、口の中に入れるとただの薄いスープ。おかしいな。
おかしいと言えば、みんな食べるのが遅い。そんなにゆっくり食べてたら怒られるのに……どうして?
おっと、スプーン落とした。取らないと。
ヒョイ。
危ない危ない。落ちるところだった。
…………え?
今僕何した?
スプーンを……落ちる前に拾った?
……そんなパカな。
そんなことできるわけが……
……あ
緑色の大人が来た。
黒い筒を向けて……!
パァン!
あの黒い粒が飛んできた。ゆっくりと。
いけない。
これに当たるといけない。
そう思って、咄嗟に避けた。
ギリギリで、ちょっと頬が切れたけど外れて、粒は床に吸い込まれていった。
ふう、危なかった。
……あれ?
みんな止まっている。みんなこっちを見ている。信じられないって顔をしている。
だって、あんなに遅いの避けれるでしょ? みんなどうしてそんなに遅……
と、そこで、
切れた頬から血が落ちた。
ゆっくり、ゆっくりと。
呆れるような遅さで、手の中に落ちた。
…………
……違う。
時計を見る。秒針が長針になっていた。
長針みたく遅くなっていた。
……違う。
みんなが遅いんじゃない。
僕が、速いんだ。
…………
…………は
はは。
ははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは
はははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは
はははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは
はははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!!
速い、早い、はやいはやいはやい!!
みんなおかしな顔してる! おかしな顔しようとしてる! すごいゆっくりと!
信じられない、なんて遅さなんだ! 呆れるくらいウスノロだ!
遅い、おそいおそいおそい!
また筒を向けてきた。はっ、そんな遅さで何するの!?
ほらほら遅いよ! 出す前に逃げれるよ!
遅いよ、遅いよ遅いよ遅いよみんな!
速いよ、速いよ早いよ早いよ僕!!
その場所からすぐさま逃げ出した。
当然だ、あんな襲い場所にいつまでもいられるか!
あの変な筒だって全然怖くない! 避けるのも弾くのも掴まえるのも朝飯前だ!
走る、走る走る走る! 誰よりも速く!
途中変なの踏んで後ろが光ったけど、全然なんでもない! そんなのに僕を捕まえられやしない!
いつしか僕はあの場所の大人たちのようなのから食べ物を盗んで暮らすようになった。大人たちは追いかけるけど、無駄無駄無駄! ど
んなに黒い粒を出したって、僕は避けれるんだ! 意味がないんだ!
ははは、ははははは、
ははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは
はははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは
はははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは
ははははははははははははは!!
誰も追いつけやしない!
僕は世界で一番速いんだ!
「おや、君かね最近軍を騒がせているやたら足の早いコソドロとは」
……え?
その日は、いつも通りあの緑色の大人から食べ物を盗んで、そのまま逃げていた。いつも通り。
そう、いつも通りなんの問題もなかった。
目の前に立ちはだかるこのおじさんを除いては。
「驚いているようだね。なに、君に追いついたわけではない。逃走経路を予想して、逃げ道を作っておいただけさ。いくら速くても、壁は
すり抜けられないだろう?」
と、やけに間延びした声でそのおじさんは明るい声で言った。
間延びした声……僕はニヤリとした。
別に間延びした口調なんじゃない。僕が速すぎて喋るのが遅く聞こえるだけだ。
つまり、こいつは速くない……!
「しかし、まさか軍がこんな子供にいいように翻弄されるとはね。君は有名人なんだよ? 敵軍の新兵器かなんて憶測が飛び交うくらい」
「子供じゃ、ない……」
ぐにゃりと顔を歪ませ、嘲笑うかのように言う。その様子にそのおじさんは楽しそうに「ほう?」と言った。
「僕は……世界で一番速い男だ!」
ぐっと足に力を込め、一気に突っ込む。
その速さを知覚する暇もなく、ただ突き飛ばされ
「……そうでもないぞ?」
「……!?」
めりっ、
そんな音がするほど、お腹にパンチが埋め込まれた。
「がっ……」
とても立ってられず、その場に倒れこむ。朝食べたパンが逆流して吐き出す。
「ふむ、速いことは速いがまだまだだな。それに速さの弱みを知らん。そのままではいずれ自滅は必死だ」
速さの……弱み……? 言っていることがさっぱりわからない。
「しかし、面白い……実に面白い。どうだ、うちに来ないか?」
楽しそうな声が上から響く。何を言ってるんだこの人は?
「食事も生活も保障するぞ? まあ不自由ではあるが、お前そのままでは長生きできない。それに……遅いままでいいのか?」
ピクリ。
遅い、の言葉に反応する。
遅い? 僕が?
……冗談じゃない。
遅くちゃいけないんだ、僕は。
速く、速くなくちゃいけないんだ。
速くなくちゃ……何も出来ない。
「……いいよ」
「お?」
「入るよ、おじさんのとこに」
「おお」
おじさんは心底嬉しそうな顔をした。なんなのこの人。
「よし、決定だ。時にお前、名前は?」
「……11」
ちょっと迷って、あの場所での名前を出した。本名を言いづらかったからだけど、許してはくれなかった。
「11? ああ、お前あそこのガキなのか? そんな番号名は聞いてない。本名はなんなんだ?」
本名は、あの場所でも言わなかった。別に必要なかったし。
それに……あの日、僕は『死んだ』。そんな気が、したから。
でも……
「……――」
「ん? よく聞こえない、なんて言った?」
今日、この日、僕は、
「――――」
「ほう、いい名前じゃないか。よし、今日からお前は我が軍の一員だ」
生き返った。そんな気が、した。
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