●部活-1年生-●

『吹奏楽部に好きなK先輩がいた』
たったそれだけの単純な理由で入った【吹奏楽部】
でも顧問がスゴイ人だったので、、
その時のウチの中学校の吹奏楽部はマーチングでは全国常連校。
座奏(いわゆる座って吹く)でも関西までは当たり前で、次の全国を狙ってた学校。
そんな中に志半ばで入ったウチは毎日とまどうばかり。
ウチが吹いてた楽器はSAX
前から吹いてみたいとは思っていたけれどいざ吹いてみると……
口は痛くなるし首は痛いし。。
でも、やっぱり吹いてみたいと思ってた楽器だからすごい嬉しかった。
先生もウチのヤル気を見てウチをSAXにしてくれたみたいで。。
ウチらの学年はすごい少なかったから夏休み前までは
自分と同じ楽器の3年生の先輩が一人ずつつきっきり状態で見てくれた。
やっぱり3年生の先輩はすごい恐くて…
でも、ウチはF先輩(男)ですっごい優しかった。。
優しいF先輩にあまやかされたウチ。

夏休み前からはOBのM先輩が毎日のように来てくれて教えてくれた。
夏休み前からは先輩達も本格的に座奏の練習をし始めた…
1年の中でも弦バス引いてた子もいた。
ウチは人形。いわゆる、吹いていないけど吹いてるように舞台には出るってヤツ。
でも人形の子は練習なんてないから毎日デイリー(デイリートレーニング)と個人練。

夏休みに入るとマーチングの練習が本格的に始まった。
合宿で先輩達が座奏の練習をしている間、
マーチングの先生にちょっとした動きを教えてもらったり
基本的な足の動きだけはやってたんだけど
やっぱりコンテが配られてそれ通りに動くのはスゴイ難しかった。
座奏も練習しながらのマーチング。
先輩達に言われた言葉は今でも頭の中に残っている…
「アンタ楽器吹いてないんやろっ?」「何でそんなんもわからんの?」
正直、恐かった。泣いたりもした。でもF先輩はそんなウチを慰めてくれた。
『今年最後やから全国行きたい』って先輩の気持ちは痛い程伝わってきた。
でもF先輩は怒ったりしなかった。
みんなが恐いって行ってたE先輩(男)にもウチは1回も怒られなかった。
ウチの好きやったK先輩もウチには怒らなかった。
何でだろう?って考えた時…思い当たる事が一つだけあった。。
それは【友達の妹】そう。ウチは先輩達の友達の妹。
お兄ちゃんがいるってダケで男の先輩達から怒られなかった。
そんなのおかしい…ウチがすごくうまかったから怒られなかったなんてありえない話。
それでも、ウチが思ってたより吹奏楽部は甘くなかった。
2人で一つのポジションを争う形になりウチは大親友と争わなければならなかった。
でも【全国に行きたい】って気持ちだけがウチの中で空回りしてた。
何度怒られても治らない場所。先輩達も暑さですぐキレるようになり…
泣くばっかりの日が続いた。
『泣いても何にもならへんやろ?』
あの時は恐いとしか思えなかった言葉が今では先輩は正しい事しか言ってなかったってわかる。
ホントに泣いてても何にもならない。
泣いてて全国に行けるんだったらみんな泣いてる。
泣いてる時間があるんだったら練習しなきゃ!そして、レギュラーも取れた。
それからはもう必死だった。どうにか先輩達の力で関西大会までは突破できた。
関西大会から全国大会まではかなりの時間がある。
夏休み毎日練習したせいか、
吹奏楽部は文化部であるにもかかわらず運動部並に色が黒かった…笑

座奏の方はと言うと…関西大会銀賞。
残念だった。でも、マーチングで巻き返してやろう!と思えた。

季節が変わり冬。11月。全国大会の日が近づいていた。
関西が終わってからは更に良くしていく為に先輩達も夏に増して厳しくなっていた。
その頃ウチの部室(音楽室)には色々なものが貼ってあった。
その中の一つに『練習で泣き 本番で笑え』というのがあった。
どんなに厳しくてもその辛さに堪えて練習を頑張ったら絶対結果はついてくる。
全国に行った先輩達の残してくれた言葉。
本番の日、朝4時起きで体育館に集まり明け方から練習。
眠たい目をこすりながらも本番を意識しながら練習していた。
ウチの部には本番の日に手紙を交換するという習慣があった。
前日までに手紙を書き、本番の日のバスの中で渡すのだ。
その時は先輩はとても優しい言葉をかけてくれる。
『今日はしっかり頑張りや』
その時はすごい嬉しくて頑張ろうって思えた。
本番前、すごく緊張していた。みんなと握手をして少しでも緊張を解そうとした。
でも全然まだ緊張したままだった。
コレもウチの部の慣わしみたいなもので中腰になり、
部長(兄)が『いくぞ』と声をかけるとみんなで大声で目標(?)を言うというのがある。
ソレで少しは緊張が解けた。
ウチが言った言葉は『絶対日本一になるぞ』だった
アナウンスが流れる。また緊張が高まっていた。
ギャロップという独特の方法(?)で入場。
それから先はまったく覚えていない。
頭が真っ白だった。
気がついたらウチの中学の名前の形になり終わっていた。
もう、やりきった気持ちでいっぱいだった。
結果発表までがすごく長く感じた。やっぱり全国大会という事もあって、座る席がない。
立ち見でずっと見ていて足も疲れていた。
どこかの学校が出番になった時にやっと座れた。

そして、結果発表―――

『○○中学校、金賞ゴールド』

そう言われた瞬間涙が出た。この賞をどれほど願っただろうか。
この賞の為にどれだけ頑張っただろうか。
それを考えるだけで涙が次から次へと出てきた。
スクリーンにはウチらの中学校が座ってる所が映し出され親もすごく喜んでくれていた。
部長と副部長は賞状とトロフィーを貰っていた。
生きてきた中で一番嬉しかった事だと思った。
帰りのバスの中では先生が評価の書かれた紙を読み、
みんなは差し入れのジュースやおにぎりを食べていた。
笑顔だった。笑って帰れた。ソレが凄く幸せだと思えた。
さすが○○中学って言われてすごく嬉しかった。
吹奏楽部に入ってよかったって思えた。
私は吹奏楽部員なんだって事が誇らしくて嬉しくて。


引退した3年生と部員と先生や保護者のみんなでクリスマス会をした。
全国大会の時の写真なんかも注文したり、ケーキを食べながらワイワイやっていた。
少し時間がたち…先生から全国大会の詳しい結果が発表される時になった。
金賞の中でもどのぐらいか―――
それはみんながとても気になっていた事だった。
先生は少し間をおいて『…96点で日本一や!』と言った。
もう、嬉しくてたまらなかった。
前、金賞だった時も日本一だったけど94点だったので更に上へ行けたという印でもあった。
自分も中に入ってやったマーチングで日本一になれたという事が嬉しかった。
先輩ってスゴイって思えた。
金賞を取る喜び。コレはとても凄い事だった。

【―何事にも諦めないでいればかならず結果はついてくる―】

それが1年の時に部活で学んだ事だった。


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