Hysteric Moon

Hysteric Moon

この手で


これが最後のチャンスだろうか。

あの叫び声。必死に助けを呼んでいる。

しかし、俺に何が出来る。この汚れた手で。


血みどろになったこの手で。


所詮俺の『弱さ』なんだろ。こうなってしまったのも全部。

逃げ出して、自ら命を絶った罰。

生きていた時、『消す』事しか出来なかったから・・・・

死してなお、罪の意識は消えない。

後悔の念も消えない。

それが、どれ程の事だったのか。

そんな感覚も『消えて』しまうかもわからない。

そんな絶望の中。

あの声は俺を必要としているのだろうか。

破壊しか出来なかったこんな俺でも?



何と言われようとかまわない。

どれ程の希望があるかはわからない。絶望しか無いかも知れない。

それでも俺は行こう。

これが運命だったのなら・・・・

せめて、俺にも信じるものを与えてくれた。

それだけで十分だ。





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