西新宿のデート



西新宿は当時、高層ビルがならんでいた。その中に三角形の高層ビルがあった。ここのエレベーターは階数ごとの専用のエレベーターがたくさんあった。改めて説明する必要はないよね。ただ、今もそうだけど沖縄には60階もあるビルなんてないから、とてもすごいビルに見えたんだ。東京タワーも当時、何回も行ったけどね。当時ディズニーランドがなかったことが、ちょっと悔やまれるけど。その建物で食事をした。特に高いものを食べたわけではないけどとても貴重な体験だったような気がする。彼女とのデートはとても楽しかった。でも普段は、図書館がデート場所でよく行ったのが、「梅が丘」の図書館だった。2月ごろかな。梅の花が一面に咲いていたのを覚えている。沖縄も1月の末から桜が咲くので、花の色もピンクがかっていて、沖縄のさくらに似ていたので、最初は、桜がさいていると勘違いしてしまった。とにかく、何をしていても楽しかった。




共通の友人のひろみさん

今、彼女どうしているかな。彼女と連絡が取れていれば、神永さんとまた会うことができたのに彼女もずっと東京で結婚して、幸せに暮らしていると風のうわさで聞いた。いっとき、まじで探したけど彼女のおやじさんに聞いても居場所は教えてくれなかった。そう言えば、風のうわさでぼくのことは、神永さんとひろみさんの間では、死んだことになっていると聞いた。つらい。



ぼくは馬鹿な男です

東京へ戻りたかった。でも兄貴とのあの生活はいやだった。医者になることも正直、あきらめな境地だった。それよりも琉大に戻れば、大学生でいられる。そのことだけがそのときの唯一の救いだった。今、思えば、アホダヨネ。でもそのとき、神永さんにほんとに救いを求めていいのか正直わからなかった。だから、逃げるように東京を後にしてしまった。ほんとうに救いようも無いバカ、ぼくはバカだった。





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