「静かな場所」別館by親父りゅう

「静かな場所」別館by親父りゅう

演奏会(1971年8月~73年12月)

演奏会(1971~73)


私が聴いたクラシック・コンサートの記録です。
クラシックを本格的(?)に聴き始めたのが(だいたい1970年の後半頃)で、71年から、ぼちぼち地元のコンサートにも行くようになりました。その記録です。



1971年
安川加寿子ピアノ・リサイタル
中村紘子・京都市交響楽団演奏会(指揮:渡辺暁雄)

1972年
東京芸大生による 楽しい楽しい春のコンサート
東京フィルハーモニー交響楽団演奏会(指揮:渡辺暁雄)
安川加寿子ピアノリサイタル

1973年
園田高広 ピアノリサイタル
フィリップ・アントルモン ピアノリサイタル
伊勢混声合唱団第2回発表会
岩崎洸、朝比奈隆指揮大阪フィルハーモニー交響楽団
第9演奏会(外山雄三指揮大阪フィル)



















安川加寿子ピアノ・リサイタル


1971.8.25(木)   伊勢市観光文化会館




曲目 


ショパンの作品から バラードNo.1,No.4 ピアノソナタo.2  
エチュードop.10~3,5,8,12  同op.25~1,2,3,5,7,11
子守歌   遺作のワルツ     英雄ポロネーズ

初めて行ったクラシックコンサートでした。
ホールの落成記念で無料であったと記憶しています。
会館が購入したヤマハのフルコンが話題になっており、私達も、一音たりとも聞き逃さないぞという気持ちで集中して聴いていました。
当時ほとんどが知らない曲でしたが、「葬送ソナタ」の3楽章(特に中間部)に魅了されました。
伊勢市観光文化会館は、当時の我が家から50mほど離れたところにあり、窓を開けると目の前にその側面がそびえていました。
その前身の「伊勢会館」は幼い私達の遊び場でもありましたが、この「観光文化会館」ができることになり、解体。
大きな金属球が地響きを立てて伊勢会館を壊していく、その様子を毎日窓から見ておりました。









中村紘子・京都市交響楽団演奏会(指揮:渡辺暁雄)

1971.9.15(祝)   三重県文化会館










曲目  
モーツァルト「フィガロの結婚」序曲   
ショパン ピアノ協奏曲No.1  
ブラームス 交響曲第4番

友人と電車に乗って聴きに行きました。
初めての生オーケストラ。
予定では大野洋氏の指揮でしたが、「氏急病のため」渡辺暁雄氏の指揮となりました。
中村紘子氏はテレビ等で広く人気が出る前で、空席もけっこうありました。
「フィガロ」以外は初めて聴く曲ばかりで、帰り道、ブラームス3mvt.でのトライアングルの響きがいつまでも頭の中で鳴っていました。








東京芸大生による  楽しい楽しい春のコンサート

1972.3.18  伊勢市観光文化会館













現役芸大生が11人出演し、歌唱やピアノ独奏を聴かせてくれました。
後に本格派テノールとして活躍し惜しくも夭折した山路芳久氏(テノール、当時声楽科3年生)が出演していました。



残念ながら、記憶に残っておりません!!

出演者は次の通りです。
ソプラノ   小林明美、松本泰子       
メゾソプラノ  秋吉千枝子、欠田登久子
テノール  笠井幹夫、山路芳久      
バリトン  桜井直樹、白坂俊一
ピアノ   杉山哲雄、山本和美、横山由紀子








和波孝禧(たかよし)、東京フィルハーモニー交響楽団演奏会(指揮:渡辺暁雄) 

1972.8.12  伊勢市観光文化会館 








曲目 
ロッシーニ 「セヴィリアの理髪師」序曲   
メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲(vn:和波孝禧) 
ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」    
ラデツキー行進曲(アンコール)

2回目のオーケストラ『生』体験は、また渡辺暁雄氏の指揮でした。
中学生対象の「青少年芸術劇場」として行われた公演で、市内の中学3年生全員が招待されました。もちろん、授業の一環として。
演奏の合間に渡辺氏による簡単な解説がありました。
和波氏の真摯な演奏に、クラシックに興味のない中学生達もけっこう静かに聞き入っていました。
当時「英雄」は、レコードやFMなどでまだ数種しか聴いたことがなく、実演は新鮮でした。
アンコールは「ラデツキー行進曲」で、指揮者に促されて手拍子をしたことを憶えています。
終演後は、みんなと離れて楽屋へ直行し、渡辺氏にサインを頂きました。温和な笑顔でした。







安川加寿子ピアノリサイタル

1972.8.26   伊勢市観光文化会館







曲目  
モーツァルト:ピアノソナタNo.11 K.331  
シューマン:幻想小曲集(全8曲)  
ドビュッシー:子どもの領分    
ショパン:バラードNo.2,No.3    
ラヴェル:「クープランの墓」より 前奏曲、メヌエット、トッカータ

安川加寿子72


開館記念公演から1年、安川氏がまた伊勢に来てくれました。
オール・ショパンだった前回に比して今回のプログラムはバラエティに富んでいました。
当時私は、ピアノ音楽はそれほど聴き込んでおらず、ショパン、シューマン、ラヴェルなどはこの時に初めて耳にしたのかも知れません。
「子どもの領分」は気に入っていて、白い泡クリームがふくらんでは消えるかのような第一曲「グラドス・アド・パルナッスム博士」、情景を彷彿とさせる「雪が踊っている」など、一番楽しんで聴きました。
レコ芸から切り抜いた写真を貼りつけた厚紙を持って楽屋に伺いました。
それを見た安川氏、「こってるねぇ。」と一言おっしゃって、サインをしてくださいました。







園田高広 ピアノリサイタル
 1973.5.27   伊勢市観光文化会館 





園田高弘1973




曲目  
フランク:前奏曲、コラールとフーガ   
ベートーヴェン:ピアノソナタ「熱情」   
ベルク:ソナタNo.1 
シューベルト:「さすらい人」幻想曲


当時、ピアノを弾くことに熱中していました。
ベートーヴェンの「三大ソナタ」や「皇帝」などを好んで聴き、「いつか自分も弾いてみたい」なんて、はかない夢をみていたころでした。
「悲愴」ソナタの第3楽章を弾きこなそうと、稚拙なテクニックながらもピアノをよく弾いていました。
(もちろん、習っていた曲はもっと平易な曲達。)
ですから、「さすらい人」は「予習」などもして聴きに出かけました。
会場は驚くほど不入りで、最前列では小学生の女の子が数人陣取って(たぶん、ピアノを習っている子達でしょう。親に無理やり連れてこられたのかも?)聴いているのはいいのですが、髪をふりみだしての演奏姿を見てゲラゲラと笑う態度には閉口しました。
しかし演奏は素晴らしく、特に「熱情」のスリリングなフィナーレに圧倒されました。
終演後、友人達と楽屋を訪ね、短時間だったがソファに座ってのピアノ談義をしてくださったのがうれしい思い出です。
サインは、その時にいただいたもの。
厚紙に茶色のマジックという無粋な用意に苦笑しながらも笑顔でサインしてくださったのでした。








フィリップ・アントルモン ピアノリサイタル


1973.6.7   三重県文化会館






曲目 
モーツァルト:ピアノソナタNo.11「トルコ行進曲付」  
ベートーヴェン:ピアノソナタ Op.49-2,同Op.27-2「月光」
ショパン:バラードNo.3  スケルツォNo.2  ノクターンNo.8  ポロネーズNo.8「英雄」

初めて聴く外来演奏家でしたが、会場のピアノの音が気に入らず、「まあまあ」という印象。
女性客の多いコンサートでした。



アントルモン1973






伊勢混声合唱団演奏会

1973.11.11(日)   商工会議所5階ホール






曲目
第1部《メンデルスゾーン作品集》
・ひばりの歌
・三つの民謡
・五月の歌
・森にわかるる歌
・羊飼いの歌
第2部《みんなで歌おう》~「明るい月は輝く」(ロシア民謡)
第3部《パレストリーナ/ミサ・ブレヴィス(全曲)》
第4部《こどもたちのうた“おかあさん”(作曲:中田喜直)》
あさ わらいかた  あのねえ先生  いのちというものは
しけん   パーマネント   しりたいねん
すきやき   わからへん   ねるとき

指揮:西山嘉代子、杉山正則(第3部のみ)
ピアノ:森幸子
朗読:山川陽子





朝比奈隆・大阪フィルハーモニー交響楽団(チェロ:岩崎洸)

1973.11.22   伊勢市観光文化会館









曲目
 グリンカ「ルスランとリュドミーラ」序曲  
 ドボルザーク:チェロ協奏曲(vc:岩崎洸) 
 チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」
アンコール:「アンダンテ・カンタービレ」(チャイコフスキー)

それまでのコンサートとは比較にならない程感動した演奏会。
オーケストラ音楽の醍醐味に思いっきり浸った日でした。
前二回のオケ体験も一気にかすんでしまう、そんな演奏会でした。
朝比奈氏は、舞台への登場からして絵になる人でした。
一曲目の「ルスランと・・・」から豪快なオケのパワーに圧倒され、「悲愴」での怒涛の打楽器群に至って、興奮は頂点に。
第3楽章山場でのテンポ変化も「ええ~っ、でも、すご~~い!!」って感じで納得してました。
第3楽章が大音響で終結した後、「ふぅ~~~。」とため息がもれました。
チェロ協の方は・・・あまり印象に残っていません。
アンコールはたしか「アンダンテ・カンタービレ」。
楽屋口でパンフにサインをお願いすると、写真を見て「さえない顔だねぇ。」とかおっしゃられて、その後、道路をへだてて向いの近鉄宇治山田駅の方へあの歩調で悠々と歩いていかれました。
長いコートがカッコ良くて、友人達と見惚れていますと、サインをもらっていない人が全速力で追いかけていきました。
朝比奈&大フィルは前年か前々年にも伊勢に来ていましたが、その時は聴いていませんでした。
この日以来「朝比奈隆」は、私の最も注目すべき指揮者の一人として記憶されたのです。






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第9演奏会(外山雄三指揮大阪フィル)

1973.12.24 伊勢市観光文化会館  






曲目
ベートーヴェン:「エグモント」序曲   
交響曲第9番「合唱」

ソリスト:大川隆子(sop.),成田絵智子(ait),下野昇(ten.),田島好一(br)   合唱:伊勢労音第九を歌う会(合唱指揮:桜井武雄)


伊勢労音は、72年から三年連続で大阪フィルとの第九演奏会を行いました。
72年の1回目はチケットが入手できず、音がもれ聞えてこないかと、自宅の窓から会館の方へ首をのばしていました。
そして、73年。
正確には「聴いた」のではなく「参加」しました。
所属していた高校の合唱部の顧問が「第九を歌う会」の指導をしていた関係で参加することになったのです。
第九の声楽パートは音域が高く、非常に歌いづらいものでしたが、大フィルと共演できるとあって張り切って練習したものでした。
当日は第2楽章までは舞台の袖で待機し、2楽章後に舞台に登場、第3楽章からは立ったまま舞台で待つという、ちょっとしんどいものでした。
なにしろ地方の多目的ホールゆえ、合唱隊が座って待つスペースがなかったのです。
それでも、舞台裏(それもティンパニの真後ろ)で聴く「エグモント」や第1楽章再現部、第2楽章のティンパニ強打など、当時の私には興味が尽きませんでした。
外山氏の指揮は簡素ながらも力強く、あの大きな顔(失礼!)の大きな目でギョロッと睨まれるとかなり緊張しました。
フィナーレ終結部で沸き起こってくる不思議な一体感も、ディスクでは経験できないものでした。






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