これはもちろん、以前に述べた、子音同士が繋がる発音を応用すればいいのだが、ひとつの単語だけではなく単語同士が繋がる場合には、しばしば、「同じ子音が続く」場合が出てくる。 例えばwant to などだ。こういう場合は、繋がって1つだけになってしまう、のがルール…というか、自然な成り行きである。 want toは決して「ウワント トゥー」などとは発音されない。「ウワントゥ」である(toにはストレスがないので伸ばさない)。この発音がもっといい加減に(?)なるとアメリカ英語でよく耳につく「ワナ」になってしまうのだ。 With the というような場合も、「ウィズ ザ」(もちろんカタカナはそもそもthの発音を表しきれないが)ではなく「ウィザ」でよい。
また、特筆しておいたほうがいいのは他に、[t](または[d])のあとに別の子音が続く場合かもしれない。統計を取ったわけでも実験したわけでもなんでもないが、自分が学んだときの印象と、17年以上に及ぶ教師体験から思うのは、日本人にとっては[t]は本当に「鬼門」だということである。[th]などももちろん苦手には違いないが、「日本語にない発音だ」と意識できる点がむしろいい。[t]が鬼門だ、とは日本人はあまり認識していないので、かえって引っかかるのである。つまり分かりやすくいえば[t]をどうしても「ト」と発音したがるのだ。ところがそんな発音は決して英語ではされないから、聞いたときに「わからん」状態になってしまう。 Next Sundayと書いてあれば日本人は「ネクスト・サンデイ」と読む。が、これは実際は「ネクス・サンデイ」に近く発音される。せいぜい「ネクスッサンデイ」である。
また[t]のあとに母音が来れば、(1)で述べたように「ta ti tu te to」の音に聞こえるかもしれないが、ずっと以前に述べたように、アメリカ英語ではこれが日本語の「ラリルレロ」に最も近い発音なのである。だからたとえば「a lot of」などというフレーズは「あ ろろぶ」と聞こえる。